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わるいこ

わるいこ

【投稿日】 :2013/06/15
【カテゴリ】:スカトロ(大) 便秘 
【あらすじ】:少女の孤独な戦い




「ただいま」

薄暗い家の中に向けて、沙絵子はいつものように声をかけた。
当然、返事はない。沙絵子の親は両方とも働きに出ていて、
夜遅くにならないと帰ってこないからだ。
この意味のない「ただいま」は、沙絵子がもっと小さかった頃、
学校を終えて家に帰ればお母さんが待っていた頃に、体に染みついたものだった。

誰も見ていなくても、靴をそろえて脱ぎ、ランドセルを静かに階段の前に置き、
きちんと手洗いうがいをする。
お母さんはそういうのにとても厳しい人だ。昔も今も。

「……はぁ」

鏡の前で、歳に似合わない重いため息をつく。
少し顔色が悪いのと、表情が憂鬱に曇っている事を含めても、沙絵子は美しい少女だった。
顔立ちが整っているだけでなく、色素の薄い肌や髪、ほっそりした体つきなどが、
見る者に上品な印象を与える。
去年ドレスを着てお姫様の役で学芸会の劇に出た時には、はまりぶりに保護者の間でも
ちょっとした評判になったほどである。
以来、お母さんは沙絵子にそういう服を着せたがるようになった。
白いブラウスに、紺チェックのスカート。
動きづらいし汚さないように気を使うから、本当はあまり好きではない服。
だが、お母さんにはそう言えなかった。

普段であればピアノの練習か宿題にとりかかるところだが、
今日の沙絵子はまっすぐリビングのソファに向かい、そこに身を横たえた。
体が重い。お腹の下の方が、ずきずきと鈍く痛む。

「んっ……ふうっ……」

苦しい吐息と共に何度かソファの上で身じろぎした後、
沙絵子はスカートのホックを外してファスナーを下げた。
スカートに締め付けられていた、不自然に膨らんだ下腹が解放され、
表情にわずかな安堵の色が混じる。

お通じが止まって、一週間。こんなに長い間来ないのは初めてだ。
焦りと恐怖に突き動かされ、昨日の夜は冷たい牛乳を二杯も飲んでトイレに篭った。
でも、だめだった。
何度気張っても便器に吐き出されるのは乾いた気体だけで、
結局沙絵子は六日分の便と一緒にベッドに入った。

お父さんはもちろん、お母さんにも相談できなかった。
平日も休みの日も、忙しそうにしているか、すごく疲れた顔をしているか、
のどっちかだったからだ。
恥ずかしいし、怒られるかもしれないという不安もあった。

そして、今日。お腹の痛みは、時々中断しながら一日中ずっと続いている。
途中で吐きそうになって、給食はあまり食べられなかった。

(お腹苦しい……出したい……)

ぼんやりと濁った頭の中を、その二語だけが回り続ける。
沙絵子のまだ少ない人生経験では、事態の打開策を見つけ出すことが出来ない。
便秘薬の存在は知っていたが、薬屋で買う勇気が出せなかった。

他に出来ることも、したいこともない。
なら眠って、お腹の苦しさから少しの間だけでも解放されたかった。

ソファにさらに深く身を沈めて目を閉じた直後、
体の芯から静かに湧きあがってくる寒気を感じて、沙絵子はうっすらと目を開いた。
初め、久しぶりすぎてそれがなんなのかわからなかった。
便秘で気分が悪いだけだと思った。
しかし、少しずつ強くなるそれが耐えられないくらい不快になり、
沙絵子に何らかの解消行動を求めているのだと気づいて、ようやく正体に思い至った。

便意。ここしばらくご無沙汰だった、大便をしたい、という感覚。
お尻の穴のすぐ内側を力強く押し広げながら、太く固い塊がぬるりと降りてきたのを、
確かに感じた。
下へ。下へ。勢いは止まらず、一週間ぶりに外へ出ようともがいている。
沙絵子はソファから体を起こし、立ち上がった。
小走りでトイレに駆け込んだ頃には、便意は抑えるのが辛いと思うほど強まっていた。

ぷっ。ぱすっ。ぷすっ。

降りてくる便塊に押し出されたおならが、まだ白布に包まれたままのお尻の穴を震わせる。
可愛い、ともとれなくもないその小さな音と裏腹に、立ち上る臭いは凶悪だ。
少し感じた吐き気をこらえて下着を下げ、沙絵子は便座に腰を下ろした。

