オバロ短編集   作:わかめ大使
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眠れんので適当に書いた。
クオリティは期待しないでくれ。ゼロ魔に今さらハマったので書いた。それだけの話。


種族は剣です

「ク、クゥズウウウウがぁああああああああ!」

 

 そう叫んで怒鳴り続けるスケルトンのような姿をした何かを見て、フォーサイトのリーダーであるヘッケランは自身のはったりが通じなかったことを察した。

 

 そしてもう一つ。相手がただのスケルトンではないこともだ。

 

『……殺気が違う!こいつは、ただのスケルトンなんかじゃない!』

 

 分かり切っていたことではある。

 これだけのダンジョンの、恐らくは支配者がただのスケルトンなどではあるはずがない。

 

 そもそもそこらに配置されている雑兵相手でさえも手を焼くような有様では勝ち目などあろうはずもない。そう考えたからこその交渉ではあったが、そのような急ごしらえの悪だくみが通用するはずもなかった。

 

『……やるしか、ねえ!』

 

 心は完全に臆している。

 しかし折れてはいない。

 

 何とか自身を奮い立たせ、交渉のためと敵意の無さをアピールするためにしまった武器を再び取り出す。この期に及んで戦いが避けられると思うほど平和ボケしてはいない。

 

「早速始めるとしよう」

 

 先ほどの激情はどこへやら、目の前の骸骨は全く平坦な声でそう告げると手にした剣でヘッケランに切りかかってきた。

 

『……重い』

 

 そう感じたものの口には出さず、というよりもそのような余裕がなかったのが実情だが、歯を食いしばって攻撃をいなし、返す刀で反撃を見舞う。

 

「武技!双剣斬撃!」

 

 自分の得意技を叩きこむが、簡単に防がれ、盾による反撃を食らう。

 ほんのわずかな時間の攻防。それだけで敵の強さが分かる。分かるが思ったほどではない。先ほど放っていた威圧感の割にはそこまでの力の差はないと感じる。

 

 そもそも相手が魔法詠唱者であるため、そこまでの強さを発揮できていないのだが、そこは知る必要のないことだろう。

 

「ヘッケラン!私も加わる!」

 

 そう言ってマントからどこにでもあるような剣を引っ張り出したのはフォーサイトの最年少の魔法詠唱者、アルシェだった。

 

「アルシェ!それを使う気か!」

 

 正直、これの相手は厳しい。厳しいが、あの剣を持ったアルシェが共に戦えば恐らくこのスケルトンを倒すことは出来るだろう。

 

「ほう。魔法詠唱者が剣を使って私を倒すというのか?」

 

 スケルトンは余裕を持って眺めているだけだった。

 それも仕方のない話である。魔法詠唱者が近接攻撃をしても大した強さにはならない。そんなことは子供でも知っている単純な話だ。

 

「今ここでこいつを倒さないとダメ!それに私なら、私とデルフならこいつに勝てる!」

 

 アルシェは手に持った剣を抜き放った。

 

「やっと俺っちの出番か!待ちくたびれたぜ!嬢ちゃん!」

 

 ガチャガチャと耳障りな金属音を響かせながら、しわがれた男の声が聞こえる。

 

「……まさか。その剣は……。それにその声!」

 

 どこか呆然としているスケルトンには目もくれず、ヘッケランは歯噛みする。

 自分をデルフリンガーと称する剣を使えば魔法詠唱者でも人外染みた力をふるうことが出来る。というよりも魔法詠唱者の魔力が無ければ、その剣を使えないというのが実情である。そうでなければデルフを使っているのはヘッケランだったことだろう。

 

「ヒャッハー!!俺っちに血を吸わせろぃ!……っておめえさんどっかで見たことある骨だなおい」

 

「その声!デルフさんですか!?デルフリンガーさんですよね!?」

 

 剣のどこに目があるのかという疑問は置いておくとして、スケルトンの殺気は完全に収まっていた。逆にどこか必死な様子で剣に語り掛ける。

 

「確かに俺っちはデルフリンガー様だけどよ。おめえさんは誰だ?なんかすっげえ昔に話したことがあるような気もするけどよ。俺っちに骨の知り合いなんていたっけかな?」

 

「……デルフさん。俺のことが分からないんですか?」

 

 今度はどこか寂しそうになるスケルトンに、剣は同情したのか必死に考えこみ始める。

 

「ちぃっと待ってくれ。確か俺っちにいた骨の知り合いは、スルシャーナ。じゃねえよな。あいつはずっと昔に逝っちまったし……」

 

「ちょっと待てデルフ!お前そいつの、アインズの知り合いなのか!?」

 

「……アインズ。アインズ?そういや、アインズ・ウール・ゴウンに居た時の知り合いに骨の……モモンガさんか?」

 

「そう!そうです!!デルフさん!モモンガです!どうしてこんなところに!」

 

「おお。おお!おでれーた!長いこと生きてっと不思議なこともあるもんだなあ。モモンガさんもこっちに来てたのか!」

 

「はい!何でか知らないけどこんな世界に来て……」

 

 そこまで言うとスケルトン改め、モモンガは周囲を覆っている困惑した空気を感じ取り、同時に感情を鎮静化させて厳かな声を作り出しながら配下に指示する。

 

「……ゴホン。アルベドよ。彼らを客人としてもてなせ。丁重にな」




短編なので続きはないよ。続きが書きたい人は是非ここから先、もしくは前の展開を想像して書いてね。むしろ書いてくださいお願いします。絶対読むんで。







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