トップ > 中日スポーツ > サッカー > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【サッカー】

モドリッチ、初バロンドール クラブでCL3連覇、代表でW杯準V

2018年12月5日 紙面から

 【ロンドン原田公樹】サッカー専門誌フランス・フットボールが選ぶ2018年の最優秀選手賞「バロンドール」の表彰式が3日、パリで行われ、レアル・マドリード(スペイン)で欧州チャンピオンズリーグ(CL)3連覇に貢献し、W杯ロシア大会で準優勝したクロアチア代表のMFルカ・モドリッチ(33)が初受賞した。ロナルド(ユベントス)は2位、メッシ(バルセロナ)は5位に終わり、2人以外の選手が選ばれるのは07年の元ブラジル代表のカカ以来となった。新設の21歳以下が対象の「コパ賞」で、日本代表のMF堂安律(20)=フローニンゲン=は9位だった。

 名前を呼ばれ、檀上に上がったモドリッチは黄金色に輝くボール型のトロフィーを大事そうに両手で掲げ「とても不思議な思いと、喜びと誇りが入り交じっています。この感情は言葉では言い表せません。支えてくれた全ての人に感謝します」と感慨に浸った。

 少年時代はクロアチア紛争下。難民として7年間もホテル暮らしを強いられた。体が小さいことを理由に主要クラブの入団テストでは不合格の連続。しかし、夢を諦めず、母国のディナモ・ザグレブで念願のプロになり、トットナム(イングランド)を経て、2012年からレアル・マドリードでプレー。昨季は欧州CL3連覇という偉業も達成した。

 クロアチア代表では主将としてチームをけん引。今夏のW杯ロシア大会では小さな体を逆に武器に変え、俊敏さを生かして狭いスペースに飛び込んで相手ゴールを急襲するなど、攻守にピッチを走り回って、母国を準優勝に導いた。

 1年間で最も活躍した選手に贈られる同賞は、2008年からロナルドとメッシが独占。モドリッチは、FIFAの最優秀選手とのダブル受賞でもあり、この2強時代の終わりを意味するのかもしれない。

 「今回は、みんなが誰か別の人に取らせたいと思ったんじゃないかな。これまでシャビ、イニエスタ(ともに元バルセロナ)、スナイデル(元インテル・ミラノなど)ら受賞に値したけど、できなかった選手がいる。今年のこの賞は彼らに贈られたものだと思う。だから僕にとっては特別だ」

 会場は割れんばかりの拍手に包まれ、モドリッチも笑顔でそれに応えた。

<ルカ・モドリッチ> 1985年9月9日生まれ、クロアチア西部ザダル出身の33歳。172センチ、66キロ。MF。2003年、18歳のときにディナモ・ザグレブ(クロアチア)で本格的にプロとしてのキャリアをスタート。2度の期限付き移籍をへて、08年にイングランド・プレミアリーグのトットナムに完全移籍。そこでの活躍が認められ、12年からレアル・マドリード。17年からエース背番号10を背負う。06年にクロアチア代表デビュー。通算出場118試合14得点(同国サッカー連盟公式サイト)。

<バロンドール> フランス語で「黄金の球」の意味。1956年に仏サッカー専門誌「フランス・フットボール」が創設した年間最優秀選手に贈られる、サッカー界で最も権威のある賞。記者投票で決まる。当初は欧州国籍選手のみが対象だったが、徐々に対象が広がり、現在は全世界でプレーする選手が対象。2010~16年度は国際サッカー連盟(FIFA)選定の最優秀選手と統合され「FIFAバロンドール」となったが、17年度から再び独立した賞となった。日本人では中田英、稲本、中村俊が候補入りしたことがある。

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