「うぅっ……」

肛門が強引に内側からこじ開けられる不快な感覚に、小さなうめき声が漏れる。
まだお腹には全く力をこめていないのに、固く閉じていた窄まりが
早くもほころび始めている。
案外、このまま「するん」と出てくれるかもしれない。
そんな期待を持った矢先、塊の降下が止まった。
中からの圧力は相当強いのだが、やはり一週間ものを押し出すには
それだけでは足りないのだ。

「……っ、………!」

全身を緊張させ、わずかに前かがみになって息む。びくともしない。
深く息を吸い、姿勢を整え、今度はもう少し強く。

「……んっ、……くっ」

お腹に力を入れると、喉の奥から自然に声が漏れる。
ここがお家のトイレでよかった、と思った。
沙絵子はもう、人前ですら何のためらいもなく大用を足せるような子供ではない。
同時にまだ、羞恥心とうまく折り合いをつけられるほど大人でもない。
学校で大きいほうをするのはもちろん、公共のトイレで姿の見えない他人に
ふんばり声を聞かれるのすら恥ずかしくて嫌だった。

だが、今は家に自分一人。誰にも遠慮する必要はない。
また息継ぎをし、深く前傾して腹圧を強める。

「んぅっ……ぅんっ……!」

小窓から差す強い西日が、息みで歪んだ沙絵子の横顔を照らし出す。
白い頬は力の入れすぎと夕日の熱で紅潮し、その上を汗が一筋流れ落ちた。

みり……みり……

ようやく、便が前進を再開した。
下方に突き出し苦しげに口を開いたお尻の穴の奥から、のっそりと顔をのぞかせる。
脱出が近くなるにしたがって、沙絵子は自分が一週間前に食べたものが
今どうなっているのか、を詳しく知覚できるようになった。

とにかく固い。そして、太い。
昔読んだ、狼と山羊の子が出てくる童話を思い出した。
まるでお腹に詰められた大きな石を、お尻からひきずり出されているみたいだ。
便が外へ進むにしたがって、お尻の穴にぴりぴりした痛みが走る。
これ以上広がれば裂けてしまう、という警告。
だが、それに従う余裕がないほど追い詰められていた。
足を開き、太ももの上で拳をぎゅっと握りしめ、
沙絵子は細い肩を震わせながらさらに強く息んだ。

「ふぅっ……!」

めりっ……みちっ‥…

盛り上がった肛門の端を、黒ずんだ便の頭が数ミリほど追い越す。
もうほんのわずか外に押せば、あと少し、ほんの少し、

「んんぅっ……!」

そこまで来ているというのに、出せない。
お腹の奥から押す力と息みで、すでに小さなお尻には不釣り合いな大穴が生じていたが、
栓のように太った秘結便が通過するにはまだ足りない。
外に出ている部分だけでも千切ろうとしても、
正真正銘の石が少女のひ弱な力で砕けるはずもなかった。

息が苦しい。目の前がちかちかする。
沙絵子は一旦息むのを止め、体の力を抜いて呼吸を求めた。

「はあっ……!はあっ、はあっ……」

出かかっていた巨大な固まりが、お尻の奥にぐぐりと戻ろうと動く不快な感覚。
次いで、違和感。便塊が引っ込まない。お尻の穴が閉じない。

「……え?」

初めて体験する異常事態に、戸惑いが、恐怖が襲ってきた。
何重にも巻いたペーパーを手に取って、おそるおそるお尻に触れてみる。
窄まりであるはずのそこは、何も力を入れていないのに勝手に口を開けている。
そして、その窪みの中心に、ごつごつした岩のような栓の感触がある。
中途半端に外へ動いたのが災いし、つっかえて前にも後ろにも進まなくなってしまったのだ。

湧き上がる不安から目を逸らし、自分に言い聞かせる。
もうここまで来ているのだから、あと何回か息めばきっと出せる。
大丈夫。大丈夫。大丈夫。何度心の中でそう唱えても、自分を騙せなかった。

************

オレンジ色の夕日が山の向こうに沈み、夜が訪れる。
宵闇が家の中を満たす頃になっても、唯一明かりの灯ったトイレで沙絵子はまだ戦っていた。
事態は何も進展していない。
塊はお尻に挟まったまま、一かけらも便器に産み落とされていない。

「んっ……ぅんっ!……はぁ、はぁ‥…」

何十度目かわからない踏ん張りも無駄に終わり、沙絵子は憔悴した表情でうつむいた。
汗が数滴、ぽたぽたとスカートに垂れる。

「お腹、いたい……」

片方の腕を回して下腹を抱える。
全然出ないくせに、強い便意の波は繰り返し襲ってくる。
そのたびに腸が詰まった中身を送り出そうと激しく暴れ、痛みを発生させるのだ。
便に拡げられたままのお尻の痛みと合わさり、限界に近い心と体をさらに苛む。

