デビルマン

デビルマン01登場作品:
「デビルマン」
「新デビルマン」
「バイオレンス・ジャック」
「デビルマンレディー」
「ネオデビルマン」

その他OVA等もいろいろ。


名称:
人間:不動明
デーモン:アモン。アモンは「地獄の野獣」、「デーモンの勇者」等の敬称付きで呼ばれていたらしい。

「デビルマン」
…遥かな過去、”神”と呼ばれる存在がその想念をもって地球とその周囲の小宇宙を形成した。神達は地球を創ってしばしの後に再度その地を訪れたが、地球には神の意図に反するおぞましい種族、デーモンが繁殖していた。怒った神は配下の天使軍団をもって彼らを滅ぼそうとするが、神の子の中で最強の力を持つサタンは神の教えを盾に被造物であるデーモンを擁護し、神と対立する。かくして天使軍団とサタンを崇めるデーモン軍団は今からおよそ200万年前に地球で激突、その戦いはかろうじてデーモンの勝利に終わった。サタンは来るべき神との再戦に備え配下のデーモンとともに眠りについた。
1970年代後半にサタンは眠りより目覚めたが、地球には”人間”なる生物がはびこり、彼らがかつて懸命に守った地球を汚していた。怒ったサタンは (原作でも言われているがこの展開は最初の神のデーモンに対する反応と一緒) 人間の排除を決定、人間飛鳥了として (*1)人間社会に入り込み人類を滅亡させ計略を練り始めた。
両親が遺跡発掘中に行方不明になった(*2) ために父の友人の牧村家に居候することになった不動明は、転校するまで親友であった(*3) 飛鳥了に招かれ彼の家に赴く。彼はそこで了より悪魔の人類支配の計略を聞かされた。親友の言葉を信じた明は危険極まりないサバトの儀式を経てデーモンの勇者アモンと合体、人間の心を持ち悪魔の力を秘めたデビルマンとなった。その後明と了は人類を守るため人間社会に紛れ込むデーモンと密かに激しい戦いを繰り広げた。その後デーモンは大軍団をもって人類の前に出現し、激しく交戦。悪魔軍団の首領格ゼノンはデーモンの恐ろしさと彼らが人間と合体でき、現に人間の中に大量のデーモンが紛れ込んでいることを暗示して消え去る。混乱の最中、了は自身の正体に目覚め明を裏切った。明はデーモンとの無差別合体によって大量に出現したデビルマンの一大軍団を形成しそのリーダーにおさまっていたが、了の裏切りと彼の人類へのそそのかしによって牧村家に殺到した「人間」達によって守るべき大事な”人”を全て奪われ、そのことから人類と完全に決別した。その直後に彼は了と対面。彼の正体を知った明は「デーモンの世界にデビルマンの生きる余地を与える」という了の提案(懇願) を退け同胞(デビルマン) 達のため、自身の復讐のためにサタンとデーモン軍団との戦いを決意する。
20年後 (*4)、世紀末に中国大陸に集結したデビルマン軍団はデーモンと最大規模の交戦を行い、明はサタンに破れて死亡した。その後地球に天使軍団が襲来し、地球の全生命を滅ぼし去る。

デビルマン02

 
「バイオレンスジャック」:連載当時はこちらがデビルマンの続編となるはずであったが、「レディー」の登場で今や外伝扱いに。
全ての生命を失った地球に残されたサタンは親である神から受け継いだ創造神の力を用いて想念の力で東京をかつての姿で創造したが、彼の愛する明と人類とデーモン、それら全てを失った悲しみの心によって新たな関東に大規模な地震 (関東地獄地震) が起こり、その文明はあっさり崩壊してしまった。その後関東には暴力だけが支配する閉鎖された空間(*5) が出現した。その世界を舞台にサタンの隠された破壊本能の化身スラムキング(一応人間) が人間を支配し、それに反抗する健やかな心を持つ人々との様々な戦いがはじまった。戦いの最中突如現れた謎の巨人バイオレンス・ジャックは、関東の支配者スラムキングや対抗勢力の凄ノ王、その配下等と敵対し激しく争い、スラムキング軍は結局レジスタンスに破れてしまった。破れたキングは最後に”彼を愛するもの”ジャックと一騎打ちとなり、ジャックが勝利した。しかしキングは何故か?復活し、彼の飼っていた、舌を抜かれ手足をもがれた「人犬」=飛鳥了と合体し (*6)その本性:魔神サタンとして覚醒する。人犬=了はサタンの悲しみと良心の化身であったが結局サタンは破壊神として統合され復活し、荒廃した世界と人類 (つまり自分の荒廃した心象風景) を滅ぼすために二度舞い上がったのだ。だがサタンに対しジャックはデビルマンとなって空に彼を追う。実はサタンは新たに世界を創造した際にデビルマンも復活させていた。しかもデビルマンの能力はサタンに匹敵するものとなっていたのだ。覚醒したデビルマンとサタンは宇宙空間で激しく争い、対消滅した。

