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【コラム 撃戦記】

村田の腹に秘めた闘争心に期待

2018年12月5日 紙面から

 村田の現役続行は、ファンにとっては朗報だろう。ロンドン五輪金メダリストからプロでも頂点を極めながら、天国から地獄に落ちての決断である。勇気がいったことだろう。

 強打より手数と脚で勝負したブラントの戦略にまんまとはまった。倒せるチャンスがなかったわけではない。村田は2度、ビデオで見たそうで「このままでは終われない」と“続投”を決めたという。

 今後は浜田剛史代表が言うように、一度切れたモチベーションをどう戻すかが大きな課題だが、会見では、そのモチベーションと闘争心の面が気になった。ボクサーが聖地として憧れる米ラスベガスやブラントとの再戦といったこだわりが村田から消え、現役続行の大義名分はボクシング界への貢献だった。正直、勝負師の力強さが伝わって来なかった。

 村田はブラント戦の先に、元世界主要3団体統一王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との一戦を見据えていたが、今回の会見では野心も見えず、スケールが小さくなった感じがした。

 ゴロフキン戦については「今言えば『負けたくせに』と思われる。そんなことを言える状態にない」と言葉を選んだが、私は腹に秘める闘争心に期待。現役続行を歓迎する。 (格闘技評論家)

 

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