もしかしたらこのまま、ずっと出せないかもしれない、と沙絵子は思い始めていた。
親が帰ってきても、相談する勇気はない。隠したまま寝て、起きて、学校に行くしかない。
それでも、あまりの気分の悪さとお腹の辛さで、いつか限界を迎えてしまうだろう。
おそらく、病院に行くことになる。

幼稚園の時に五日間の便秘の末お世話になった関係で、
そこで何が行われるのか沙絵子は知っていた。
お尻の穴から覗く便を触られ、固くなった部分をほじくり出され、
お尻にお薬を入れられる。数分で強烈な便意が襲ってきて、
ベッドに寝たまま全てぶちまけてしまう。
しかも一部始終は、お医者さんや看護婦さんに全て見られている。

あの時はお尻とお腹が痛くて辛いだけだったが、
今は、恥ずかしい、という感情が先に湧き上がってくる。
思いだして今の自分に当てはめる想像をしただけで、羞恥で胸が苦しくなる。

「嫌っ……そんなの、ぜったいっ……!」

涙がこみあげる。激情に流されるまま、沙絵子はスカートのポケットの中の
携帯電話を取り出した。
お母さん。助けて、お母さん。厳しいけれど、大好きなお母さん。
お母さんなら、きっと何とかしてくれる。
にじんだ視界の中でアドレス帳を呼び出す。番号が表示される。
そして、通話ボタンを――押そうとして、出来なかった。

『そんなつまらないことで掛けてこないで。忙しいんだから』
耳の奥で、お母さんの声がした。何年か前、家の鍵を持たされてすぐの頃。
絵のコンクールで賞状をもらって、褒めてもらえると信じて電話をした時の記憶だった。

震える親指がボタンの上でしばらく迷った後、沙絵子は携帯を床に放り捨てた。
悲しみ。恐怖。寂しさ。焦り。怒り。
胸の中で強い気持ちがぐちゃぐちゃに混じって荒れ狂う。

「出てっ!うんち出てよぉっ……!もうやだよぉっ!」

抱えた頭を掻きむしりながら、沙絵子は嗚咽した。
こんなに感情をあらわにし、何かを強く願ったのはいつ以来だろう。
それに応えたわけではないだろうが、また便意の大波がやってきた。
背筋を悪寒が走り、腸がぐにぐにと蠢く痛みが下腹を襲う。

「うんちぃ……うんち、したい……」

つぶやきながら、沙絵子は熱にうかされたようにふらふらと立ち上がった。
スカートと下着をむしり取り、床に乱雑に脱ぎ捨てる。
足を肩より大きく開いて中腰になり、便座を上げ、
その上に来るようにお尻をぐっと後ろに突き出す。
普段なら誰にも見せたくない恥ずかしい姿勢をとって、
深く息を吸い、沙絵子は今度こそ本当の本当に全力をこめて踏ん張った。

「ふぅぐぅっ……ぐぃぃぃっ……!!!」

自分でも聞いたことのないような、汚く濁った声が身中から絞り出される。
催したのが自宅だったのは本当に幸運だった。
学校でもお店のトイレでも、こんな唸り声を他人の居るところで披露すれば、
重篤な急病人と間違われて騒ぎになっていたことだろう。

めりっ……みりりっ……

相応の成果はあった。栓のうんちがわずかに身じろぎした。
もう一手何かあれば、もしかすれば。

「はあっはあっ……んいいいっ!!」

息みを続けながら、沙絵子は体の前で握りしめていた両手を後ろに回した。
細くて綺麗だとピアノの先生に褒められた指が、黒ずんだうんちが覗く肛門の
すぐ両脇の肉を押さえ、左右に割り開く。
出口を広げてつかえたうんちを通過させようというのだ。

「う゛っ!ううぐうっ!!」

涙や鼻水にまみれた顔を猿のように真っ赤にして息む今の沙絵子に、
品の良さなど一切ない。
うんちを出すのには、なんの役にも立たないからだ。
学校の先生も、友達も、ピアノの先生も、沙絵子のこんな姿を知らない。
想像すらできない。
彼らの知る、いつもシャンプーのいい匂いがして、ピアノが上手で、物静かで、
恥ずかしがり屋の沙絵子は今、どこにもいない。

決着は、突然訪れた。

「ふう゛うう゛うーっ!!!」

みりっ、ぷちちちっ……

ふんばりに合わせ、お尻の穴が膨らみ、うんちが少し下に動く。
今まではそこで止まっていたが、今度は違った。
肛門がめくれ上がる。穴が広がる。つかえが取れ、押されたうんちの頭が這い出る。
そして――小ぶりなジャガイモほどもある黒い塊が、便器の中に落下した。
ごとん、と明らかに硬質な物同士がぶつかる音が背後から聞こえる。

(やっと、でたぁっ……!)

