ガッツ (鷹の団)

ガッツ(鷹の団) 1登場作品:
「ベルセルク」


名称:
ガッツ。姓は特になし。考えてみるとベルセルクの登場人物って、姓がない。

Story(蝕まで):

100年前よりミッドランド-チューダー国間の争いが続く世界。彼は母親の骸から生まれた。通りかかった傭兵部隊長ガンビーノの妻シスは流産した直後で精神に異常をきたしていたが、その赤子を拾って自分の子として育てはじめた。3年後シスは病死。その後ガッツはガンビーノを父親と信じて育った。6歳のとき、彼はガンビーノを相手に剣の修練をしていた最中に彼に鼻にケガを負わされた (*1)。またこの時期にガンビーノが彼の父でなく、自分が「死体」から生まれたことを知った。9歳で初陣 (*2) 。闘いの中で初斬したが、その晩傭兵仲間のドノバンに暴行された。 ガッツは闘いの中ドノバンに復讐したがドノバンは死ぬ前に「ガンビーノから銀貨3枚で」自分のの肉体が買われたことを告げ、それはガッツにとって深いトラウマとなったのだった。
 この直後ガンビーノは戦闘で片足を失い、ガッツは傭兵隊長を引退した彼の食い扶持を稼ぐ日々となった。2年後、ガンビーノもまた、精神に異常をきたした。彼は骸から生まれたガッツを呪われた子と信じ殺害しようとしたが、ガッツは悲しみにくれながらそんな彼を殺し逃亡したのだった。他の傭兵団に拾われた彼はその後フリーの傭兵となった。
 そして15歳。とある城の攻防戦に参加した彼は「30人斬りのバズーソ」を倒した。この時敵方には屈強の傭兵部隊鷹の団がいた。闘いの直後、ガッツに鷹の団が攻撃を仕掛けてきたが彼はそれを軽くいなし数人を斬殺。しかし現れた団長の美少年グリフィスの圧倒的な剣技に倒された。 数日後グリフィスに正式な再戦を挑んだガッツは激戦の末彼を地に這わせるには至ったものの結局肩を外され、グリフィスとの約束に従って鷹の団に入団。2週間足らずで十人長に抜擢され、以後グリフィスの懐刀として活躍することになる。18歳で先陣を切る切り込み隊長 (*3) に。このとき彼は伝説の傭兵、不死のゾッドに遭遇した。「それ」は人間を遥かに超えるパワーを有する魔人であったがガッツは手にした大剣で彼の剛剣を断ち、辛くも勝利した。しかしゾッドは突如巨大な牛頭獣身の怪獣に変化した! 駆けつけたグリフィスはガッツとともにゾッドに立ち向かうが二人は「それ」に圧倒され絶体絶命の危機に陥った。しかしゾッドはグリフィスの胸にかかる謎のアクセサリー”真紅のベヘリット”を目にして立ち去るのであった。
 グリフィスとの友誼を重んじるガッツは「ミッドランドを獲る」ことを目的に掲げ着々と計略を図る彼の命に従い敵対者を次々と葬っていったが、いつしか彼はグリフィスと友として、対等の立場に昇ることを目指すようになっていった。ガッツは鷹の団の一員としてチューダーとの最後の戦いに参加。ここでは千人長にしてグリフィスの腹心キャスカを護り100人斬りを達成、またチューダー最強の騎士団長、猛将ボスコーンを馬ごと斬って落とし、この戦で最大の戦功を挙げたのであった。
 グリフィスと団への義理を果たした(と思った) ガッツは鷹の団を抜けようとしたが、そこにガッツを激しく求めるグリフィスが立ちはだかった。傭兵の作法に従い再び争った彼らであったが、幾多の戦場で常に先陣を切り戦い続けたガッツの剣技はこの時点でグリフィスのそれを超えていた。ガッツを殺すことをも厭わないグリフィスの必殺の剣を吹き飛ばしたガッツの大剣は峰打ちでグリフィスを制したのであった。こうして鷹の団を抜けたガッツは、その直後に謎の髑髏の騎士と出会っている。
1年が過ぎた (このとき20歳前後) 。剣の武者修業を続けていたガッツはある闘技会でグリフィスの失踪と鷹の団の没落を知った。壊滅寸前の彼らを攻める部隊に便乗した彼は鷹の団の危機を救って彼らに合流、ガッツはこのとき互いに惹かれあっていたキャスカと結ばれたのであった。その後グリフィス救出作戦に参加。しかし救い出されたグリフィスは両手両足の腱を切られ舌を抜かれた無残な状態であった。グリフィスとともに逃げる鷹の団を追う黒犬騎士団の長ワイアルド (*4) はゾッド同様異形の化け物であったが、ガッツは激闘の末それを討ち取った。しかしグリフィスは自らの姿に絶望し、ひとり自殺を図った。
 彼を追った鷹の団はグリフィスの絶望が覇王の卵、真紅のベヘリットに呼応して出現した”蝕”の異世界に呑み込まれた。グリフィスは現れた闇の天使4人のゴッドハンドに応じ、団員全てを生け贄とすることで自らに超人の魂を呼び込む契約を結んだ。鷹の団は現れた闇の怪物「使徒」によって虐殺されていった (*6) 。一人奮戦を続けるガッツであったがそこにグリフィスの転生した姿、ゴッドハンドの”渇望の副王”フェムトが現れた。彼はガッツの眼前で彼の愛するキャスカを犯していく。左腕を千切り取られ右眼を失ったガッツは突如出現した髑髏の騎士によってキャスカ共々救われた。 ガッツは修行時代の知り合いの鍛冶屋ゴドーの鉱洞で目覚めた。しかしキャスカは精神を退行させてしまっていた。そして彼らの間に芽生えていた子どもはグリフィスの魔力にあてられ異形の存在と化してしまっていた。怒りに震えたガッツはグリフィスとゴッドハンド、友人達を殺害した使徒に復讐するための戦いを決意するのであった。

