イラクの武装勢力の人質になっていて開放された安田純平さんに対するパッシングが止まりません。自己責任だ、救出費用は本人に負担させろ、在日韓国人だ、韓国人は救出費用まで日本にたかろうとする、こんな議論がいっぱい出てきています。

 ご本人が武装勢力から日本人であることを明らかにするな、と強要されていたとおっしゃっているのですから、動画で流された韓国人のウマルですという言葉に根拠がないことは明らかですが、いつまでもこのことを根拠にして、韓国人だ、救出費用を在日韓国人は日本政府にたかっているといった具合に、韓国人への誹謗中傷に置き換えられてしまいます。

 以前に「イスラム国」に拘束されて最終的には殺害された後藤健二さんも、在日はころころ通名を変えるから母子で姓が違ってしまったのだと、母親と姓が違っていることを根拠にして、在日韓国人であるから、身代金は韓国政府に払わせろと言われました。

 昨日の記事で、韓国で働いていた人たちを日本に入国させなというネトウヨの主張を紹介しましたが、戦地で取材する、韓国で仕事をするといった、ネトウヨが気に入らないことをやった人たちは、日本人であっても切り捨ているといった合意が、ネトウヨの間で出来てしまっているような感じがします。

 自分たちと同じく、安全な日本国内で、ネットという直接的な反撃を受けない中で、外国や外国人を罵っていれば、戦争だ、国交断絶だと喚いていれば、愛国心溢れる純粋日本人であり、日本の行政に対してあらゆる要求を持ち込む権利があるが、戦地で取材したり、韓国で働いたりすれば日本人の資格を剥奪する、国際的に韓国人として扱え、韓国に永住せよ、といったことになるのです。

 次にもし武装組織に捕まってしまうジャーナリストが出たら、デマでデマを証明するネトウヨの得意技が繰り出されて、今度は最初から問答無用で、後藤健二氏も、安田純平氏も在日韓国人だったから、この人も在日韓国人に間違いないとされてしまうはずです。


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