それをもって、沙絵子は今までの努力がようやく報われたことを知った。
だが、まだ油断はできない。似たようなものがお尻の奥で順番を待っているのを感じる。

「んぃっ……んむむぅっ!!」

みちち、みりっ……

次のうんちもやはり水分を吸われつくして巨大になり、
必死で気張ってもなかなか外へ出ていこうとしない。
だが、先ほどまでのように全く進まないのとは天と地ほども違う。

「うううぅんっ……んぐううっ……!!」

みりりりっ、ぷちちち……

お腹の中で固く押し固められたうんちは、五センチほど外に飛び出してもなお、
重力でほとんど曲がらずに黒い棒のようにお尻に刺さっていた。
しかし固い、ということは脆い、ということでもある。
もう少し長さを伸ばしたところで根元近くで折れて下に落ち、
便器の陸の部分に横たわった。
後を同じくらいの長さの残りが追う。やや狙いを外し、端が便器の縁をまたぐ。

「うんーんっ!」

むりむりむりりっ……!

さらにその次ともなると、長期間の便秘による影響はだいぶ弱まっている。
焦げ茶色の、多少水分を残したうんちが溢れるように次々長さを伸ばし、
しっぽのようにお尻の穴から垂れ下がる。
二十センチくらいのものが二本、足元の床に積み重なったところで、
沙絵子の肛門は一度沈黙した。
太い便秘便に広げられつづけたせいで、出すものが途切れても
きちんと窄まらずに半開きになっていた。

「はあっ……はぁ……うんち……でたぁ……」

急にめまいを覚えて、沙絵子は立っていられなくなった。
心も体も疲れ切っていたところに、うんちを出せたという安堵で
気が抜けてしまったのだ。
壁に手を添え、膝をついてもまだ足りず、トイレの床に横になった。
汚いと思う感性は、今は消え失せていた。

「はぁ……はぁ……」

全身を気だるい満足感が包み、力が入らない。
またうんちがしたくなったが、立ち上がって便座に座るだけの気力はない。
そして、我慢もしたくない。
この頃になると、うんちを出すことは苦痛ではなく快楽だった。

「んっ……ふうっ……」

ぷりぷりぷり……

結局、胎児のような恰好で横たわったまま、沙絵子は排便を再開した。
とはいえ、息まなくても勝手にお腹から押され出てくる。
明るい茶色で柔らかめの、便秘じゃない時にするうんちとほぼ同じものが
力の抜けたお尻の穴からにゅるにゅると溢れた。
明らかに違うのは量だ。いつもなら二本ぐらい出て終わるバナナほどの長さのものが
次から次へと顔をだし、床に落ちていたスカートと下着をお皿にして盛られていく。
七、八本出して山になったところで、お腹が空になった。
もう息んでも、ひとかけらも出てこない。

(でたぁ……すごいいっぱい……きもちいー……)

目まいはいつしか、強烈な眠気に変わっていた。
まぶたが勝手に落ちる。自分の寝息が聞こえる。

遠くから、聞き覚えのあるメロディーが流れてきた。
居間の時計が八時を知らせる曲。もうすぐ、お母さんが帰ってくる。
片づけなきゃ、と頭の隅で思った。
お母さんはこの光景を見てどう思うだろう。
廊下にまで流れ出す腐ったうんちの臭い。それを辿ると、明かりのついたトイレ。
鍵をかけていないから、中の光景を隠すことはできない。
ちゃんと便器に入ったのはほんの一部で、床に転がっている大量のうんち。
その中で髪もブラウスも汗にまみれて乱れ、下半身裸のまま眠っている自分の娘。

きっと、すごく怒るだろう。
でも、どうでもよかった。少なくとも今は。
お腹がすっきりしたのが気持ちよくて、すごくちっぽけなことに思えた。

「おかーさん、びっくりするかなぁ……」

悪戯っぽい笑みを浮かべたまま、沙絵子は眠りに落ちていった。
本人が意識を失った後も、元の小さな窄まりに戻りつつあるお尻の穴は時々蠢き、
その度に黄色い泥便とおならを少量吐き出した。



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あとがき

女性の方は洋式トイレで用を足すときスカートを降ろさないみたいです
いやもちろん知ってましたけどね、当然
けれども今まで書いたものの中に万が一スカートを降ろした的描写がある可能性が
無いとも言い切れないのであったらどうかどうか見なかったことに

2013年06月15日 | Comments(0) | スカトロノベル
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