『相棒 season 17 #8』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド)
- 宇佐美教授
- 彼女
- 教授
- 劇物
- 女性
- 研究
- 男性
- 川村
- アズリチン
- 杉下
『相棒 season 17 #8』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)
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相棒 season 17 #8[解][字]
特命係vs呪いの科学!?
完璧なアリバイを主張する悪女のワナ…。
“殺意の微笑み”に秘められた前代未聞の真実とは!?詳細情報
◇番組内容
第8話『微笑みの研究』
認知科学の権威者である大学教授が心臓麻痺で死亡した。「呪い殺された」と騒がれていることから、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は捜査を開始。学生たちの噂により助教授の川村里美(佐津川愛美)、准教授の高野鞠子(冨樫真)、猪瀬啓吾(オクイシュージ)に事情聴取をした右京は、「事件性はない」と聞いた里美が密かに微笑んだことを不審に思う。しかし、里美には完璧なアリバイがあり…!?
◇出演者
水谷豊、反町隆史
鈴木杏樹、川原和久、山中崇史、山西惇、浅利陽介
【ゲスト】佐津川愛美、冨樫真、オクイシュージ
◇スタッフ
【脚本】金井寛
【監督】権野元
◇音楽
池頼広
◇おしらせ
最新情報はツイッターでも!
【ツイッター】https://twitter.com/AibouNow
【番組HP】http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
(太鼓)
(呪文を唱える声)
(川村里美)消えろ…。
消えろ… 消えろ…。
消えろ!
(宇佐美真一郎)うっ…。
(回し車の回る音)
(鳴き声)
(青木年男)嫌だ 嫌だ。
まったく 最近の大学生
レベルが低すぎて 嫌になるなあ。
(冠城 亘)なんだよ?
ああ…。
これですよ。
「宇佐美教授」 「呪い殺された?」
なんだよ? これ。
(杉下右京)おや…。
認知科学の分野で
注目すべき論文を
いくつも発表している
栄光大学の宇佐美教授でしょうか。
ああ…
昨日 心臓麻痺で亡くなったと
新聞で読みましたが。
さすが杉下さん。
その宇佐美教授
単なる心臓麻痺ではなく
呪い殺されたんじゃないかって
栄光大の学生の間で
噂になってるんです。
大学生にもなって
そんな噂を流して喜んでるなんて
知的レベル低すぎ。
そんな非科学的な嘘に
引っかかるお前も
相当なもんだけどな。
呪いが非科学的だとは
一概には言えませんよ。
我々が まだ
科学的根拠を発見していないに
過ぎないかもしれません。
この噂 気になります?
気になりますねぇ。
それに このような噂が立つには
それ相応の理由があるはずです。
お前 わざとだろ?
えっ… 行くんですか?
前にもあったけど 結局は…。
君を誘ってはいませんよ。
わかりました。 行きますよ。
杉下さんのがっかりする顔
拝めるチャンスですからねえ。
そういう事。
(青木)ちょっと ちょっと…!
♬~
助教の川村里美さんでしょうか?
あっ… はい。
警視庁 特命係の
杉下と申します。
冠城です。
昨日 亡くなられた
宇佐美教授の件で
少し お話を伺いたいのですが。
(里美)教授の…? なんでしょう?
宇佐美教授は
心臓麻痺ではなく 呪い殺された。
そんな噂が流れているのを
ご存じですか?
(操作音)
…みたいですね。
この「呪い殺した」というのが
あなたの事だという事も?
まさか 本気で
こんな書き込み 信じて?
実は 先ほど
噂の出どころの学生と会って
話を伺いました。
それによると あなたは
宇佐美教授が亡くなる前日…。
いやあ
なかなかの好感触だったよ。
この分だと
来月号も掲載されるかもねえ。
(原口 護)ええっ!?
すごいじゃないですか!
という事は
このままいけば 来月にでも
ニューヨークの学会とか
呼ばれちゃうんじゃないですか?
死ね…。
(宇佐美)ニューヨーク 嫌い。
(原口)そんな事 言って また…。
さすがです 教授。
おめでとうございます。
そして その日の帰り…。
(政道神大)あなた 悪い霊に
取りつかれているようだ。
えっ…?
(政道)ああ… よくないなあ。
まさかとは思いましたが
この頃
研究も うまくいかないし
なんだか
気持ちも沈んでいたので
いい機会だと思って
おはらいをして頂いただけです。
おはらいですか…。
ところで なぜ 大学に霊能者が?
