登場作品:
「強殖装甲ガイバー」
映画「GUYVER the dark hero」 (一瞬出てる。デザイン違うけど)
名称:
「0号ガイバー」その他「殖装体0号」など。いずれも正式名称にあらず。
Story:
遥かな過去。天空より惑星ガイア(地球)に飛来した異星人の一団があった。彼らは自らを”降臨者”(ウラヌス(*1))と名乗る何種類かの異星種族からなる混成集団であった。彼らは原初の地球で2億5千万年(*2)に渡って地球の生態系を操作し(*3)、優れた攻撃能力を誇る兵器、ドラグーン(恐竜)の開発に至ったが、それらに兵器として必要なだけの知性と適応能力を見出すことができなかったため、やむなく大質量の隕石を地表に誘導して恐竜を一掃して地球環境の改革を図った。
彼らは次いで哺乳類の育成に着手した。今回彼らは兵器となる生物を直接作るのではなく、汎用性に富んだ”素体”となる生物を作りそれを用途に応じた生体兵器に調整することにした。様々な試行錯誤の末完成した究極の素体、獣化兵(ゾアノイド)の基となる素体生物こそが現生人類であったのだ。
彼らはやがて多くのゾアノイドを生産し、それらを統べる力を秘めたゾアノイドの指揮者、最高位調整体である獣神将(ゾアロード)アルカンフェルを作り出した。彼らはいずれはアルカンフェルの他に11体、計12体のゾアロードにゾアノイド軍団を指揮させて超巨大生体宇宙船に載せ、星々の彼方で行われている戦闘に参加させる心積もりであった。しかし。
降臨者はここで一つの実験を行った。素体である人類にウラヌスの”標準装備”である生体強化服、強殖装甲ユニットを装着させその性能を試したのである。ユニットは生体に融合しその諸能力を高め、殊にその生物としてのサバイバビリティを極限まで高める、これまで降臨者の造った装備の中でもかなり優れたものの一つであった。しかし人類と融合した強殖装甲ユニットの性能強化率は降臨者の予測を遥かに超えるものだった。殖装者は降臨者がこの実験のため強化措置を施した恐竜を容易く撃破した。そのあまりの強さを目の当たりにしプランの変更を企図した降臨者であったがその時、彼らの住まう生体宇宙船が突如殖装体による攻撃を受けた。降臨者によって作り出された人類はその造物主に絶対の服従を誓うよう条件付けされていた筈であったが(*4)、殖装体は強殖装甲ユニットと融合したことでマインド・コントロールを解かれ、その造物主を攻撃したのである。降臨者により殖装体への攻撃を命じられたアルカンフェルは配下のゾアノイドを操り殖装体を攻撃した。しかし殖装体の戦闘能力はゾアノイドを圧倒した。
業を煮やしたアルカンフェルは自身の力で敵を排除せんと立ち上がったが、何故か降臨者はそれを制止した。彼らはアルカンフェルにユニット・リムーバーを与え、それを使用して素体人類から強殖装甲ユニットを切り離すよう命じた(*5)。殖装体は胸部粒子砲でアルカンフェルを威圧したが、それに耐えたアルカンフェルはリムーバーを始動させ、ユニットを初期化させ人類と切り離させた。ユニットと強制分離さえた人間はアルカンフェルによって焼き殺された。合掌。
…後に降臨者は人類がユニットを装着した状態、及びユニットを装着することで自身の敵となる人類そのものを指してこれを規格外品、”ガイバー”と呼称した。
身長約2m、体重約300kg。
能力:
作品紹介:
0号ガイバー
可動箇所:超絶可動(29)
頭部:ボールジョイント(1)
腹部:スィング(1)
腰部:回転(1)
肩:マルチ(2)
肘上部:回転(2)
肘:スイング(2)
ブレード基部:スィング(2)
手首:回転+スイング(4)
指:人差し指&中指部と薬指&小指部(4)
股間:マルチ(2)
腿上部:回転(2)
膝:二重関節(4)
足首:スイング(2)
過去のコラムで触れたようにガイバーは、かどうとして長らく検討してきたカテゴリーでした。間もなく100体に達するところで仮面ライダーも概ね片付き、今後マジで作っていくリアルな生物系というか怪物系カテゴリーを考えると、ガイバーに行きつきました。ガイバーでも何を?というところで、上述したように”私好みの1号”と言えるデザインのガイバーというと0号なんですよねぇ。好きだけどいきなり2号は変だし3号はギガンティック・ダークで予定しているし(ギガンティックは体色がイヤ)。ということで。…正直同じようなもん何度も造るのは好きじゃないので(造形は楽だし実際は続けて作ればもっといいもの造れるのであろうけど..)、他にガイバー造るかは疑問です。では製作。資料は単行本(15巻末)と10年以上前に買ったマックス・ファクトリー製ソフビ7インチガイバー1です。こいつはパーツごとに分割してボールジョイント仕込んでフル可動化させようと目論んで挫折してた代物です。