「デビルマンレディー」
了に破れ地獄に落ちた明はそこに現世から「落ちて来た」不動ジュン:デビルマンレディーと出会い、共にサタンと会うため彼の封印されている地獄の最下層、凍結地獄”コキュートス”へ向った。しかしその地には既にサタンの本体はなかった。
…デビルマンレディーの”現世”は前大戦(「デビルマン」世界)の遥かな未来であり、その世界では人類の遺伝子の中にビースト (獣) 因子が眠っており、それが突如発現すると殺戮本能につき動かされる魔獣”デビルビースト”と化する。不動ジュンはビースト因子を人為的に抑えられたことで殺戮の本能を抑えつつビーストの力を得、人類の味方デビルマンとして闘っていたのだ。
実はサタンはとうにコキュートスを脱出して現世に降臨し、双子の兄弟である神の下僕ミカエルと戦うための準備を整え始めていた。彼は両性具有である自らの肉体を男女の二つに分け、ミカエルの追及を逃れることを選んだ。サタンの分身のひとつ (♂) は超能力者アスカ蘭としていち早くミカエル率いる人類戦線に潜りこみ、もうひとり (♀) は不動ジュンとしてデビルマンレディーに覚醒、これも人類戦線に加入しデビルビーストとの闘いの日々を送った。人類戦線に所属しデビルビーストの闘争本能を抑えつつそのパワーを備えたデビルマン軍団は、実はそれを率いる天使ミカエルによってデーモン全軍復活の抑止力として利用されていたのである。しかし徐々に地獄に落ちたデーモン軍団復活の機運は高まっていく。そして遂に魔王ダンテ(ゼノンの前段階) が復活、現世に降臨した。それに続き主だったデーモンも現世に出現。本物の悪魔の前にデビルマン達はあまりに無力であった。
失意のどん底にあったジュンにアスカが接触。女の肉体を持っていたはずのアスカ (この時点でジュンとは姉妹として生まれたことが明かされている) は本来の男の肉体を取り戻し二人は結ばれた。妊娠したジュンは急激に成長した謎の子を出産。サタンの愛の結晶であるその子もまた急激に成長したが、それは地獄に留まった不動明の魂の新たな器であった。
ジュンと蘭は融合してサタンに戻った。かくしてサタンと和解した明はミカエル率いる天使軍団と最後の死闘に向かった。

交友関係:
デビルマン軍団、高校の不良仲間、それとやっぱりサタンか。牧村美樹そっちのけで最近は了:サタンにかかりっきりみたいだし。美樹もいいキャラだと思うのだが。
レディーではサタンの女性性であるジュンと相思相愛の仲。

デビルマン03

能力:
原作版に関しては、人間形態で怪力や触覚を鞭や刃物のように使う能力、背中から羽を引き出して飛行、両手からの熱線等を備えている。巨体のデビルマンになるとそれらの能力がさらに増幅される。その他頭頂部から電撃、頭の”羽”部分から熱線、全身を白熱化する能力、テレキネシスやテレパシーも備えている。加えてデーモンとしての標準能力で強烈な再生能力とテレポート能力も備えている。基本的には肉弾戦が好みらしく旺盛な闘争本能でデーモン以上に荒々しく闘う。「デーモンの勇者」、「地獄の野獣」と称されたエリート悪魔アモンと合体し(*7) さらに明の強靭な意志の力と知性が加わりデーモンを越えた超悪魔と化している。
「ジャック」、「レディー」では共に精神力/意志の力が全てを支配する地に生きているため、本来の強力な精神力によって魔神に匹敵する力を有している。
デビルマンにおける悪魔の基本的能力は「合体」なんですね。細胞融合で様々な生物の能力を取り込んで無限に強く、進化していく。アモンはコウモリと狼のイメージがあるけどその辺の合体なのかな?ちなみに天使は (アニメ版によると) 防御力はショボいが攻撃力はとんでもない。一条の光線で地上にぼこぼこクレーターができる。

