斎藤徹、丸山ひかり
2018年12月5日07時07分
6日で3カ月となる北海道地震では、直後の大規模停電の中、スマートフォンの無料通話アプリ「LINE(ライン)」を通じ「大地震が来る」などのデマ情報が広がった。以前からデマ拡散が指摘されてきたツイッターは、不特定多数が見るためデマを否定する意見も書き込まれることがある一方、知人同士でつながるLINEは、利用者がデマを信じやすいのが特徴だ。LINEは対策に乗り出した。
9月6日午前7時48分、札幌市中央区の女性(44)は、ママ友のLINEグループからの情報をスマホで受け取った。冒頭に「消防より」とあった。早急に照明の代わりになるロウソクの用意や浴槽への水張りを促す内容が続いた。発信元は信頼できる先輩ママで、しかも消防からの情報。女性はすぐに部屋の中からロウソクを探し出し、浴槽やバケツに水をためた。
LINEには続きがあった。「午前8時付近に大きな揺れが予想されているそうです(自衛隊情報)気を付けて下さい」。本当なら発生まであと少ししかない。どうしよう――。
結局、大きな地震は来なかった。その後も女性のスマホには別のLINEグループから「札幌は午後から断水決定!とALSOK情報です」などの情報が寄せられた。
朝日新聞が札幌市消防局、陸上自衛隊、警備会社「ALSOK」に取材したところ、いずれも「そのような情報を発信した事実はない」と否定した。女性は「テレビが見られずLINEは唯一の情報源だった。不安な中で心配してくれた友達からの情報なので、うそだとは思えなかった」と振り返る。
この女性と同じ情報を受け取っ…
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