12角のトゥエルブが放つ、ISSEY MIYAKE WATCHのクールな表情。
深澤直人が手がける、ISSEY MIYAKEウオッチ・プロジェクトの「トゥエルブ」。その新作は、ヘアラインのケースを纏うスタイリッシュなモデルです。
ISSEY MIYAKEウオッチ・プロジェクトは、内外の優れたクリエイターを起用し、傑作を生み続けてきました。その中でも2度の指名を受けた日本屈指のデザイナー、深澤直人のロングセラー「トゥエルブ」が、注目のマイナーチェンジを行いました。斬新なフォルムはそのままに、全身は艶消しのヘアライン仕上げに移行。新世代の「トゥエルブ」は、ひたすらクールな印象を与えます。
「トゥエルブ」誕生時にデザイナー深澤直人が試みたのは、ダイヤルに文字も一切の数字もない、どこまでもシンプルなフェイス。一方で円形の内径をまるで金属製レンチのように12角形にかたどり、ガラスも従属させました。
こうして、かたち自体が12時間を表す、どこにもない時計が誕生しました。軸穴すら見せない黒い針は太く力強く、文字盤をバックに確実な直線を交わしています。長針と短針の描く角度を12の内角が受け止め、正確な時間に変換。切り詰めたミニマルな形は、実は極めて機能的なのです。当初オールミラー仕上げだった「トゥエルブ」は各地の美術館で収蔵品・展示品となり、かたちの普遍を証明しました。
その「トゥエルブ」が今回、艶のすべてを削ぎ落としました。無彩色のマテリアルは質感を高め、造形はより力強く際立ちます。輝きを潜めて純粋なデザインに回帰した新世代の「トゥエルブ」は、ミニマルを極めたデザインの原初的な力と魅力を、もう一度はっきりと浮かび上がらせたのです。
深澤直人 Naoto Fukasawa
プロダクトデザイナー
●1956年生まれ。89年に渡米し、IDEO勤務。8年後に帰国。2003年に独立し、Naoto Fukasawa Design設立。その活動領域は電子精密機器から家具、インテリアにいたるまで多岐にわたり、世界的な企業のデザインを数多く手がけている。18年「イサム・ノグチ賞」受賞。
1959年の創業以来、斬新なデザインで名高いイタリアの照明メーカー、アルテミデ社。深澤直人がデザインを提供したタスクライト「デメトラ LED」が世
界的に注目を浴びています。LEDの利点を活かしてシェードを排し、円盤のような薄型の発光部と可変アームからなるシンプルでミニマルな構成は、深澤デザインの真骨頂です。