備考:
デビルマン04 デビルマン05
原稿を書くため原作を一気読みしたのだが、やっぱよくできてるなー。20年かそこら前に少年誌であそこまで「人間」の本当の姿を描いた作品は他にあるだろうか? サタンの人類排除計画は、とても理に適ったものだと思うし。最初のほうはアレだけど、「シレーヌ」「ジンメン」あたりから話は連載時の凄まじいテンションの高さを思わせる大暴走状態に入っていく。デビルマンもそれに応じて「小物」っぽかった (笑) 当初の外見からラストのほうでは”魔神”の風格を漂わせる高貴な物へとなっていく。
その複雑な出自、悲劇的な運命、彼ほどドラマ性のあるキャラクターは日本に他にあるんだろうか? もっと海外でも読んで欲しい (ま、読まれてはいるんだろうが、海外での永井豪ってマジンガーとかグレンダイザーなわけでしょ?) と心から思います。
…「バスタード」ってポストデビルマン?読めば読むほどそう思います。「ベルセルク」もそうですね。当初のテンションはデビルマンそのものでしょ。でも最近にわかに気付いたのだが一番デビルマンな話って「寄生獣」ですねー。設定や展開がとても似ている。岩明均が「ネオデビルマン」描くって聞いたときはすごく興奮したんだけどなー。実際はただの短編の外伝だった。
デビルマンレディーに関しては何もいいたくない(笑) でも言う。
サタンとうりふたつのミカエルが出現したあたりで「うぉおおーーこれはぁあ!!」と大興奮したのにその次の回で終了っておい!
レディーがサタンの分身でありその明に対する思慕の念によってデビルマンに似た姿をとったことなんかは秀逸な設定だと思うんだけど、それって最初から考えてた話じゃないだろうしなーどう考えても。天使と悪魔との最終決戦をもうちょっと丁寧に扱ってくれていればあのストーリー展開でも相当な盛り上がりになったと思うのだが。
永井豪って確実に天才だと思うんだけどそうであるが故にか? 話しを最後まで持続させていく気力が致命的に欠けているんだよな。私も (他の永井豪好きの方には負けているだろうけど) 何度裏切られたことか…。「凄ノ王」、「マジン・サーガ」..ああどちらもちゃんと続けて、きちんと終わらせて欲しかった。ちゃんと終わらせたのって「デビルマン」と「バイオレンス・ジャック」だけなんじゃ..

作品解説
デビルマン

デビルマン06

可動箇所:超絶可動(33-35)

頭部:基部回転&上下スィング可動(2)
顎部:スィング可動(1)
腹部:スィング(1)
腰部:回転(1)
肩:マルチ可動(2)
肘上部:回転(2)
肘:二重関節スイング(4)
手首:回転+スイング(4)
指:人差し指&中指部と薬指&小指部(4)
股間:マルチ(2)
尻尾:回転&スィング(2)
膝上部:回転(2)
膝:二重関節(4)
足首:スイング(2)

羽:開閉(2)

*平成17年6月に新造しました

 かどうで出すデビルマンとしては3作目です。デビルマン(漫画版)はプライズもののフィギュア(総塩ビ製)の中身をくり貫いて関節を組み込んだ代物。特定のポーズだとかっこよいのですが、普通のポーズで直立できない(笑)代物でした。今見るとかなりダメな出来。もうひとつは同じくプライズフィギュアの頭部等を利用してアニメ版として製作、緑系の塗装をしたものでしたが、ダメでしたねぇ(笑) ダメすぎて一瞬しか公開しませんでしたよ。

で、今回。今の技術があれば作りたいデビルマンが作れるかなぁと。
素体にはTOYBIZ6インチスパイダーマンクラシックス(黒)を使用。5インチよかちょい大き目につくるので、いいかなと。首は素体関節をくり貫き最近のフォーマットに倣い回転&スィング形で処理しています。デビルマンの場合には異形らしくちょい前屈み気味に接続します。今回はこの頭部に顎可動も入れるのでなかなか大変です。前述のスパイディの指関節を取り付けてみました。でかいかなーと思ったけど最終的にはその後頭部を大型化したので、ね。素体も腹部可動はあるのですが、やっぱり私の好みはボールジョイントでなく素直なスィング可動ということで、関節を外して5インチフィギュアの腕部を仕込んでスィング関節に。腰部回転と股間マルチまでは素体を使用しています。
肩関節はこれまたTOYBIZ5インチスパイディものの関節を使用。股関節よりゴツいのですが、まあいいでしょ。前回製作のガッツの成功に気をよくして肘二重関節を採用しています。肩関節基部を肩下で切断して3怪人セット蛇クンの肘上部回転&スィング関節を接続、さらにその下に先ほど外した5インチスパイディの肘関節をコンパクトに接続して固定。これで完成。手首関節は3インチJOEの肘関節を使用。手首は3怪人セットの豹クンです。
脚です。腿部はTOYBIZ5インチマンーウルフの腿部(塩ビ製)使用。膝関節は最近はいつもこれ、という感じで3怪人蛇クンの膝上部関節&スィング、その下に上記のマンーウルフの膝関節を接続。足首もマンーウルフです。こいつの足がなかなかいい造形だったので。
尻尾は何故か余っていたミクロマン(前シリーズ:片腕が磁石なやつね)の片腕肘関節が余っていたのでこれを使用。やや斜めに接続すると生物ぽくなります。尻尾はTOYBIZ5インチX-MENソウロンの尻尾です。そんなに自己主張しないやつをと思ってチョイスしました。