(猪瀬啓吾)僕がお呼びしたんです。
(猪瀬)研究に
ちょっと ご協力願ったんで。
あなた方は?
准教授の猪瀬です。
(高野鞠子)
同じく 准教授の高野です。
(里美)警察の方です。
教授の事で…。
ああ…。
高野先生は 宇佐美教授と 何冊か
共著を出されていましたね。
(鞠子)ええ。 以前は 宇佐美先生と
共同で研究をしていましたから。
では 宇佐美教授の事も
よくご存じで?
誰よりも研究熱心な方でした。
こんな事になって
とても残念です。
大丈夫?
はい…。
(猪瀬)あの…
これは捜査ですか?
宇佐美教授は
病死だと聞いたんですが。
ああ…
この人の個人的興味です。
宇佐美教授の死に関して
今のところ
事件性はないと見られてますから
ご安心を。
そうですか。 大変ですね。
いやいやいや…。
♬~
では 我々は これで。
右京さん。
猪瀬准教授。 先ほど
霊能者を呼んだのは あなただと
おっしゃいましたねぇ。
ええ。
ぜひ その方に
お目にかかりたいのですがねぇ。
呪い殺す…。
ええ。 私が その気になれば
たやすい事です。
まさか…。
あなた!
えっ… 俺?
あなたは 霊能など信じていない。
いや むしろ
恐れているというくらいかな。
あっ いや…。
見える…。
あなたの後ろに 女の生き霊が…。
♬~
あなた 過去に 女性を
ひどく悲しませた事がある。
そんな事は…。
(政道)では
あなたが 今 思い浮かべた
瞳の美しい女性は 誰ですかな?
彼女は…。
誰も… 思い浮かべてませんよ。
浮かべてません!
全て お見通しのようですねぇ。
そんな 勝手に…。
霊の力を借りれば
これぐらいの事は 朝飯前です。
よろしければ
除霊をして差し上げるが…。
結構です!
(カメラのシャッター音)
では
そろそろ よろしいですかな?
これは お忙しいところを…。
すみません
ご迷惑をかけてしまったみたいで。
構いません。
呪い殺したと疑われるのは
霊能者にとって
ある意味 名誉な事ですからなあ。
ハハハハ…。
あっ…。
言っておくけど
身に覚えありませんからね。
どうでしょうかね。
あっ ちょっと…。
あの人 本当に
人の心 読めるんですか?
当てずっぽうですよね?
彼の能力は
科学的に証明されています。
(政道)「今 あなたは
心に不安を抱えておるな」
「ええ… まあ…」
「それは 異性関係?
それとも 金銭問題?」
(猪瀬)このように 質問しながら
相手の顔の いろいろな部分を
注意深く見ています。
顔に表れる わずかな変化を
見逃さないためです。
(政道)「いや 違う! もっとだ」
「…と あなたの守護霊が
私に伝えておる」
(猪瀬)この時
視線が瞳に集中しているのは
瞳孔が開いているか
確かめています。
(政道)「その借金の原因は?」
それと 声にも注目している。
人は嘘をつく時
瞳孔が開き 声が高くなるんです。
「うんうん… なるほど」
これは コールドリーディングと
呼ばれるテクニックです。
これと バーナム効果を使って
あなたの心を読んだんです。
バーナム効果?
誰にでも当てはまる事を
さも見抜かれたかのように
思ってしまう効果ですねぇ。
まず コールドリーディングで
君の表情を読み
霊能を信じていない事を
言い当てる。
そして 君の容姿から
女性にモテるであろう事
結婚指輪をしていない事から
独身である事を見抜き
女性関係のトラブルがあったと
連想した。
女性を
ひどく悲しませた事がある。
(杉下の声)さらに
誰かを思い浮かべる君の表情から
「瞳のきれいな あの女性」と
表現した。
瞳の美しい女性は 誰ですかな?
(杉下の声)「瞳のきれいな」
というのは 主観ですからねぇ。
誰にでも当てはまる事です。
(猪瀬)お見事です。 杉下さんも
その辺りの才能がありそうだ。
恐れ入ります。
最初から そんな事だろうと
思ってましたよ。
要するに 彼の特殊能力には
科学的根拠があり
決して
オカルト的なものではない。
従って 人を呪い殺すなんて
彼には不可能。
そうなりますね。
…だそうです。
ところで 認知科学の研究者が
オカルトの研究という事に
興味を引かれるのですが
よろしいですか?
