グループ ポリシーによる Windows 10 のスタート画面とタスク バーのカスタマイズ
適用対象
- Windows 10
ユーザー向けの情報を探している場合 スタート メニューのカスタマイズに関するページをご覧ください。
Windows 10 Pro、Enterprise、Education では、グループ ポリシー オブジェクト (GPO) を使って、カスタマイズしたスタート画面とタスク バーのレイアウトをドメイン内のユーザーに展開できます。 イメージを再作成することなく、レイアウトが含まれている .xml ファイルを上書きするだけで、レイアウトを簡単に更新できます。 これにより、スタート画面とタスク バーのレイアウトをさまざまな部署や組織に合わせて最小限の管理オーバーヘッドでカスタマイズできます。
このトピックでは、ユーザーのサインイン時にカスタマイズされたスタート画面とタスク バーのレイアウトを表示するようにグループ ポリシー設定を更新する方法について説明します。 これらの設定を使ってドメインベースの GPO を作成することで、カスタマイズしたスタート画面とタスク バーのレイアウトをドメイン内のユーザーに展開できます。
警告
スタート画面のフル レイアウトをこの方法で適用すると、ユーザーがスタート画面でアプリをピン留めしたり、ピン留めを外したり、アンインストールしたりすることはできなくなります。 ユーザーは [すべてのアプリ] ビューですべてのアプリを表示して開くことはできますが、スタート画面にいずれのアプリもピン留めすることはできません。 部分的なスタート画面のレイアウトが適用された場合、指定されたタイルのグループの内容は変更できませんが、ユーザーは、これらのグループを移動でき、また独自のグループを作成してカスタマイズすることもできます。 タスク バーのレイアウトを適用しても、ユーザーは引き続きアプリをピン留めしたりピン留めを外したりすることができ、ピン留めしたアプリの順序を変更することもできます。
開始する前に: スタート画面のレイアウトのカスタマイズとエクスポート
オペレーティング システムの要件
Windows 10 バージョン 1607 では、グループ ポリシーによるスタート画面とタスク バーのレイアウトの制御が、Windows 10 Enterprise と Windows 10 Education でサポートされています。 Windows 10 バージョン 1703 では、グループ ポリシーによるスタート画面とタスク バーのレイアウトの制御が、Windows 10 Pro でもサポートされています。
GPO は、Windows 10 の必要な ADMX と ADML ファイル (StartMenu.admx と StartMenu.adml) がインストールされているいずれのコンピューターからも構成できます。 グループ ポリシーでは、ADMX ファイルは、[管理用テンプレート] カテゴリのレジストリベースのポリシー設定を定義するために使われます。 管理用テンプレート ファイルのセントラル ストアを作成する方法については、Microsoft サポート技術情報の記事 929841 (Windows Vista 用に書かれていますが、Windows 10 でも適用されます) をご覧ください。
スタート画面のレイアウトの制御のしくみ
スタート画面とタスク バーのレイアウトは、3 つの機能によって制御できます。
Windows PowerShell の Export-StartLayout コマンドレットを使って、現在のスタート画面のレイアウトの記述を .xml ファイル形式でエクスポートします。
注意
マウントした Windows イメージにスタート画面のレイアウトをインポートするには、Import-StartLayout コマンドレットを使います。
スタート画面の .xml ファイルを変更して
<CustomTaskbarLayoutCollection>
を追加したり、タスク バーの構成専用の .xml ファイルを作成したりすることができます。グループ ポリシーで、[タスク バーと [スタート] メニュー] 管理用テンプレートの [スタート画面のレイアウト] 設定を使って、ポリシーの適用時に .xml ファイルからスタート画面とタスク バーのレイアウトが設定されるようにします。 グループ ポリシー オブジェクトでは空のタイル レイアウトがサポートされないため、空の場合は Windows の既定のタイル レイアウトが読み込まれます。
注意
Windows 10 の展開時に基幹業務アプリを含めるようにスタート画面をカスタマイズする方法については、「Windows 10 のスタート画面をカスタマイズする」をご覧ください。
グループ ポリシーを使ってカスタマイズしたスタート画面のレイアウトをドメインに適用する
ドメイン内のユーザーにスタート画面とタスク バーのレイアウトを適用するには、グループ ポリシー管理コンソール (GPMC) を使って、[タスク バーと [スタート] メニュー] 管理用テンプレートの [スタート画面のレイアウト] ポリシー設定を指定するドメインベースのグループ ポリシー オブジェクト (GPO) をドメインのユーザー用に構成します。