 あとは肉付けと造形。デザイン上のイメージは原作/映画版/韮澤系の折衷型ですね。映画版のビジュアルイメージは決してイヤではない私です。観てないけど。
頭部の造形はやっぱり難しい!0から作ろうかと思っていたのですが、断念して顔の基盤にTOYBIZ5インチダルシムの頭部(上半分)を組み込んでそれに肉付けしていきました。眼の大きさなんて悩みどころなんですけどねぇ。触覚の長いほうは黒いワイヤーを埋め込んでみました。羽は何度か修正を入れながら「大きいだろ!」てとこまで作りこんいます。顎が100度近く開閉するのが自慢。只の異形じゃないぞと。
ボディは素体のバランスを生かしつつ控え目に造形を施しています。肩に入るデビルウィング収納様の筋って、やっぱり斬新ですよねー。ウルヴァリンなんかのデザインにも影響あると思うなー。背部にはウィング装着用の端子(孔)を造形しています。腕は映画版ぽく、外側は若干肉付けと装甲様の造形が入ります。その絡みで肩にも二本ずつトゲが入ります。下腕部のブレードは必須ですね。ランナーを接続してシャープに削って磨いています。手の甲には脚部と同じような鱗状の造形を入れています。爪は特に造形せず。してもよかったかな?脚部は毛、ではなく鱗状の造形を入れていきます。このあたりは映画版を参考にしていますね。膝下以下は筋のある肉って感じで。尻尾には特に造形していません。

羽ですが、TOYBIZ5インチフォールン(ハボックが行った異世界ver.のエンジェル)の羽です。でかいなぁ(笑)
端子に挿し合体。これでデビルウィングも再現できました。嬉しいなぁ。

塗装です。基本の体色は焼鉄色&クリアブルー&シルバーを混ぜた専用色です。地色に焼鉄色&クリアブルーのより濃い色で汚しを入れています。黒部分はブルーを地色に、メタルブラックで汚しを入れています。口はメタリックレッド、歯と眼はシルバーです。

正直強烈な欲求で作り始めたわけではない(笑)ので製作中に投げかけた気もしないでもないですが、造形入れて塗装すると実に実にいい!ですね。
私のイメージするデビルマンが完成しました。いつものことですが可動箇所が豊富だと何気ない動作が実にキマります。満足です。


 デビルマン07 デビルマン08

*1サイコジェニーというデーモンの能力で自分が人間だと信じ込み偽りの家族や記憶を有していた。

*2:OVAでは悪魔の眠る地に迷い込みジンメンに殺された。

*3:これは事実としてあったことだろうか?怪しいけどそれがなければ了が明を愛する機会もなかったわけだから、やっぱり事実か。
   →「ネオデビルマン」作中では、転校前の一時期の明と了の交流が描かれているが、それはやはり、ある瞬間突然に、明の認識を変更する形で、始まったようでさる。

*4:原作ではここで20年経過してたんですねー!! デーモンとデビルマンの戦いが”ハルマゲドン”で、明も37歳くらいまで生きたのね。

*5:関係ないけど平松伸二の「ブラック・エンジェルス」の第二部ってそんな話だったよね。最近じゃバットマンの”ノーマンズ・ランド”すか。

*6:「ジャック」最終巻ではスラムキング (とその息子のズバ蛮) はデビルマンにおける魔王ゼノンであったようだが。「デビルマン」ではゼノンはサタンとは全くの別物で、サタンは天使、ゼノンは悪魔だったはずだが「ジャック」で両者は一体の「魔神」として扱われているらしい。かと思えばレディーではゼノンがまた、ダンテその他二大悪魔の融合体だったりもする。

*7:強力な、なおかつかっこいい(笑) 悪魔と融合させたのは思うにサタンの愛なのだろうな。

デビルマン09


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