(猪瀬)どうぞ。
こちらですね。
どうもありがとう。
宇佐美教授が倒れていたのは
この辺りですねぇ。
死亡推定時刻は
昨日の正午から2時間。
ああ…。
マウスを
ペットにしてたみたいですねえ。
あっ 他に気になるもの…
なさそうですね はい。
教授は 出勤前に
大学前のカフェカーで
テイクアウトのコーヒーを買うのが
日課だったようですねぇ。
おや… 昨日も 亡くなる前に
買っているようですよ。
それが?
いや… そのコーヒーですがね
現場写真には写っていませんねぇ。
飲み終えて ゴミ箱に
捨てたんじゃないですか?
なるほど。
(月本幸子)
じゃあ 結局は その教授の方は
呪いじゃなかった
ってわけなんですね?
右京さんにとっては
残念でしたが。
女将さん。
あっ… はい。 かしこまりました。
ですが
君 気づきませんでしたか?
何をです?
助教の川村里美さんですよ。
あの時 彼女は
なぜ 微笑んだのでしょう?
教授が亡くなり
警察が話を聞きに来ている
あの状況で。
そんなふうに見えただけ
なんじゃないですか?
あくびを かみ殺してたとか…。
栄光大学には
確か 農学部がありましたねぇ。
ええ ありましたけど。
それが?
教授は 毎朝 コーヒーを買うのを
日課にしていました。
ええ。 それが?
病死でも呪いでもない
第三の可能性ですよ。
(携帯電話の着信音)
(芹沢慶二)はい 芹沢です。
なんだ 青木か…。 うん。
えっ? 栄光大の宇佐美教授?
はあ!? 毒殺の可能性が出てきた?
(伊丹憲一)お前
それ 間違いないんだろうな?
(青木)それを確かめるために
今すぐ 火葬を止めて
解剖に回してください。
…との事です。 じゃあ。
なんで この僕が伝言係しなくちゃ
ならないんだよ!
拝見します。
あの… これ 何かの捜査ですか?
いや それは これから。
アズリチンがありますね。
アズリチン?
アズリチンは
心臓麻痺を引き起こす上に
遺体の外見上には
痕跡が残りにくい特徴があります。
これを
コーヒーに入れて飲ませれば
検視官が見逃す可能性も
ゼロではありませんね。
お手数ですが
アズリチンの使用記録
拝見できますかねぇ?
(ため息)
2週間前でした。
学生らと昼食から帰ってきたら…。
鍵は かけたんだよな?
(前田七海)はい。 かけました。
(加古川)調べたところ
劇物のアズリチンが
なくなっていて…。
つまり 盗難事件があった。
しかし 被害届は出ていませんね。
本当に盗難があったかどうか
もう少し 内部で調査してからと
思いまして…。
劇物には 厳重な保管義務が
課せられています。
盗難事件を隠蔽したとなると
大問題ですよ。
(加古川)
隠蔽なんて そんなつもりは…。
ところで 昼食に行く前
保管庫の鍵をかけたのは
君だよね?
はい…。
君 本当に鍵かけた?
えっ…?
さっきから ちょくちょく
髪や首 触ってるよね。
人は 不安な事 隠し事がある時
よくそういう事をする。
かけました 私!
あっ 瞳孔も開いてる。
声も高くなった。
それは
人が嘘をつく時の特徴なんです。
前田くん!
すいません。 私 つい…。
コールドリーディング…。
君も 転んでも
ただでは起きませんね。
(七海)すいません 本当に…。
あの日 みんなで学食に行って…。
とっさに
かけ忘れたって言えなくて…。
前田くん。
保管庫の鍵は大丈夫だよね?
ああ… はい。 かけてきました。
ところで その時
近くに誰かいた
というような事は?
あっ…。
女の人が…。
(操作音)
この人だったりします?
(学生)そうです。 この人です。
(加古川)いただきます。
(学生)いただきます。
♬~
あっ…。
特命係の青木年男~!
見つかったぞ。
宇佐美教授の遺体から
アズリチン。
コーヒーに混ぜられてた。
あっ…。
というわけで
あとは うちがやるんで
他の2人にも
この件からは手を引くように
伝えておいてくれる?
わかったな?
♬~
…だそうです。
呪いじゃなくて残念でしたね
杉下さん。
礼ぐらい言えよ。
(里美)学食で?
