OVER PRINCE 作:神埼 黒音
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数台の馬車がエ・ランテルへと近づいていた。
かなりの強行軍で進んできたらしく、馬の首が完全に上がってしまっている。
一団の指揮を執っているカイレが、老人特有のせっかちさで御者を急かすからであった。スレイン法国の中でも秘匿された集団である―――漆黒聖典の内の2名。
そして、風花聖典から15名の人員が出された計17名の集団である。
破滅の竜王を探るというのが名目になってはいるものの、本当の目的は新たに生まれた英雄なる人物を見極めることであった。唯一、英雄と遭遇したクレマンティーヌも一団の中に居る。
「カイレ様、少し急ぎすぎでは……?」
二人しか乗っていない馬車の中で、クレマンティーヌが遠慮がちに声をかける。
この老人は年齢と言い、国への長い貢献と言い、秘宝を託されている事と言い、周囲からの信頼が厚すぎて非常にやり難い相手だ。狭い空間の中で向き合っていたい人物ではないのである。
短い日程ながら、クレマンティーヌも既にうんざりしている。表情には出していないが。
「よぉもまぁ、数日堪えたもんぢゃの」
「え?」
「いつ本性を剥き出しにするか、わたしゃ楽しみにしておったんぢゃが」
「…………」
このババァ―――とでも言いたげに、クレマンティーヌの顔が僅かに歪む。
だが、そんな顔をしたのは一瞬であり、すぐさま笑顔を浮かべて取り繕う。この先がどうあれ、彼女は漆黒聖典からの離脱を一時、思い留まったのだ。
ここでこの老人と揉めるのは、先を考えると余り良い事ではない。
「もう、ワシの前では取り繕う必要はないぞ?はじめは愉快であったがの、今ではヌシの擬態を見ていると、さぶいぼが出るわい。有り体に言えば気色が悪いし、似合いもせん」
「ばばぁ……ん”ん”、いえ、何でも……ありません……」
「ふぁふぁふぁ!強情なもんぢゃのぉ……若い頃はの、素直なおなごの方が好かれるぞぃ。もっとも、ヌシを好いてくれるような男(おのこ)がおるかどうかは別ぢゃが」
「……ッ」
クレマンティーヌは見えない角度で両拳を握り締める。
戦闘は予想されていない任務である為、互いに本来の装備を身に付けていない。
秘宝は当然の事だが、漆黒聖典の武具とて軽々しく身に着けて表に出られるような類のものではないのだ。
本来の装備を身に着けていたら、我慢出来ずに老人へと斬りかかっていたかも知れないが、最後の一線で何とか踏み止まる。
が、これ以上、取り繕うのはもう我慢の限界に達したらしい。
「はっ………なら、もう好きにさせて貰おっかね。クソばばぁが」
クレマンティーヌが頭の後ろで腕を組み、馬車の中で仰向けに寝転がる。
完全に開き直った姿だ。
だが、カイレはそれを見て赤子が初めて両足で立った事を喜ぶように手を叩いた。
「よぉ似合うわい。さぞ、人から嫌われてきたんぢゃろうなぁ……そこまで行けば立派なものよ」
「あんたさぁ、喧嘩を売ってるなら買うけど~?秘宝なしってんならね~」
「ワシらが戦うのは人間の敵ぢゃ。ヌシはまだ、そこまでは行っとらん」
「へぇ、ならそっち側へ踏み込んだら私を殺す気なんだ~?やっだ、超怖いんですけど、このばばぁー。私、超かわいそ~!」
軽口を叩きながらも二人の目は笑っておらず、相手の心臓を射抜くような視線を交わしていた。指一本でも動かせば、何かが変わりそうな……そんな危うい気配が馬車を包んでいく。
「ふぁっふぁふぁっ!心配せんでもえぇ。今のヌシが死んでも、誰も泣かんぢゃろうよ」
「………ここで死にてぇのかよ、ばばぁ」
「ほぉ!ワシはこの歳になるまで死んだ事がなくてのぉ……殺せるもんなら是非、一度殺して貰いたいと思っちょったんぢゃよ。生憎と、ワシを殺せるような者がおらんでなぁ」