身長190cm弱、体重100kg前後。

交友関係:
グリフィス、キャスカ、ジュドー、ピピン、リッケルト、切りこみ隊、髑髏の騎士、

能力:

ガッツ(鷹の団) 2 ガッツ(鷹の団) 3

人間としては極限まで鍛えぬかれた肉体を持っている。反射神経、瞬発力もかなりのものであるがやはり何よりも腕力が凄まじい。

自分の身長ほどもある大剣を概ね片手で自在に操り、甲冑を着けた騎士たちを甲冑ごと撲殺する (*6)。10数年に渡って常に戦場の先陣で戦い続けてきた経験と不屈の闘志、生への執着がそれらの闘技と結びついた状態の彼は、地上最強級の「人間」 といえる。

備考:

ガッツ(鷹の団) 4


ベルセルクという物語はつまるところ自分探し、アイデンティティーの探求の物語なのだと思います。であるからこそアニメを通じて若い世代の視聴者/読者を引き付けたのでしょう。私個人は1-3巻のダークで、粗削りで、そして漫画とはいえどもちょっと考えられないくらいに絶望的なストーリー展開 (だってさー、あの段階で只の人間であるガッツがゴッド・ハンドに立ち向かうなんざ、無理としか思えないやん!) が好きだったので変にメジャーになったり、画が小奇麗になったり、話が意味を成してきたり (おいおい) ガッツが饒舌かつ知的になったりしている昨今の展開は諸手を挙げて賛成することはできないのであるけど、でも、その「自分探し」に真っ向から立ち向かうガッツの姿を理想とするひとの気持ちもよく分かるのです。物語としての完成度はどーかんがえても青年篇以降の方が高いしね。ガッツに「護るべき者」があるっつー時点で現在は1-3巻の破天荒なテンションとは逸脱した展開のような気がするんですが。あとたまに思い出したように(笑) ガッツがイッてしまったり虐殺に歓喜しちゃったりするのがなんか…なのですが、まーね。インパクトこそ初期ほどではなくなったものの作品の完成度と魅力は健在です。何度読んでも飽きないし、散りばめられた謎の探求も楽しい。
…さてガッツ君ですが、年表を作ると今22-23歳なんすね。1-3巻では30前までいってるかと思ったもんですが(笑)。すっかり頭よくなっちゃってねー(笑) 。人間も丸くなったし。それでもドラゴンころしや大砲腕のインパクト、破壊力と彼自身の無限の生命力は健在です。そもそも「主人公」の「剣士」なんつーとよく切れる妖刀或いは魔剣を引っさげ華麗な剣技を駆使する繊細なそれこそグリフィス型が主流?の和製ファンタジー界 (西洋だとコナン型腕力バカもあり) で、巨漢で腕力馬鹿でなまくらもいいとこの豪剣使い、しかも隻腕隻眼の身体障害者が主人公を張り続けるというだけでかなりすごい功績だと思うんですが (夢枕獏の「大帝の剣」なんて、同様に巨漢の大剣使いだけどね) 。
 えー、フェムトがグリフィスとして再臨したので、目出度く彼と同じ土俵で闘えることになりました (まー奴の戦闘能力は髑髏の騎士レベルなのでは?)。その勝負が物語りのラストになるのでしょうか。或いはそれでもやっぱ無理目のゴッドハンドと闘うのか(笑) 。
ここまで物語りに付いてきた読者が彼に共感できない筈がありません。まーとにかく、終わりまでは付き合います。作者は「あと5年は続ける」と言っているのであと10年はかかるでしょう(笑) 。

作品紹介:

ガッツ(鷹の団) 5
ガッツ(鷹の団)

可動箇所:通常のフル可動(14)+右手首のマルチ可動(2)+左手首回転及び指(2)+膝上部回転(2)=(20)