いいえ 記憶にありません。
すみません
授業の準備がありますので。
お忙しいところ…。
♬~
宇佐美教授が亡くなったのは
正午から午後2時までの間だと
聞きました。
その時間帯なら
私 ずっと研究室にいました。
教授室には行っていません。
学生たちに聞いてもらえれば
わかるはずです。
失礼します。
なぜ 学食での事を聞くのかと
聞きませんでしたねぇ。
にもかかわらず 先回りして
自らアリバイを主張した。
やましい事があるから?
かもしれませんねぇ。
右京さん 今の彼女のアリバイ
確認してきてください。
はい?
僕の見立てだと 彼女なら
恋人の1人や2人 いるはずです。
それを探し出して
今の彼女の裏の顔 探ってみます。
じゃあ しくよろ。
一応 僕が上司なんですがねぇ。
ええ。 その時間なら
川村さんは ずっと ここに。
なあ?
はい。
だから 呪いなのかなって…。
そうですか。
どうもありがとう。
失礼します。
失礼します。
失礼します。
里美さん 宇佐美教授の事
なんか話してなかった?
(土井 彰)宇佐美?
いえ 何も…。
ちなみに 別れた原因は?
彼女に嫌われたみたいで。
嫌われた?
なんとなく そう感じて…。
(土井の声)2人でいる時も
突然 怒り出したりして…。
いい加減にして。
理由を聞いても
教えてくれなくて…。
いろいろ 不思議なところのある
女性のようですねぇ。
でも アリバイのほうは
確かだったんですよね?
ええ。 宇佐美教授は
大学前のカフェカーで
コーヒーを買い
そのまま
教授室に入っていますからねぇ。
劇物を入れるチャンスは
教授室に入った正午から
発見された午後2時までの間
という事になりますが
その間 彼女は
研究室を出ていなかったそうです。
となると…。
少なくとも 実行犯ではなかった。
しかし 一方で 彼女は
宇佐美教授を恨んでいたようです。
考えられるのは
共犯者がいたという線ですねえ。
誰か 思い当たる人物でも?
元カレの話では 彼女には
電話で相談してた相手が
いたみたいです。
ええ。 確かに 川村くんからは
相談を受けていました。
どんな相談を?
彼女
高野先生の助手を辞めたいと…。
助手を辞めたい…?
高野先生は
研究熱心ですからね…。
川村くんにかかる負担も
大きかったんでしょう。
まあ せっかく
転籍してきたんだからと
なんとか説得はしましたが。
川村さんは なぜ 先生に相談を?
ああ…。
彼女は この春 うちの研究室に
転籍を希望してきて
その時 面接をしたのが
僕だったんです。
そうですか…。
今の話を聞く限り 川村さんと
一番多く時間を過ごしているのは
高野准教授という事になりますね。
そのようですねぇ。
(田川祥子)お世話になりました。
(鞠子)ありがとうございました。
未歩ちゃん
元気でね。
(田川未歩)はい。 さようなら。
♬~
助手の川村さんなんですが
誰か個人的に親しくしてる人とか
いませんでしたか?
さあ…
そういったプライベートな事は…。
まだ
彼女の事を疑ってるんですか?
あっ…
じゃあ あなた自身は どうです?
個人的に付き合いがあった
というような…。
ありません。 彼女とは あくまで
准教授と助教の関係です。
何がおっしゃりたいんですか?
あっ ちなみに
先ほどの親子は どなたでしょう?
ああ… 宇佐美教授の研究に
協力してもらっていたんです。
研究に?
あの子 IQが140以上あるんです。
天才少女ですか。
宇佐美教授は あの子に
様々な条件下で問題を解かせたり
質問したりして
その思考のメカニズムを
調べていました。
なるほど。
宇佐美教授のテーマは天才児。
猪瀬准教授はオカルト。
そして あなたのテーマは…?
共感です。
共感って あの
主人公の生き方に共感を覚える
っていう あの?
ええ。 どうぞ。
共感は 認知科学の
大きなテーマのひとつですから。
人が 他人の苦労話に涙したり
成功話に心を躍らせたりするのは
なぜか。
それを知る事が
人間を知る事に繋がると
考えています。
では 川村里美さんのテーマも
共感ですね。
猪瀬准教授にお聞きしました。
あなたと
テーマが共通しているから
助手になってもらったと。
ええ。
でも 彼女の場合は
共感に障害を持つ人々に
興味があるようですが。
(ノック)
(原口)失礼します。
はい。
先生… あっ すいません。
先生。 この間の授業で
中止になった実験
来週 やる事にしていいですか?
