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【格闘技】

村田、現役続行 スーパーミドルで2階級も視野

2018年12月5日 紙面から

現役続行を表明し、練習を再開したWBAミドル級前王者の村田諒太=東京都新宿区の帝拳ジムで(北田美和子撮影)

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 プロボクシングの前WBAミドル級王者・村田諒太(32)=帝拳=が4日、東京都内の所属ジムで記者会見し、現役続行を表明した。10月20日に米ネバダ州ラスベガスで行われた2度目の防衛戦でロブ・ブラント(28)=米国=に大差で判定負け。進退を保留していたが「あのボクシングが集大成でいいのか。あの試合で終わりたくない」とリングに戻る決断を下した。再起戦の時期は未定で、1階級上げたスーパーミドル級で戦うことも視野に入れているという。

 トレーニングウエアを着て、手にはしっかりとバンテージ。明るい表情で会見の椅子に座った村田は、口を開くよりも前に姿で現役続行の意思を示していた。

 「気持ちが固まったのは2週間ほど前。前の試合はハングリーさや、求めるものが欠如していた。気持ちをしっかりつくり直し、求めるものを真摯(しんし)に追い求めて、もう一度、世界の舞台に立てるボクサーになりたい」

 悩んだ末の決断だった。「試合直後は98%ぐらい辞めようと思っていた」。だが、帰国して多くの人の話を聞くうちに気持ちが変わっていった。「リーマン・ショックで2本も歯が抜けてしまった人たちと会い、プレッシャーにさらされているのは自分だけじゃないと。なら、自分の納得いくまでやろうという思いに変わっていった」という。

 本格始動はこの日から。今後のスケジュールは白紙だ。現王者のブラントと再戦する可能性もあるが「固執していない。決まれば喜んで戦うが、プレッシャーも大きそうで」と明かす。借りを返すことより、自分との戦いに勝つという気持ちが強い。

 現実的にも、世界屈指の激戦階級で世界再挑戦を実現させるのは簡単ではない。そのため、「ミドル級でもいけるが、スーパーミドル級に上げるのはありだと思う」と2階級制覇を含め、今後は広い視野で世界へのチャンスを探っていく。

 難関のミドル級で王座返り咲きか、それとも日本ボクシング史上最重量級となるスーパーミドル級で世界奪取か。史上初めて五輪金メダルと世界ベルトの「2冠」を獲得した村田の新たな挑戦がスタートした。 (藤本敏和)

 

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