「へぇ……ここに居るって言ったらどうするー、クソばばぁ?」
カイレが挑発するように、飢えた虎のような目線を向ける。
クレマンティーヌの口端が上がり、耳まで裂けた。
前方では馬車を操る御者が歯を噛みながら、後ろの気配に身を震わせている。
息をするのさえ、忘れてしまいそうであった。
やるのか。
そう思う。
こんな狭い、馬車の中で。
やり合うつもりか。
できるのか。
やれるのか。
やれるのだと、二人の笑みが言う。
漂う色濃き気配に。
馬車が真っ二つに割れそうであった。
スレイン法国は本来、行儀の良い人間が多く、国ぐるみで礼儀正しい国民性を持つ集団であったが、後ろの二人は完全に猛女と呼べる類であった。間違っても客として乗せたいタイプではない。
彼女らは本来、専用の馬車や輸送部隊とも言えるもので移動するが、今回は一般人を装って街へと入る為、移動は民間の馬車を使った事が御者の不幸でもあった。
「お、お客様方……そろそろ、エ・ランテルへと、着き、やすぜ……」
救いを求めるように声を上げたが、二人の視線は微動だにせず、互いを見つめている。
寝そべっていたクレマンティーヌが、軽く声をあげた。
「この体勢は、ちょっと不利かな~?」
瞬間、クレマンティーヌが風のような速さでスティレットをカイレの顔面へと突き出す――!
カイレもまた、手に持っていた鉄扇でそれを見事に防いだ。
二人の動きに馬車が揺れ、馬が悲鳴のような嘶きを上げた。漂ってくる殺意に人に馴れた動物すら耐えられなくなったのであろう。
「ふぁふぁ!軽い突きぢゃのぉ……こんな貧相な腕でよぉこれまで生きてこれたもんぢゃて。よほど弱い相手ばかり苛めておったんぢゃろうなぁ……」
「べっつに本気出した訳じゃないし~。それに、死にたいってんならモモちゃんにでも頼めばー?あんたどころか、あのうっとおしい国ごと殺ってくれそ~」
御者は気が気ではなかったが、二人は“じゃれ終えて”満足したかのように武器を引き、クレマンティーヌはまた、馬車の中で寝転がった。行儀が悪い、なんてレベルじゃない。
カイレもまた、老人とは思えぬ力強さで馬車内を睥睨していた。もはやこの老人の鋭い眼光が何か得体の知れない念動力でも出し、この馬車を動かしているのではないか、と思える程である。
「新たな英雄殿ぢゃったの……ワシらの隊長殿より強いのかぇ?」
「知るかよ。あんなスカしたアホより、モモちゃんの方が100倍良いっつーの」
「ほぉ………何ぢゃ、惚れとるのか?」
「出たよ、ばばぁ特有の勝手なお節介……ぁー、さっさと死なねーかなー」
こうして馬車の旅は至って平穏に続いたが、エ・ランテルで起きている異変に、彼女らも否応なしに巻き込まれていく事となる。彼女らが街に着いた頃には、既に共同墓地と街の境で激しい戦闘が発生しており、人類の盾であり剣である法国の一団も慌てて戦闘へと参加する事となった。
(あちゃー。カジっちゃん、やっちゃったんだー………)
一団の中でクレマンティーヌだけは僅かに顔色を沈ませたが、即座に気持ちを切り替え、スティレットを目の前のスケルトンへと叩き付けた。
この街には英雄が居る。彼女はその実力の一端を見て、この件から賢明にも身を引いたのだ。
その上、カイレや風花の連中まで居るとなれば益々、勝ち目がないだろうとカジットへ僅かな同情を滲ませたが、それ以上の事は思わなかった。
互いに、利用出来る間は利用した。
相手の破滅にまで付き合う必要など、何処にもない。
(でもさぁ、カジっちゃん……額冠と、あのガキ無しで何処までやれんのさ……)
そんな憐れみを胸に抱いたクレマンティーヌだったが、そんな彼女を仰天させるような存在がその後ろに居るとは想像すらしていなかったのである。
その存在を、彼女達は魔神―――――そう呼ぶだろう。