あの 準備があるので…。
ああ そうね…。
あっ じゃあ 来週の木曜の3限に
入れておいてくれる?
わかりました。 失礼しました。
(原口)ほらほら こっち こっち。
あっ 2匹いる。
2匹取れちゃった。 はい。
中止になった実験というのは
マウスを使った実験
だったのでしょうか?
ええ。 なかなか面白い実験
だったんですけどね。
その面白い実験は
いつ やる予定だったのでしょう?
この間の
火曜の3限の授業でした。
それが なぜ中止に?
いや… わかりません。
(電話)
教室に入ってくるなり
高野先生が いきなり
中止にすると言い出して…。
理由もなしにですか…。
(原口)認知科学科 研究室です。
ああ お世話になってます。
はい あっ あの マウスを…。
火曜の3限というと
午後1時から。
ちょうど 宇佐美教授の遺体が
発見される直前ですねぇ。
僕が犯人なら
殺人現場で目にしたマウスを
その直後に見たくないでしょうね。
その気持ち
君だけとは限りませんよ。
(角田六郎)おい。
読書か…。
ハハッ 相変わらず 暇だね。
認知って あの…
愛人の子供を認知するって
あれだろ?
あんなのが科学になるのか?
なわけないでしょ。
冗談だよ。
ええ~っ?
天才少女を調べたりするのか?
認知科学っていうのは。
ちょっと失礼。
うん。
♬~
冠城くん。
はい。
ここ。
同じですね。
♬~
以前 お二人で
共著を出していましたが
なるほど 4年前の この本が
最後なんですねぇ。
4年前に何かがあった…。
そのようですね。
そうでしたか。
葵ちゃんは 自ら命を…。
(小柴恵子)はい。
失礼ですが 葵ちゃんに
何か思い当たる事などは…?
(恵子)わかりません。
少し 精神が不安定なところが
ある子でしたから。
ただ あとから考えれば
あの研究も ストレスに
なっていたのかなって…。
研究室の方も
その可能性を認めて
何度も謝りにいらしてましたから。
そうですか…。
恐らく 犯人は
宇佐美教授が出勤後
この部屋を訪ね
隙を見て コーヒーの中に
アズリチンを混入させた。
教授は それを飲み
心臓麻痺を起こして死んだ。
その時 犯人は
まだ この部屋にいたはずです。
教授の死を確かめるために?
それもありますが 何より
コップに残っているアズリチンを
処理しなければ
なりませんからねぇ。
そのためには 水道水で洗い流すか
カップごと持ち去るかですが
見てのとおり この部屋には
水道もトイレもありません。
従って 犯人は カップごと
持ち去ったという事になります。
しかし
持ち去って どこかに捨てたなら
もう 確かめようがありませんよ。
ええ。
あっ…。
いやいや
まだ 可能性はありますよ。
度々 恐縮です。
宇佐美教授殺害の犯人が
わかりましたので
そのご報告にと…。
犯人がわかった…?
ええ。 犯人は あの日
出勤してすぐの
宇佐美教授を訪ね…。
(杉下の声)教授が
いつも買っているコーヒーの中に
劇物を入れて
教授を殺害しました。
ああっ! あっ…。
(杉下の声)その際 劇物が
発見されないようにするために
コップを持ち去った。
その時間帯の
大学構内の防犯カメラを
くまなく調べたところ
面白いものが映ってました。
これ あなたですよね?
そして あなたが捨てたカップ
教授が
いつも買ってる店のものです。
それが なんだというんですか?
