仮想通貨利用者数の統計データ(金融庁調べ)

2018年4月10日、金融庁は「仮想通貨交換業等に関する研究会」を開催しました。

中でも、日本国内の仮想通貨利用者に関するデータが日本仮想通貨交換業協会から多数公開されたことは、大きな一歩です。

金融庁:説明資料(日本仮想通貨交換業協会)

日本国内での仮想通貨取引状況

以下の表は、日本国内の仮想通貨取引量を表しています。

仮想通貨国内取引量
年度 現物取引 FX
平成26年度24億円2億円
平成27年度607億円270億円
平成28年度1兆5,469億円1兆9,790億円
平成29年度12兆7,140億円56兆4,325億円

FXは証拠金取引、信用取引、先物取引を含んだ取引量の合計を表示しています。

FXの内訳のほとんど(97%)は証拠金取引が占めており、先物取引はわずか1.43%となっています。

現物取引に比べてFXは4倍以上の取引量が発生しており、為替市場同様にFX市場は日本人にとって抵抗がないことがわかります。


日本国内の通貨別仮想通貨取引量

以下の表は、日本国内の仮想通貨別取引量を表しています。

通貨別仮想通貨現物取引量
年度 BTC ETH XRP
2014年23億円--
2015年605億円1億円-
2016年1兆4,720億円577億円70億円
2017年10兆4,975億円5,348億円1兆2,822億円

通貨別仮想通貨FX取引量
年度 BTC ETH XRP
2014年2億円--
2015年269億円--
2016年1兆9,786億円3億円-
2017年56兆4,269億円29億円20億円

ビットコインとアルトコインを比較してみると、大きな差があることがわかります。

日本人の関心のほとんどはビットコインであり、そのほかのイーサリアムやXRPなどのアルトコインについては取引量が10分の1以下となっている現状です。


日本国内の年代層別顧客分布

以下の表は、日本国内の年代層別顧客分布を表しています。

年代層別顧客分布(現物取引)
年代 利用者数 割合
10代15,000名0.53%
20代807,000名28.78%
30代960,000名34.24%
40代630,000名22.47%
50代280,000名9.99%
60代89,000名3.17%
70代21,000名0.75%
80代以上2,000名0.07%
合計3,500,000名100%

日本国内の仮想通貨現物取引の約85%は20代から40代が占めているのがわかります。

10代は1%にも達していません。


年代層別顧客分布(FX)
年代 利用者数 割合
10代--
20代13,610名17.68%
30代26,282名34.14%
40代21,880名28.42%
50代10,762名13.98%
60代3,576名4.64%
70代879名1.14%
80代以上5名0.01%
合計142,842名100%

FXは現物取引と比較すると、20代が消極的なのに対して、50代の利用割合が大きくなっています。

資金力の違いなのか、20代はそこまでリスクを負うことに積極的ではありません。


日本国内の仮想通貨預り資産額

以下の表は、日本国内の仮想通貨預り資産額の分布を表しています。

仮想通貨預り資産額の分布
資産額 口座数 割合
10万円未満1,251,830口座77.16%
10〜50万円230,374口座14.20%
50〜100万円61,373口座3.78%
100~500万円64,867口座4.00%
500~1,000万円8,071口座0.50%
1,000~1億円5,560口座0.34%
1億円以上268口座0.02%

仮想通貨口座への預り資産の77%は10万円未満となり、100万円未満であれば、全体の95%を占めています。

2018年現在では、取引所のセキュリティが万全ではないため、100万円以上の資産はハードウォレットなどオフラインで管理すべきです。

その状況下で、1億円以上を取引所に預けている人が268もあるということは少し問題です。


日本国内の仮想通貨出入金額

以下の表は、日本国内の仮想通貨出入金額を表しています。

仮想通貨出入金額
年月 入金額 出金額
2014年3億円2億円
2015年35億円29億円
2016年510億円351億円
2017年1兆9,173億円8,666億円
2017年10月575億円369億円
2017年11月860億円559億円
2017年12月1兆1,714億円1,744億円
2018年1月2,530億円2,211億円
2018年2月849億円1,448億円
2018年3月581億円816億円

2017年の仮想通貨への流入金額が1年前の30倍以上伸びていることがわかります。


まとめ

金融庁の調べで分かった2018年3月時点の日本の仮想通貨市場の状況は以下の通りです。

日本の仮想通貨市場まとめ
    (以下の内容はすべて日本国内のデータとなります。グローバルデータは別です。)
  • 平成29年の仮想通貨取引量は、現物で12兆、証拠金・先物取引で56兆円となる。
  • 平成29年の仮想通貨取引量(現物)の内訳は、BTCが10兆(82.5%)を占める。
  • 年代別の顧客分布は、20代から40代が圧倒的に多く、3世代の合計が85%を超える。
  • 10代の仮想通貨を取引する顧客はわずか0.53%となっている。
  • 仮想通貨の資産分布は、10万円以下が77%、100万円を超える口座はわずか5%未満となっている。
  • ビットコイン決済導入店舗は2018年3月時点で52,190店舗となる。

仮想通貨利用者数関連の統計データ

コインチェックは不正送金事件の記者会見時に170万口座の開設があったことを発表し、その後ビットフライヤーも2018年3月に200万口座開設されたことを発表しました。