このガッツですが当初は黒ガッツ初期型として2000年最初に作製されたものでした。その後2001年最初に作ったガッツver.2(黒ガッツ後期型) が圧倒的な完成度を誇るため (例によって私の中で、ね) かなり!見劣りしておりました。ガッツ後期型も連載で定着してきましたしベルセルクカテゴリーは造形に気合いれる!という流れがありまして、このたび(2001年8月) 全面改修して白ガッツに変更させました。
頭部は聖闘士星矢素体のフェニックスの一輝のものです。ちょっとムス顔だし。髪を一度切り落として新しく耳、髪を造形しました。首関節はCORPSのボールジョイント。ボディはTOYBIZX-MENvsスト2ダルシムのものです。細いですがこれの腹部にボリュームをうけて胴鎧を造形していきます。背部には米国版仮面ライダーブラック・サイクロプターの銃把を剣のさやとしてつけます。ほんとは革のブツ切れのベルトなんだけどね。 最後に鎧の上からベルト等を造形して完成。肩関節はミクロマン(新型)の肩関節をいれました。肘関節はCORPS。肩アーマーは自作です。こういうのを鼻歌まじりにつくれるようになったのだなと思いつつ。右腕は剣を構えるためにここでもCORPSの肩関節を入れ、回転&スィング可動を実現させています。剣をもてる小さい手 (サムライトルーパーのプラモの) を繋ぎ包帯を造形。左腕はスィングこそしませんが回転と指可動のギミックをつけます。回転はハロウィン・ジャックの手首関節、手は星矢素体の手首をいれてます。その後肘までの甲と肘覆い、さらに手の甲にも造形を施します。腰に回転関節をつけて、股関節はマンガ・フリーク。腰部にナイフをつけ (サムライトルーパー素体のどれかのもってた剣を核に製作) 造形を肢甲を留めるベルトの部分に回転関節を入れます。その後肢甲を造形。肢はゴースト・ライダーのものを基本に造形してます。膝下からブーツのかえしを造形。足首関節を入れて、最後にブーツに各3本のベルトを造形し、さらに踵に拍車をつけます。
剣は完全自作。手首の孔にあう握りをプラ板に接続し、その一枚板の表裏にプラ棒をすこしづつ溶かしながら真中の盛りあがりをつけていきます。…結局ガッツの剣は普通の剣の3枚分の厚みがあるわけだね。最後に基部を造形して孔をあけ溝を掘ります。
メットです。基本はサムライトルーパーのなんかの兜でこれを頭に合わせて大きさを調節し、その後バイザーをランナー等を用いて造形。各部に孔をあけ耳穴をあけ、顎で留めるベルトはなんか洋物ボーダーフィギュアのアクセサリとしてついてたメットの軟質素材製ベルトをひっぺがしてきて取り付け、固定しました。うーんいい。
マントは布製。首を入れる穴をあけ、剣用の孔もあけ、あとは”形”になるようにちょこちょこ結び目をつけていきます。この辺の技術も進歩したよねー。
 塗装です。パンツはガルグレー、甲・剣の基部・拍車は焼鉄色、肌はフレッシュ、目はホワイト地に0.05mmマジックで。ベルトはウッドブラウン、ベルトのアクセントやブーツは艦底色、胴鎧の金具・刀身はシルバー、髪はブラック、包帯はホワイト。

黒ガッツに対応する白!感をだすためにパンツやベルトを黒ガッツより薄い色にしてみました。
ベルセルクものはボディのでかさ (5インチよか僅かにでかい) に対し顔が小さい!という造形的欠点があるのですが、白ガッツの場合メットをつけるとその辺かなりしっくりきます。フェムトもメットがあるのでいい感じなんだよね。かっこいー。


ガッツ(鷹の団) 6

*1:傷は骨にまで達しており、今なお彼の顔に残っている。

*2:実際中世の西洋に「大人」と「子ども」の正確な区分けはなかった。子どもという定義そのものすらなく、小さな大人として扱われる者が幼くして戦闘に参加する設定は結構リアルだと思う。

*3:500人編成だが精鋭揃いのため千騎長とほぼ同格扱いである。戦場ではかなりの重要度を持つ文字どおりの切り札であったのだろう (でもガストンは強そうじゃねーなー)。…しかし。先勝記念パーティーでは鷹の団千騎長のお歴々に混じってリッケルトがいる。ガッツは別格として、あのガキも千騎長だというのであろうか?

*4:この戦いがガッツとして記念すべき最初の使徒への勝利であった。実際ガッツはグリフィスに並ぶことと並びゾッド (化けもん) に勝つことを望んで武者修業に出たわけだしー。

*5:この死闘の中、ガッツを除けばただひとりジュドーだけが使徒を倒すことに成功している。流石!

*6:本来刀や剣は甲冑の隙間から人体に切りこむ道具であり、グリフィスやジュドーの闘い方が正当といえる。…そもそもガッツや鷹の団はともかくバズーソとかアドン、ボスコーンの着けているような隙間の殆ど無いフルプレート系鎧ってのは、銃器の登場に対応して進歩した類だというけどね。ベルセルクの世界では大砲はあるけど、それも精度はさほどではなく、どちらかというと馬を驚かす役割を担っているようだ。


ガッツ(鷹の団) 7


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