私も同じ店で買った。
それだけの事です。
いいえ 違います。
あなたが持っていたのは
間違いなく
教授が買ったカップですよ。
♬~
この部分に
「A HN X%」と書いてます。
これ
注文する時の記号だそうです。
教授は
毎日 同じ注文をしたそうです。
ヘーゼルナッツシロップ
低脂肪乳。
(店員)はい どうぞ。
(宇佐美)はい どうも。
(店員)お待たせしました。
あっ レシート。
おお… ありがとう。
そして 店の記録によると
教授以外に
このような注文をした客は
いなかった。
もし 犯人が 大学以外の場所に
カップを捨てていたら
防犯カメラに映る事は
なかったでしょう。
しかし 授業のため
教室へ 向かわなければ
ならなかった あなたは
どうしても 途中で
捨てる必要があったんですよ。
はあ…。
仕方がなかったんです。
あの子を守るためには…。
あの子というのは
田川未歩ちゃんでしょうか。
ああ…。
全部 わかってるみたいですね。
あなたは 4年前まで
宇佐美教授と共同で
IQの高い 小柴葵ちゃんの
研究をしていました。
ところが 葵ちゃんは
研究終了後 自ら命を絶った。
認知科学を研究していながら
私は 葵ちゃんのSOSのサインに
気づいてやれなかった。
いいえ。 本当は 研究を優先して
見て見ぬふりをしていただけ
だったんです。
だから 未歩ちゃんだけは
絶対に助けなければならなかった。
(鞠子)未歩ちゃんの手の傷に
気づかないですか?
このままだと
4年前と同じ事が起こる。
それがわからないんですか?
(鞠子の声)宇佐美は
自分の研究が認められる事しか
考えていなかったんです。
関係がない。
いいえ!
私たちが 葵ちゃんを…。
とにかく!
田川未歩の事は
両親から承諾を得ている。
私はね この研究に懸けている。
邪魔しないでくれ!
(鞠子の声)少女の命など
なんとも…! なんっとも
思っていなかったんです!
だから 私は あいつを
心底 軽蔑し 憎みました。
劇物は
協力者から入手したんですよね?
アズリチンは
自分で用意しました。
その2週間ほど前
そんな劇物 盗んで どうするの?
ああいう劇物って
闇サイトで
高値で売り買いされてるんですよ。
ほら。
闇サイトで同じ劇物を買い
教授に飲ませれば
心臓麻痺として
事件にならない可能性が高い。
万が一 事件になったとしても
使用された劇物は
農学部から盗まれたものだと
判断される。
盗難のあった日
学会で大学にいなかった自分は
疑われる事はない。
そう考えたのですね?
(伊丹)しかし
そうはいかなかった。
そこまでで結構です。
あとは我々が。
高野鞠子さん
詳しい事は 署でお聞きします。
さあ。
後悔はしていません。
一人の少女の命を
救ったんですから。
あっ…。
最後に もうひとつだけ。
初めてお会いした あの時…。
宇佐美教授の死に関して
今のところ
事件性はないと見られてますから
ご安心を。
あなたは 心の中で
安堵の笑みを浮かべていたのでは
ありませんか?
警部殿。
あなたの心の中が
もうひとつの真相の
重要な鍵なんです。
いかがでしょう?
ええ。
きっと 心の中では
笑みを浮かべていたんでしょうね。
そうですか。
どうもありがとう。
さあ。
探してるのは これかな?
すでに
お聞きになったと思いますが
宇佐美教授を殺害した犯人は
高野准教授でした。
ええ 聞きました。
しかし どうやら 彼女は
何者かに誘導されて
犯行に及んだと考えられます。
その何者かは
彼女の教授への殺意を知った上で
闇サイトで
同じ劇物が買えると吹き込み
彼女に 教授を殺害するように
仕向けました。
その何者かとは 誰か。
川村さん あなたです。
何を言っているのか
わかりません。
なぜ 私が?
君は 学食で 保管庫に
鍵がかかっていない事を知り
急いで 劇物を盗みに入った。
だとすると
手袋を用意する暇はなかったはず。
で 現場にあった これが目に入り
つい使ってしまった。
この手袋の内側から
身元不明の指紋が見つかった。
それが
ここに付着してた指紋と一致した。
これ 君専用のじょうろだよね。
つまり 君の指紋。
劇物を盗んだのは 君だよね。
すごいんですね 警察って。
でも なぜ 私が
高野先生にそんな事をしたのか。
動機は
どこにあるっていうんですか?