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―――リ・エスティーゼ王国 王城
使えなくなった玉座の間ではなく、大広間に王都中の実力者達が召集されていた。
勿論、ラナーの救出及びエ・ランテルへ送る部隊の編成である。
蒼の薔薇は勿論の事、プラチナ級やオリハルコン級の冒険者達が並んでおり、数こそ少ないものの、確かな実力があると見られているワーカー達の姿もあった。
ガゼフ・ストロノーフや戦士団も当然、座の中に混じっており、フォーサイトの面々は居心地が悪いのか、壁際の方で四人で固まり、雑談をしているようだ。
体調を崩した国王は挨拶だけを行って早々に典医に抱えられて退出し、今はレエブン侯が前に立ち、雑多な声が溢れる会議を纏めていた。
(出せる戦力は限られているが……他の貴族どもの動きがこの際、却って利するか)
レエブン侯は出された名簿や、各自の意見を纏めながら考える。
エ・ランテルへ向かう者も居るが、先日の騒ぎを考えると、王都の実力者達を空にする訳にもいかず、半分は残る計算になっていた。恐怖に怯える貴族達も私兵を動かそうとしない為、レエブン侯はこれらを利用して王都の防御面を補おうとしていたのだ。
(あの魔神は、ラナー様を連れてエ・ランテルへ行ったと言うが………)
不思議なものだ。
先の暴動に続き、あれ程恐ろしい魔神に襲撃されたというのに、貴族の誰も領地へと帰ろうとしない。少しでも多くの人間が居る場所の方が落ち着き、安心するのであろうか。
反面、冒険者やワーカーといった連中は違う。この場所は、この国は危険だと判断したのか、招集・召集にも応じず、即座に王都から離脱して行った者も多い。
(さて、どちらの危機意識が正しいのであろうな……)
少なくとも、六大貴族の筆頭とも目される自分は逃げる事も、領地へと帰る事も出来ない。
どうにかして現状を打破しなければ、愛しい我が子の未来が闇に閉ざされるのだ。ちらりと目をやると、戦士長の姿が目に入る……有事の際に見ると、実に心強い立ち姿であった。
今回は王族が攫われたという事もあり、四つの至宝を身に纏った彼は何処までも雄々しい。
この中でも一番の実力者であろう彼に、今後の方策を尋ねておくべきか。自分はあくまで王宮の中の人間であり、闘争に生きる人間ではない。
「戦士長殿……昨夜の戦いに続き、先程の大功。誠に見事なものでしたな」
「いえ、あれらは全てモモンガ殿の功であり、自分の功ではありません」
「相変わらず、欲の薄い方だ。いつもそうやって、他者や部下へ功績をお譲りになる」
「事実なのです……陛下にも、そう奏上致しました」
王国に対する忠誠心は本物なのだろう。それ故に、扱い辛い男でもあった。
剣一本で身を立てた絵に描いたような武人であり、謙虚にして、部下からの信頼も厚い。
そして―――腹芸の出来ぬ男。
嫌いな貴族にも笑顔の一つでも浮かべ、悠々と談笑でも出来るような存在であればまた違ったであろうが、今のままではとてもではないが、王宮の中で長く生きていられる存在ではないだろう。
「そのモモンガ殿が、エ・ランテルまでの移動手段を用意するとの事でしたな……はて、どのような手段であるのかお聞きしたいのですが」
「何でも、南方で発掘された10年に一度しか使えぬ大規模な転移の力を作る魔道具と」
「南方……10年……」
「今はその魔道具を動かす儀式に入っておられます。準備が整い次第、出発しようかと」
南方から摩訶不思議と評するようなマジックアイテムや、驚くような力を持つ武具が時に流れてくるが、それらは非常に高価な物ばかりであり、王侯貴族ですら手にするのが難しい物も多い。
やはり、そのモモンガなる人物は噂通り、南方の出身であるという事か。
中には王族だの王子だのと言う噂もあったが、その手の話を好む民草の稚心であろう。