GPO によって、ユーザーの次回サインイン時にスタート画面とタスク バーのレイアウトが適用されます。 ユーザーがサインインするたびに、スタート画面とタスク バーのレイアウトの .xml ファイルのタイムスタンプが確認され、より新しいバージョンのファイルがあれば、最新バージョンのファイルの設定が適用されます。
GPO は、Windows 10 の必要な ADMX と ADML ファイル (StartMenu.admx と StartMenu.adml) がインストールされているいずれのコンピューターからも構成できます。
スタート画面とタスク バーのレイアウトの .xml ファイルは、ユーザーのサインイン時にそのユーザーのコンピューターから使用できる共有ネットワーク ストレージに置く必要があり、ユーザーはそのファイルへの読み取り専用アクセスが許可されている必要があります。 ユーザーが最初にサインインしたときにそのファイルへのアクセスが可能になっていない場合、スタート画面とタスク バーはそのセッションの間はカスタマイズされず、ユーザーはスタート画面に変更を加えることができなくなります。 それ以降のサインインでは、サインイン時にファイルを利用できるようになっていれば、そのファイルに格納されているレイアウトがスタート画面とタスク バーに適用されます。
ドメインへの GPO の展開について詳しくは、「グループ ポリシー オブジェクトを操作する」をご覧ください。
グループ ポリシーを使ってカスタマイズしたスタート画面のレイアウトをローカル コンピューターに適用する
ローカル グループ ポリシー エディターを使って、ローカル コンピューターでサインインするいずれのユーザーにも、カスタマイズしたスタート画面とタスク バーのレイアウトが適用されるようにできます。 サインインするユーザーすべてにカスタマイズしたスタート画面とタスク バーのレイアウトを表示するには、[タスク バーと [スタート] メニュー] 管理用テンプレートの [スタート画面のレイアウト] ポリシー設定を構成します。 [ユーザーの構成] または [コンピューターの構成] の [スタート] メニューとタスク バー] 管理用テンプレートを使用できます。
注意
この手順は、ローカル コンピューターのポリシー設定にのみ適用されます。 ドメイン内のユーザーへのスタート画面とタスク バーのレイアウトの展開について詳しくは、「グループ ポリシーを使ってカスタマイズしたスタート画面のレイアウトをドメインに展開する」をご覧ください。
この手順では、コンピューターのすべてのユーザーに適用されるローカル グループ ポリシーを作成します。 コンピューターの特定のユーザーまたはグループに適用されるローカル グループ ポリシーを構成するには、 複数のローカル グループ ポリシー オブジェクトの管理のステップ バイ ステップ ガイドをご覧ください。 このガイドは Windows Vista 用に書かれていますが、手順は Windows 10 にも適用されます。
この手順では、カスタマイズしたスタート画面とタスク バーのレイアウトをユーザー構成に追加します。ユーザーがコンピューターにサインインすると、このスタート画面のレイアウト設定がローカル コンピューターの対応する設定にすべて上書きされます。
ローカル グループ ポリシー エディターでスタート画面のレイアウトのポリシー設定を構成するには
テスト コンピューターで、Windows キーを押し、「gpedit」と入力してから、[グループ ポリシーの編集] (コントロール パネル) を選びます。
[ユーザーの構成] または [コンピューターの構成] > [管理用テンプレート] > [タスク バーと [スタート] メニュー] に移動します。
右側のウィンドウで [スタート画面のレイアウト] を右クリックし、[編集] をクリックします。
これにより、[スタート画面のレイアウト] ポリシー設定が開きます。
次の設定を入力し、[OK] をクリックします。
[有効] を選びます。
[オプション] で、スタート画面とタスク バーのレイアウトが含まれている .xml ファイルのパスを指定します。 たとえば、「C:\Users\Test01\StartScreenMarketing.xml」と入力します。
必要に応じて、スタート画面とタスク バーのレイアウトを識別するためのコメントを入力します。
重要
有効になっていたスタート画面のレイアウトのポリシー設定を無効にしてから再び有効にした場合、ユーザーがスタート画面に変更を加えることはできず、.xml ファイル内のレイアウトは、ファイルが更新されるまで再適用されません。 Windows PowerShell で、次のコマンドを実行することで、ファイルのタイムスタンプを更新できます。
(ls <path>).LastWriteTime = Get-Date
カスタマイズしたスタート画面のレイアウトを更新する
グループ ポリシーを使って、カスタマイズしたスタート画面とタスク バーのレイアウトをコンピューターまたはドメインに適用した後、レイアウトを更新するには、スタート画面のレイアウトのポリシー設定で指定した .xml ファイルを新しいタイムスタンプのファイルに置き換えるだけです。