首都圏の空域について
羽田空港を発着する民間航空機は同空域を避けるルートで飛行しています。 特に羽田空港や成田空港から西日本や中国・韓国方面へ向かう民間航空機の飛行ルートに目に見えない壁として立ちはだかり大きな障害となっています。 これが航空路の混雑を生み出し、航空機同士がニアミスを起こす危険な要因の一つとなっています。 九州北部方面ゆきの飛行機がいったん南下してから北上するのも、羽田空港に到着する飛行機が千葉県御宿町の上空を通過するのも、横田基地の空域を避けているからという以外の何物でもありません。 日本の空は、東京であっても日本のものでない部分があるのです(沖縄だけの話ではないんですね) |
羽田空港からの出発経路 |
西方面面行きの出発便は、大阪行き(※)を除き、横田空域を避けて、その上空を通過しなければなりません。このため、羽田空港を離陸した航空機は、あらかじめ東京湾内で大回りしながら、横田空域上空を飛び越えるための高度まで上昇を行う必要があります。 |
羽田・成田空港への到着経路 |
2008年の一部返還により、羽田空港を利用する民航機が横田空域を迂回したり、同空域を越すための上昇率が多少減るため 年間約180億円(羽田空港の再拡張前は130億円)の経済効果があると試算されていました。 約180億円の内訳は、燃料費削減による効果が約66億円分、飛行時間短縮による運航コスト低減効果が36億円分旅客利便性 向上効果が77億円分となっていました。 横田空域が全面返還されれば、効率的な飛行経路の設定が可能となり、大きな経済・社会的効果(CO2対策に とっても)が 期待できると思います。 横田空域については、日米合同委員会の下の枠組みにより日米両国政府が協議を行い、これまで7回の一部返還が実現していますが、 日本政府が求めてきた横田空域における進入管制業務の米軍から日本政府への移管(横田空域の全面返還)については、米軍は運用上の 理由により応じられないとの立場をとっています。 最後に 日本の空なのですから、アメリカ軍が日本に許可を得て横田空域を使うのが本筋だと思います。 安倍首相ではありませんが戦後日本を脱却し「日本を取り戻す」には、横田空域の全面返還しかありませんね。 ついでに安倍首相は瑞穂の国を守る、地方の稲穂の原風景を守るなんてのたまっていますが、原風景には原発はなかったはずですよね。 |
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おまけ 現在、首都圏には飛行空域が5つ存在しています。横田空域は、羽田空港の西側に位置する首都圏最大の飛行空域ですが、自衛隊の進入管制も混在しておりご覧の通りの過密状態です。 航空機事故が起きないのが不思議なくらいだと思います。 |
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参考文献 防衛省 - 横田空域 定期航空協会 - 横田空域の民間航空機利用について(2006年5月) Wikipedia - 横田飛行場 |
--------------------------------------------------------------------------------------------- 日航ジャンボ機 - JAL123便 墜落事故 (飛行跡略図 Ver1.2 & ボイスレコーダー) |
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