不死のゾッド (魔獣形態)
登場作品:
「ベルセルク」
能力:
身長3-5m、翼長6-10m、体重数t 。人間形態を遥かに凌駕するパワーを秘めた巨体を有する。全身は黒い剛毛に覆われ尻尾を生やし足には蹄がある。牛或いは猫科の肉食動物を思わせるどう猛な顔面には真紅の眼がギラついている。頭部には巨大な曲角が生えておりこれはガッツの剛剣すらはじき返す強度を誇っている。主としてその剛腕から繰り出されるパンチと頭部の角・長くしなやかな尻尾、巨大かつ強力な顎 (牙) を用いて闘う。また彼も他の使徒同様高い再生能力を有しており切断された腕も瞬時に繋いでしまう。また背部から瞬時に巨大な革製の翼を引き出し飛行することも可能である。
使徒: 人間を遥かに越える強大な戦闘能力と回復力・生命力を秘めた超生命体。いずれも人型をベースにしながらその肉体を異常に変形させた異形の怪物である。その個性的な異形と能力は概ね因果律によって選ばれた個人個人の過去経験や気質を反映させたものであるらしい。彼らは通常人間の姿をとり人間社会に潜んでいる。が、その多くは自らの圧倒的な力を利用して人間を虐げ、殺戮することに快感を見いだしている。この性格傾向は彼らがその人生において人間に深い嫌悪感を抱くに至ったケースが多いこと、また使徒への変形の際にその人間性が剥奪されていることから来るものと推察される。また使徒の一部はその肉体を分け与えたりすることによって自らの分身や下僕軍団を造りだす能力も備えている。彼らの行動原理は「望む所を行う」である。望むことを行なえないままに運命に翻弄された人が自ら創り出した”深淵の神”に望んだこと。神は正にそれを自らの力を分け与えた使徒達の唯一の掟としたのであろう。
各使徒の誕生経緯は以下の通りである。深淵の神或いはその命によって暗躍するゴッド・ハンドによって定められし「因果律」によって選ばれた者がその定めによってベヘリットを手に入れ同じ定めによって不可避的に究極的な絶望を味わったとき、それを受けて異界への扉が開かれる。そこには神の代理人たるゴッド・ハンドが待ち受けている。彼らはその者に自らの愛する者を捧げることで超人の魂を与えるという契約を提示し、それを受け入れればその者に「神の力」が分け与えられる。その力の正体とは魔に関わったことでそれに捕らわれ魔界を未来永劫さまよい続けるひとの魂の融合体であるらしい。それは、使徒が敗れ去る際にその本体と別れ本体をも食い尽くしながら異界へと消え去っていき、その後には概して巨体の使徒からは想像できないしなびた肉体の抜け殻が残る…。
ベヘリット:
卵状のその物体はその表面に「顔」の各パーツを出鱈目に配置された独特の形態をとっている (その状態でも目を開閉したり、ある種の生物のような振る舞いをする)。しかし因果律によって選ばれた者の心の叫びによって人の顔型に変形し血の涙を流しながら異世界への扉を開く。 ベヘリットを持つ者は「因果律」により定められ「因果律」の定めるままに人生を送りその中で究極的な絶望を味わうこととなる。その絶望がベヘリットに異世界への扉を開かせる引き金となる。 そこで因果律に定められた者は、自身の大切な物、”人間性へのクサビ”を断ち切る最後の物 (友人・仲間・近親者等の愛する者) を捧げ、魔の魂を受け入れることで使徒へと変貌していく。それは同時に捧げられた者の死を、しかもその魂を魔に捕らわれた魂達が未来永劫に混ざり合う恐るべき世界「いわゆる地獄と呼ばれる場所」へと埋没させていくことを意味している。
…グリフィスと「深淵の神」との会話によればこのベヘリットは「人の暗黒意識のうねりの雫が現世にこぼれた物」だという。であるならば、それは深淵の神同様に人の造りしものであるともいえる。故にそれは人の形をとり、ひとと神とのコンタクトを可能にするアイテム足り得ているのであろう。
備考:
原作とDC版の時期が繋がったようですな。グリフィスが復活してガッツと再会しグリフィスは自らの国を作るため、ガッツはパックの生地への旅を始める。グリフィスの国取りと時期を同じくしてDCゲームにおけるエピソードが展開される。その中でグリフィスと離れキャスカを救うためマンドラゴラ型使徒と闘っていたガッツとそのマンドラゴラ兵が将の率いる兵士として適格であるか試しに立寄ったゾッドは、出会う。その直前にグリフィスの眼前で再会し人間体→魔獣形態で死闘を繰り広げたゾッドはここでは魔獣形態のままガッツと闘う。
…ま、ゲーム内では引き分けだか痛み分けだかなわけですが ( 「お互い喉に小骨が刺さった状態では闘いにくかろう」ってゾッドの小骨ってなんでしょね?ガッツはその直前にキャスカがバルガスに連れ去られたことを知っただけだが…。) まー、DCでの展開を連載で2年くらいかけてやられるのははっきしいって迷惑なのでやってほしくないけど。
製作にあたって5巻と21巻のゾッドを比べてみたけど…大分違いますね (笑) 5巻のゾッドは何かおどろおどろしい、真にこの世界に属さない異形のものといった感じでしたけど、21巻では生物としてのリアルさと怪物としての圧倒的な威圧感・存在感が伝わってきます。まー三浦せんせの画力が増したこと、ゾッドの役割が単純な悪から何か別のものへ (作者及び読者の中で) 移行しているという側面もあるのでしょう。