ビットコインウォレット数の統計データ

仮想通貨の利用者数を図るのは、口座数だけではありません。

ブロックチェーンを使った仮想通貨では、ウォレット数を数えることで利用者の推移を予測することも可能です。

blockchain.comのサイトにアクセスすれば、ビットコインウォレット数の推移が簡単に確認できます。

blockchain.com:Blockchain Wallet Users

ウォレット数

2013年から上昇し、2017年後半から増加傾向が急激に伸びているのがわかりますでしょうか。

ビットコインや仮想通貨は、送り合える相手や利用者が増えれば増えるほど、利便性が向上し、価値が高まっていきます。

TwitterやLINEなどのSNSと同じ仕組みです。

ウォレット数が増加すればするほど、価値が上がるため、市場価格にもやがて反映されると予測するのが一般的な見方です。


ビットコインノードの統計データ

仮想通貨はウォレット数の他にノードの数によって、市場の活況度合いを図ることができます。

ノードとは、ネットワークに参加するアカウントやコンピュータ端末を意味する言葉です。

ビットコインでは、マイニング(取引の承認)に参加したり、取引履歴の全てを閲覧するための端末をフルノード(コアノード)と呼んでいます。

ビットコインコアノードの推移については以下のサイトで確認することができます。

coin.dance:Bitcoinコアノードのまとめ
関連記事:仮想通貨用語集「ノード」とは

仮想通貨取引量の統計データ

仮想通貨の取引量を調べる方法はたくさんあります。

中でもおすすめなのが「cryptocompare」というサイト。

通貨別、取引ペア別に取引量を確認することができるため、ビットコインがどの通貨で最も購入されているのかということがすぐにわかります。

cryptocompare:通貨別BTCボリューム

BTC通貨別ボリューム

上記にある左図は、ビットコインと取引されている法定通貨を表しています。

USDTとは、ドルと価格を揃えた仮想通貨(ステーブルコイン)です。

USDTを法定通貨に入れるかどうかという議論はありそうですが、USDT、ドル、日本円、韓国ウォンの順でビットコインの多くが取引がされています。

右図は、ビットコインとドルの取引がどの取引所を使って交換されているかの割合を表します。

現時点でビットコインとドルを交換を最も多くサポートしているのはBitfinexということになります。

BTC通貨別ボリューム

ビットコインとの取引ペアの割合を具体的な数字で確認することもできます。

日本円は以前、50%以上を占めていた時期もありましたが、今は乗り遅れてしまい10%以下に落ち着いています。

cryptocompareでは、ビットコインと同じデータを他の通貨でもサポートしています。

ETH,XRP,Monero,DASH,Litecoin,BCHなどがサポートされています。


仮想通貨時価総額シェア(ドミナンス)の推移

株式価格と同様に仮想通貨にも時価総額という考え方があります。

時価総額とは、以下の式で求められる仮想通貨の評価額です。

    1枚あたりの価格 × 市場に流通している枚数 = 時価総額

2018年9月5日時点のビットコインの時価総額は14兆1,623億円となり、内訳は以下の通りです。

  • 1BTCの価格:821,027円
  • 市場流通量:17,249,575BTC
  • 時価総額:14,162,367,256,319円

ビットコイン以外の仮想通貨全体の時価総額を足し合わせると、2018年9月5日時点では、およそ26兆円となっています。

26兆円の内訳(仮想通貨の割合シェア)を表したグラフを「ドミナンス(支配力)」と呼びます。

ドミナンス

上記は2018年1月1日から9月5日までのドミナンスを表しています。

縦軸が割合、横軸が時間となってます。

オレンジ色のビットコインが仮想通貨市場のほとんどを占めており、5月以降から割合をあげていることがわかります。

仮想通貨の特性として、ビットコインの割合が上がるとアルトコインの割合が下がり、そのあとビットコインの割合が下がってアルトコインの割合があがるということを繰り返す傾向があります。

2018年仮想通貨市場全体が下落相場となり、時価総額の低い通貨よりもビットコインのように時価総額が大きい通貨に資金が集まりやすい傾向となっています。


ドミナンスや仮想通貨の時価総額を確認するのはcoinmarketcapがおすすめです。

coinmarketcap:仮想通貨時価総額上位100
coinmarketcap:グローバルチャート

仮想通貨ハッシュレートの推移

ビットコイン、イーサリアムなど、PoWというアルゴリズムを採用している仮想通貨では、マイニングによって仮想通貨を報酬として受けることができます。

関連記事:仮想通貨用語「Mining(マイニング)」とは?わかりやすく解説
関連記事:マイニングプールとは?シェア率比較、おすすめの選び方

マイニング(採掘)量は、以下の式で求めることが可能です。

    採掘量 = 採掘速度(ハッシュレート) × 採掘難易度

ハッシュレート(採掘速度)は、1秒単位で表されます。

1秒間に1,000ハッシュを計算処理できる場合「1KHs/s」と表記します。

計算量が100万であれば1MHs/s、10億であれば1GHs/sと表記されます。

採掘難易度は仮想通貨プロジェクトごとに仕様が決まっているため、ハッシュレートが早ければ早いほど、多くのマイニング報酬を得ることが可能で、マイニング報酬のシェア率に直結します。

ビットコインのハッシュレートはblockchain.comで確認できます。

blockchain.com:ハッシュレート分布

ハッシュレート

シェア率1位のBTC.comと3位のAntPoolはBitmainという中国企業が運営しているマイニングプールです。

その他の上位企業のほとんどが中国のマイニングチップメーカーがビットコインのマイニング市場を独占しています。


ビットコイン関連データ

ハッシュレート以外にも重要なマイニングやビットコインを決済として使う人にとって重要な指標がblockchain.comでは多数公開されています。

blockchain.com:取引手数料の推移
blockchain.com:取引件数
blockchain.com:取引コスト
blockchain.com:採掘難易度
blockchain.com:ハッシュレート
blockchain.com:マイニング報酬量