「俄かには信じ難いマジックアイテムですな。戦士長殿は信じておられるので?」
「無論、全面的に信じております。かの大英雄殿なくして、この難局は乗り切れませぬ」
「なる、ほど………ならば、私も戦士長殿が信じるモモンガ殿を信じる事に致しましょう」
以前とは違う、妙なものを戦士長から感じるが……気のせいであろうか。
その人物への信頼や傾倒が、度を越しているように思える。
とはいえ、英雄と呼ばれる程の卓越した武人同士の世界であろうから、自分のように王宮の中で策謀を凝らす世界とは、また違った感覚や景色であるに違いない。
「お待たせしました」
丁度、例の人物が来た。
全身を覆うようなローブを着ており、フードを深く被っている。昨夜の戦闘では純白の鎧を着た聖騎士の装いだったと聞くが、こうして見ると魔法詠唱者のようにも思えるのだが……。
蒼の薔薇を始めとする大勢の冒険者達が彼を取り囲み、楽しそうに話しかけたり、キラキラとした憧れの目を向けていた。大英雄と呼ばれているのは、伊達ではないらしい。
(事実、冒険者組合では既にアダマンタイトのプレートを用意していると聞いたが……)
流石に昨夜の今日では間に合わなかったらしく、今も胸に着けているプレートは白金だ。
だが、伝説のアンデッドを倒し、今回の魔神騒動でも功績を立てたともなれば、もはやアダマンタイトなどの称号で足りるのかどうか。一国を覆う程の声望とは、一介の冒険者の範疇ではない。
一同が用意された部屋へと移動する中、レエブン侯は何とも言えぬ不安を抱えていた。
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(ふぅ……何とか間に合ったか……)
モモンガは《それっぽく》仕上げた部屋を見て、額の汗を拭う。
いかにも、といった感じで並べたゴミアイテムの数々や、蝋燭や変な形の金属やら、葉っぱ。
そして、有り余ったデータクリスタルを魔法陣風に並べたのだ。
最後に嫉妬マスクを壁に立てかけて完成した、黒魔術っぽい空間である。
無論、何の意味もない。
《転移門/ゲート》を作るにあたって、何とか誤魔化そうとした苦心の作品であった。
たが、モモンガの思惑を超えて異様な魔力が満ちた空間は一同を瞠目させ、説得力を持たせるには十分な出来栄えであったと言える。現に、壁を見てラキュースが思わず甲高い声を上げた。
「あの仮面は……!やはり、儀式には欠かせない重要な魔道具なのですね」
「いえ、あれはガラクタですよ」
「え”っ……ぁ、そ、そうなのですか………」
そんな変なやり取りこそあったものの、モモンガが怪しげな呪文を唱え、データクリスタルを並べた中央に転移門が浮かび上がる。一同からどよめきが漏れ、誰もが目を白黒させた。
「―――――皆さん、早く飛び込んで下さいッ!」
モモンガが細かい事を突っ込まれる前に必死な声で叫び、それを聞いた蒼の薔薇や戦士長、戦士団などが次々と飛び込んでいく。エ・ランテルへ向かう人員達を無事に送り出し、モモンガはホッと一息ついた。
「も、モモンガ殿……私は、レエブ……!」
「―――――騒々しい。静かにせよ」
「な”っ………」
「す、すいません、部屋から早急に離れて下さい!魔力の渦に巻き込まれない内に、早くッ!」
「わ、わかった……すまないが、失礼するっ!」
レエブン侯が最後の言葉にギョッとした表情を浮かべ、慌てて部屋から飛び出す。
全員が部屋から出たのを確認したモモンガが「つっかれた」とボヤきながら並べたアイテムを収納していく。まんま、子供が散らかした部屋を片付けているような姿であった。
実際、葉っぱなどはトブの大森林で拾った物であり、何の意味もない。自然や緑、といったものが珍しい環境にいたモモンガがつい、形の良い物を選んで収納しちゃったものである。
(クッソー!さっきの台詞はなんだよ!何処の王様だっての!)