フェムトに折られて一本になった角にも慣れましたね。21巻でよくみると折れた分の養分がいっちゃってるのか (笑) 残った一本が明かにどでかくなってるんですよねー。ばっふぁろーまんを思い出しますね、私は。 その影響か? 角の基部にひびが入ってたりして、こういう造形の”歪み”が実にいいなーと思える今日この頃。…なんなのでしょうね?私だけかもしれないし皆そうなのかもしれないけど、子どもの頃って左右非対称なものを受け入れることにすごい抵抗があったんですよね。それを受け入れる価値観の変容ってのは私においてはほんとに、つい最近のような気がします。私がキカイダーのことかなり嫌いだったのもそれかもしれん (笑)
作品紹介:
不死のゾッド (魔獣形態)
可動箇所:通常のフル可動(14)+頭部スィング(1)+角回転(1)+顎開閉(1)+手首回転&スィング(4)+尻尾基部回転(1)+膝部回転(2)+膝下部前方スィング(2)=(26)
*翼は脱着式
70作目のDr.ドゥーム以降かどうでは記念作は大物悪役に!と決めてまして90作目はなんとなくヴェノム・ザ・マッドネスにしよかなと思ってたのですが21巻を読んで長らく封印してきたゾッドへの愛?が再燃しました。サイズはガッツやゾッド人間形態に合わせて作るととんでもないことになるのがわかりきってましたので6インチクラスで作ることに決めていました。81作目のガッツver.2以降造形に磨きがかかってますし (あくまで本人はそのつもり) 今のの水準の可動と造形でなら理想とするゾッドを作れるだろうと思ってました。
素体は頭部にBWのチータス (の頭部) あとは概ね破壊者ドラッグスですね。こいつはヘビー級には重宝する素体です。ケープの造形もいいし安いし。
ゾッドの頭部ってのは前から牛とかより豹とかネコ系だよなと思ってたのでチータスは長いことこのゾッド用に保管してました。こいつを取り出して弄ります。眉と鼻のラインを盛上げて、鼻腔を開けて、顎から下を切断し、ここには聖闘士星矢素体の指関節をいれ、これを元に下顎を造形します。舌をつけて顎の内側に牙を (可動の便宜を考えてやや大人しめに) 造形します。単純な可動ですが実にいい感じに開閉します。特にあけてるときのかっこよさは絶品。口の開閉だけでも表情の印象って大分違うもんですな。更に耳を造形し角をつけます。角は意味なく回転します(笑) まー完成したあとで「この角度は何か違う..」とか思うのは嫌ですしね。これはケナー社製ブル・エイリアンの角です。この角をもとに「笑っちゃうくらい大量の」プラスチックを溶かしてボリュームアップさせ、その過程で角の微妙な曲がり具合を調整します。前後だけじゃなく先端部はやや右に逸れるんですよね。それにひびの造形を加えて終わり。あとは全体に毛の表面処理を加え、特に顎下を大きくボリュームアップさせて終了。やっぱ顔は大事だし数回に渡って造形の手直しを施しています。頭部は基部から上下にスィングします。これはビートXの鳳凰型ビート(名前忘れた..) の首関節を使用しています。基部の回転はドラッグスのもの。これも一度ボディから切り離して角度をやや前屈みになるよう調節しています。こうしてボディと接続された頭部を囲むように両肩と背部の筋肉をプラスチックを溶かしながら大きく盛上げていきます。腕です。肩関節下で一度切断して大きめで丈夫な回転関節を入れます。肘関節のすぐ下でもう一度切断しここにTOY-BIZバイオハザード ウィリアムG3の手首関節 (回転&スィング) を入れます。その先端に素体の手首をつけて全体の筋肉描写を入れなおして終了。右手は開いたものにしたかったのですが同サイズのものがないので過去にバラしたドラッグスの余りの左手首を造形し直して右手に改装しました (ジャバウォックのときもこうゆうのやってる..) 。これにプラスチックを溶かしながら一個ずつ曲爪を造形していきます。ボディは腰関節の辺りで一度切断しやや延長し若干前屈みになるよう調整しています。背部脱着式ウィングの接合部に大穴をあけて終了。股関節はゴーストライダーのものです。ヘビー級のカスタムの場合マンガ・フリークではヘタるので。尻には孔をあけブル・エイリアンの回転する尻尾パーツを組みこみます。大分小さいのでその後他の軟質素材を入れ補強しながら延長しています。直立しずらい形状のカスタムですしこの尻尾が頑丈であることはかなり重大事なのです。 肢です。腿部で切断し素体の腿と接続し直します。膝を曲げた状態でさらに回転関節と前方スィングする関節を組みこみます。これはチータスの後ろ肢です。回転することで微妙な角度でのポージングが可能になりましたが、この回転関節はどうやってもヘタるので直立がちょと困難になったのも事実ですな。最後に足首の関節を入れます。これはゴーストライダーの膝関節。先端部はチータスの足先を均して蹄状に成形したものです。脛?部はかなり細く造形しなおしています。で、最後に全身に対して毛の表面処理をハンダで彫り込み、施していきます。これがけっこ大変。 いやー大変だった。ま、でかいものはいつも大変なのだけど。翼ですが鉄拳のフィギュアのあからさまにゾッドな奴 (私は”鉄拳”はよく知らん。) の翼パーツをそのまま使用しています。安かったのでゾッド用に買っていたもの。塗装もまんま。やや小さいけどね。
塗装です。これはシンプル。全身ブラック! 口と眼はメタリックレッド、舌はシャインレッド、牙・角・蹄はタン。爪はメタリックブラック(テカリがやや違う..)あーシンプル。
ややスマートな印象もありますが (アート・オブ・ウォーなんかのと比べてね。まー比べてもしゃーないけど) 私の理想とするゾッドはほぼこんな感じです。
90作目に相応しい完成度っす。