ええ それが謎でした。
しかし その答えは
あなたの微笑みにありました。
あなたが微笑んだ あの時
高野准教授も 心の中で
安堵の笑みを
浮かべていたそうです。
川村さん あなたは
人の感情が
まるで自分の感情のように
感じられてしまうんですね。
並外れた共感力を
持っている人々は
共感する人 エンパスと
呼ばれているそうですね。
もし 君がエンパスなら
これまで 君の周囲で起こった
不思議な現象の全てが説明できる。
そんなあなたが
宇佐美教授に殺意を抱く
高野准教授のそばに
四六時中いたら どうなるか。
彼女のむき出しの憎悪を
常に感じていたのでは
ないでしょうか。
《早く死ねよ》
《死ね!》
《イライラすんだよ!》
《死ねっつってんだろ!》
(里美の声)私は
高野先生の憎しみの感情に
耐えられなくて
どうしても逃れたかった…。
このままだと
殺意に塗り潰されそうで…。
だから 高野先生が
宇佐美教授を殺せたら
全てが終わるんだと思って…。
どうして こんな能力
持っちゃったんだろう。
子供の頃から
訳もわからず悲しくなったり
突然 腹が立ったり…。
(男性)ええ ええ。
あっ はいはい。
そちらの あの…
資料につきましてはですね…。
《調子に乗ってんじゃねえぞ
この野郎!》
《何様のつもりだ 馬鹿野郎!》
《頭悪いんだよ おめえはよ》
《グダグダしゃべりやがってよ
一生やってろよ!》
(女性)《死にたい…
死にたい…》
《誰か殺して…》
(男性)《話が違うだろ!》
(女性)《死ねよ》
(男性)《馬鹿!》
(女性)《うざいんですけど》
(男性)《いつもいつも
こき使うんじゃねえよ》
(女性)《もう やだ》
(男性)《マジでぶっ飛ばすぞ!》
(男性)《部長 消えろ!》
(女性)《うっせえな 消えろよ!》
(女性)《ふざけんな ババア!》
(男性)《マジで単細胞》
(女性)《偽善者》
(男性)《邪魔だ!》
(男性)《頭悪いな こいつ》
(男性)《いい加減にしろよ
この野郎》
(女性)《マジ邪魔》
(女性)《信じらんない》
(男性)《使えない奴だな》
どこに行っても逃げられなかった。
あなた方に
この苦しさがわかりますか?
あなたの抱えている苦しみは
僕などにはわかりません。
しかし 憎しみで満ちあふれていた
彼女の心を
別のやり方で
解き放ってあげる事は
できませんでしたかねぇ。
いや 特別な能力をお持ちの
あなたならば
それが できたのではないかと
僕などは
思ってしまうのですが…。
最悪の道を選んでしまった事が
残念です。
♬~
(すすり泣き)
そうですね…。
(泣き声)
あっ… これです。
あなたは 以前から
エンパスの存在に
注目していました。
川村さんがエンパスである事に
気づいても
なんの不思議もありません。
いや 気づいていたからこそ
川村さんを 高野准教授の助手に
したのではないか。
そう考えていくと 今回の事件
全ては あなたの
壮大な実験だったのではないか
そう思えてきましてね。
つまり あなたは
エンパスを 強い憎悪のそばに
置いたら どうなるか
観察しようとした。
彼女たちを
実験用のマウスにしたんです。
あなた 高野鞠子の
宇佐美教授への憎悪も
知っていたんですね。
彼女自身に確認しました。
教授と言い争っているのを
あなたに見られてしまった事が
あったって。
そして 事件は起きた。
殺人として。
あなたにとって 実験は成功…
という事になるのでしょうか?
もし そうだとして…
それは 罪に問えますか?
今ある材料では
恐らく 無理でしょうね。
フフフフフ…
ハハハハハ…。
でしょうねえ!
僕がオカルトの研究をしている
というだけで
変人扱いされるぐらいですから。
頭の固い奴らが
そんなものを認めるはずがない。
しかし 実際に事件は起こった。
人が人を操り 殺人を犯させる。
それが
どれほどハードルが高い事か
わかりますか?
だとしても あなたは
それを誇る事はできませんよ。
その成果が 認知科学を
発展させる事もありません。
なぜならば
実験が あなたの手によるものだと
公表した時点で
あなたは 倫理問題で
世にさらされてしまうからですよ。
たとえ 法的に罪は問えなくても
決して 社会は許さない。
間違いなく あなたは
学者としての命を絶たれる。
人は
実験用のマウスではありません。
そんな事にも気づかない
あなたに
研究者を名乗る資格など
ありませんよ!
いや…
人を名乗る資格すらない。
冠城くん 行きましょう。
はい。
♬~
♬~
(芹沢)なんで
こんな事になったんですか?
頼んだ意味ないじゃないですか!
(青木)警察は まともに動かない。
(敷島純大)
しかるべき処分をしてもらう。
伊丹さんが生き残る目は?
(大河内春樹)
あり得ないという事だ。
(伊丹)決定的な証拠です。
僕たちでいいのですか?