朝鮮日報

【コラム】法治の皮をかぶった「暴治」の時代

 このような雰囲気の中で、ただでさえ暴力的な民労総が、積弊と呼ばれる企業や企業関係者に対して暴力を振るうのは不思議なことではない。最近の民労総の言動を見ている多くの人々の反応は「暴力団と何が違うんだ」というものだ。建設現場で「民労総組合員だけ使え」と強要し、工事現場の出入り口をふさぐのは典型的な組織暴力行為だ。こんな民労総が最近は100万人近くまで膨らんでいる。近く、サムスンとポスコの労働組合まで合流する可能性がある。この巨大組織は政権から「暴力の免許証」を手に入れたかのように振る舞っている。民労総が企業幹部を血だらけになるまでリンチしても、警察は事実上、見ているだけだった。警察は「我々には力がない」と言ったというが、逆に企業役員が組合員に一発ビンタしたら警察がすぐさま駆け付け、役員はインターネット上で罵倒(ばとう)されていただろう。

 民労総と政権は同じ側にいる者同士だ。警察と検察が大統領とは反対の立場の人々、反対の意見を口にする人々の「あら」を執拗に探し出し、法で縛り付けておきながら、民労総による組織暴力に対しては擁護勢力のようになっているのは、一脈相通じるところがある。法が暴力の手段として利用されることと、法が暴力の擁護勢力になるのは、実は紙一重だ。今、民労総の標的になれば、ネット上でたたかれるだけでなく、さらに身体的な暴力にまでさらされる可能性がある。企業関係者だけではない。誰がやられるか分からない。だから、法に訴えしようとしても、民労総を擁護する検察・警察や新主流派の判事が待ちかまえている。法を装って行われている「暴治」時代だ。「暴治」は「暴治」を招く。

楊相勲(ヤン・サンフン)論説委員

前のページ 1 | 2 | 3 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】法治の皮をかぶった「暴治」の時代

right

関連ニュース
今、あなたにオススメ
Recommended by