不意を突いて出てきた台詞にモモンガが頭を抱えながらも部屋を片付け、王城の外へと転移を行う。説明したり、突っ込まれる面倒を避ける為だ。
10年に一度とか言い訳もしておいたし、事件が片付けば有耶無耶になっているだろう。
(それよりも、向こうに着いてからどうしようか………)
既にペイルライダーが騒ぎを起こした集団を突き止め、ズーラーノーンという秘密結社が起こした儀式であると知らせてくれている。何やら怪しい邪教集団らしく、正直関わりたくない集団だ。
だが、機関という存在を補強するには中々、使い勝手の良さそうな集団でもあった。
全ての悪を飲み込む巨悪となるなら、派手に打ち倒さなければならないだろう。
(あぁ、でも昨日から殆ど寝てないんだよなぁ……)
ロクに飯も食えていないし、密かな楽しみにしていたディナーもお預け状態だ。
働けど働けど、休日・給料共に無しといった状態に泣けてくる。
何かヘロヘロさん以上に働いてないか、俺?
「おい、悟」
「えっ」
声に振り返ると、そこには横を向いたイビルアイさんが居た。
あれ、何で?
エ・ランテルにさっき行った筈じゃ……。
「私も、転移を使えるのだ……お前が来ないから、その、気になって……」
「そ、そうでしたか……すみません、わざわざ戻って貰って」
「フン、魔力の無駄使いをさせおって……向こうに行く時は任せるからな」
「は、はい……」
ヤバイな、こんな事でちょっと嬉しくなってテンションが上がっている自分が居る。
我ながらチョロいと思わなくもないが、しょうがないだろ。
何でこう、この人は自分が疲れた時にふっと現れるんだろうか……。
「じゃ、じゃあ、体を掴んで貰えますか」
「う、うむ……」
おずおずとローブを掴み、下から仮面を着けた顔がこちらを覗き込む。
そして、ボソっと呟かれた声に「うッ」と声を上げた。
「昨日は仲間に抱き付かれ、ご機嫌な勝鬨を上げたらしいな」
「ち、違いますよ!あれは、なんと言うか皆が興奮して……」
「フン、冗談だ。相変わらず、すぐに動揺するのだな」
ぐ……完全にこっちを舐めてかかってるな。
何が250年だ!何が吸血種だ!
末期世界で生きてきた、サラリーマンを舐めんなよ!
(たっちさんの鎧まで着た俺に、もう怖いものなんて無いんだからなっ!)
疲れていた所為もあって、むくむくと湧き上がってきた反発心のままに、相手の小さい体を抱き締める。下から抗議の声が上がったが、聞こえないフリをしてこちらも逆襲の口火を開く。
「こんな事で動揺する250歳の方が子供じゃないですかね……」
「ちょっと待て!私の年齢は正確に言えば止まっているんだ!変な勘違いをするな!」
「永遠の17歳とか、そんな事言ってる人はよく居ましたけどねぇ……」
「そ、それで言うなら私は永遠の12歳だ!」
「ちょ……!12歳って完全にロリコ……いや、法律が違う筈……違うんですよね!?」
「何を言ってるのか分からんが、馬鹿にしてるだろ!お前はぁぁぁぁぁ!」
イビルアイがモモンガの首を絞め、その首をガクガクと揺さぶる。
王城前でイチャついてる二人を見て、通行人がしかめっ面で砂糖を吐いていた。
風雲急を告げる王国………の筈なのに、二人で居ると何故かシュガーに。
エ・ランテルが襲われてますけど……いいんですかね。
……ま、良いか(笑)
そして、向こうで待ち受けるのは猛女二人に、黄金の魔女。
前代未聞の魔神バトルは色んな意味で地獄の様相を帯びていく!