外来種は守るべき。外来種によって緑の楽園と化した絶海の孤島。

日本では昨今、ブラックバスのような外来種をどうにかして排除しようとする活動が続いている。

魚を大量に殺しているのにも関わらず、メディアで大きく取り上げ、バラエティ番組として日本全土に放送する始末。私はあの番組を見ているだけでも、胸が痛んで仕方がない。

世界各国を見てみると、外来種によって大きな成功をおさめたところも存在するのにだ。

今回は、あえて外来種の植物を取り入れることによって植物の多様性を手に入れた「アセンション島」のお話しをしていこう。

その前に、前編を見ていない方は、そちらの方から見ていただきたい。

前編はコチラ⇒過去には『ブラックバス絶滅大作戦』外来魚360匹駆除 60㌢超ブラックバスの駆除が行われていた!!小・中学生が70人も参加・・・。

外来種によって緑の楽園と化した絶海の孤島

これは南太平洋に位置するアセンション島という絶海の孤島のお話だ。アセンション島は約100万年前に太平洋の海底から出現した絶海の孤島である。

人類がこの島に足を踏み入れる前までは、海岸沿いはアオウミガメと海鳥の天国であったが、植物はトウダイグサ科の固有種が海岸に生えている以外は、コケとシダしか生えていない荒涼とした地であったという。

この島を緑の楽園にしようと構想したのは1843年に島を訪れた植物学者のジョセフ・フッカーであるという。植物学者のフッカーは、この島の緑化計画を実現するために、南アフリカの国立植物園や、自身が運営をしていたロンドンのキュー・ガーデンから大量の植物を導入した。

特に相性が良かったのはタケやウチワサボテンの1種で、10年も経たないうちにハゲ山は草木が生い茂った森林と化し、グリーン山と呼ばれるようになった。

山頂が859mのグリーン山は、いまでは約300種の種子植物が豊かに育っている。もちろんすべて外来種だ。外来種の導入前はコケとシダしか生えていなかったのだから、植物の種多様性は著しく増大したと言える。

私が想像するに、このような成功とも呼べる事実があったとしても、日本の場合、外来種を頑なに排除すべきだと主張するに違いない。

植物学者はこう主張している。「もし、外来種を根絶しようものなら、固有種のシダを含めて絶滅する在来種が出てくることは明らかだ」

かつては、丸裸の山腹に張り付いていた固有種のシダは、今では外来種の枝にはりついて生息しているのだという。

もちろんこの計画の全てが良かったと言いたいわけではない。ただし、少なくとも外来種と在来種の共存はできているということなのではないだろうか。

実際にはイネも外来種という事実

みなさんの食卓にもよく出てくる白米に味噌汁、さらには梅干しから漬物まで、そんな典型的な日本の食卓風景にも、実は多くの外来種が潜んでいる。

実はレタスもキャベツも、イチョウも梅も、もとはと言えば外来種なのだ。たかだか2500年前に日本列島に入ってきたイネは、日本各地の自然生態系を壊滅的に破壊した。

自然生態系の破壊だけでいえば、史上最悪の侵略的外来種と言えるだろう。

それなのに、イネを排除しようとする人は、今まで聞いたことがない。政府は外来種の排除よりも我々の生活の方が大切だと考えているからだ。

入ってきた当時は、日本の自然にそぐわないとして嫌われる外来種も、侵入して長い年月がたてばわれわれの生活に馴染み、違和感がなくなってくる

コスモスも明治時代に導入された比較的新しい外来種だが、秋のいろどる花として多くの人に親しまれている。ブラックバスやブルーギルと比べ、いったいどこが違うというのだろうか。

もはや在来種と共存しているともいえる今の外来種のあり方は、まわりの風潮に流されて「外来種は排除すべき」と軽く考えてはならない。

ともかく、テレビ東京の人気番組「緊急SOS 池の水ぜんぶ抜く大作戦」、これは私にとって一番必要のない番組だ。

続きの記事をご覧ください⇒【炎上して考え改め・・・】外来種問題に関して、続きをお話しをします。

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