日本ハムは4日、オリックスから自由契約選手となっていた金子千尋投手(35)との契約に合意したと発表した。来週中にも札幌市内で入団会見を開く。3年ぶりの日本一奪還を目指すチームに、プロ通算120勝を誇る右腕が仲間入りする。
自由契約選手として公示された2日に即アタックし、思いは届いた。「金額が優先事項ではない。選手として活躍する場所を求める」という金子の意向に対して、熱烈に伝えたのは栗山監督の考え方やチーム方針。誠意を尽くし、初交渉からわずか2日での決着だ。
金子は先発、リリーフの役割にこだわらない姿勢を示しているが、編成部門トップの吉村ゼネラルマネジャー(GM)はこれまで「(先発で)見ている」と起用法について言及している。今季は上沢の11勝がチームトップで、10勝を挙げたマルティネスの去就は現在未定。先発投手の補強は今オフの課題の一つだっただけに、その存在は心強い。
2度の最多勝や14年の沢村賞&最優秀選手など、これまでの実績を考えれば来季の開幕投手候補にも挙がる。「来週中に札幌へ来ていただいてそこで正式契約になる。(背番号など)詳細を詰めていく」と吉村GM。35歳の挑戦を後押しすると同時に、救世主として大きな期待を寄せる。 (中野雄太)