社会

石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞 「地位協定、全国の問題に」 丹念な海外取材にも評価

第18回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞で、選考委員の山根基世さん(左)らと歓談する島袋良太琉球新報記者(中央)=4日、都内のリーガロイヤルホテル東京

 【東京】第18回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞の贈呈式で、公共奉仕部門の大賞に選ばれた琉球新報の連載「『駐留の実像』を核とする関連ニュース報道」について、選考委員からは「地位協定が日本全体の問題だと改めて示した」「海外と比較することで説得力があった」「本土の人に向けても発信し続けるのが大事だ」などの評価が上がった。

 今回は「力作ばかりで絞り込むのがとても大変だった」(吉岡忍選考委員)ということもあり、過去最多の6作品の受賞となった。

 選考委員で早稲田大政治経済学術院の瀬川至郎教授は琉球新報の受賞作について「地位協定が日本全体の問題だと問題意識を明確にし、海外も丹念に取材して執拗(しつよう)に迫っている。連載と同時にスクープ記事も出すという多面的な手法も高い評価があった」と話した。

 同じく選考委員で早稲田大政治経済学術院の高橋恭子教授は「作品を読んで、ドイツでは自国の主権を尊重していて大事なのはものを申すことなのに、なぜ日本だけできないのかと強く思った。もっと本土の人にネットでも発信していくことが大事だ」とさらなる活躍に期待した。

 選考委員の吉岡さんは今回の選考について「今回の作品は絶対に事実、絶対に歴史というものを探る心意気が発揮されていた。よくメディアでは公平公正が大切とされるがそう言っているうちはまだ取材不足だ。調べるプロセスの中で自分にとっての真実に近づいていかなければものにはならない」と意義を強調した。



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