首ジョイント・頭部はCORPSですね。最近のライダーと同じ位の大きさにしてから念入りに造形していきます。…どうにかなるもんですねぇ。マジでこの頭部は絶対作れないと思っていたのもガイバーに手を出さなかった最大の要因だったのですけど。98体(実際にはそれ以上)の製作がここで結実したのねと感無量っす。触覚は軟質プラ製。…実際作ると長いもんなんすねぇ。首周りの装甲は0号固有の、特別なものですね。中空な感じで。結構こいつのせいで可動が制限されちゃうのが残念ですが。顎から胸部へ伸びる線。だけは実現不可能です。いや、できるけどそこまでは5インチではねー。肩関節はCORPSの肩。肘もCORPS。手首にもCORPS肩。指は3怪人セットの豹クンのものをもとに、親指を外して位置を換え縮めて指も短縮して全体に小型化させています。
今回最大のイベント、ブレード基部にはポリキャップを仕込んでから周りに溶かしたプラスチックを積み上げて抜けないよう/スィング可動するように処理しました。ブレードは3怪人セット、豹クンの持っている弓、ですね。ポリキャップに挿す端子はその握り部分です。二組消費して短い通常型と長いブレード展開バージョンを作り、これらを加工して作ったブレードを差し替えて使用します。このブレード基部の可動部を少しでも小さくするのに、ものすんごく苦労しました。
腹部スィングはマンガ・フリークのブレード可動部を埋め込んでいつもの要領で。今回は特に腰から上が極端に短くなるようにバランスに注意して造形しました。その下に回転する腰関節部を入れます。股間はマンガ・フリークのマルチ。すぐ下に回転関節を入れて、膝は聖闘士星矢素体のです。足首はCORPSの膝関節。肢はとにかく笑っちゃうくらい長く!資料イラストと比べながら全身のバランスを何度も修正しました。…あとは全身を装甲していきます。頭部以外は結構楽だし、楽しいですな。ほぼ設定に準拠しましたが肩は、どうしても可動との兼ね合いで実際のものよりも小さくせざるを得ませんでした。…聖闘士星矢素体のように肩スィングと展開を独立した関節を使う手もありましたが、それだと実際の動きと違っちゃうんだよなぁ。
塗装。一次装甲(内部)はメタリックレッド&メタリックブルーの自作メタル紫。二次装甲(外部)は黒鉄色&クリアブルーで作った自作メタルダークグリーン。…実際はちと違うと思うのですが私、「ガイバーの外皮はメタル」であるべきという強迫観念を備えております。目は蛍光レッド、触覚脇の球体はオレンジ、メタルと腰部球体はシルバー。ヘッドビームはメタリックグリーン。ロングブレードはメタルカラーのブロンズです。
画像にどれだけ反映してるか分かりませんが。私的には「ここまで来たか!」って感じです。もう完璧。やっぱブレードは一本だけ長い方が決まるね。
それはいいのですが、こいつが出来てしまうとつい最近まで「…こんなに肢長くていいの?」って感じていたクウガカスタム以降のライダー勢がふつーか胴長短足に見えてしまう(笑)マジで。ショックだなぁ。バランス感覚とか審美眼とかいうものには多分、絶対的な基準はないんでしょうねぇ。常に相対的な基準で何よりも長いとか短いとかで、評価されていく。当たり前なんだろうけど、ここまでビビッドに眼前に提示されると驚きでした。
おかげでこれまで作ってきたカスタムの中に「あーみっともねー!直してー!!」というのが増えちゃいましたよ。つい最近作ったのでさえ、あー駄目、どうしよって感じたのありますです。…実際には勿論、ガイバーのスタイルが異常なんですけどね。それは分かるのだけど。 アレですね。肢長いって言われるひとは世の短足さんに足向けて寝れないですね。短い奴が存在しなければ長いなんて概念はないんだから。ものの美醜もまた然り。
*1:ギリシャ神話における天空の神。クロノスはその息子。ガイバー3こと巻島顎人の名乗るゼウスはさらにその息子。
*2:…彼らのタイムスケールが人間のそれよりも遥かに、巨大であることは一目瞭然。人類の構築など彼らにとってはたとえば一軒のビルを建設する程度の時間としか感じないのであろう。同様にウラヌスが人類に注ぐ感情もその程度、でしかないのであろう。そう考えるとアルカンフェルの野望や今現在ガイバーの世界で行われている戦いの全てが、なんかアホらしくなってしまうのも確かではある。まあその編のスケールのでかさとそれに対するある種の諦観がガイバーの良さであるのは確かだけど。
*3:地球で芽生えた独特の生命形態を、固体のレベルで調整して弄るのではなく、それよりも遥かに大きなスケールで、地球全体の生態系を調整した、わけだね。今回真剣に調べるまで漠然と前者なのだと思ってましたけどそれだと2.5億年もかからんわな。ウラヌスはそれだけ、”(地球)固有の”兵器開発に執着していたのであろうか?地域特産っつーか。それが単に彼らの流儀であるのかもしれないが。
*4:実は本編中に「降臨者が”人類”に対して絶対の支配力を持つ」という描写はない。…まあ、ゾアロードやゾアノイドがそうなわけだし、文脈上人類もそうであると考えていいのだろうけど。少なくともあの時点では。一方で”スーパーゾアロード”であるアルカンフェルが(ゾアロードでなく)現生人類に対しても特に支配力を持たないというのは、何ででしょうね?そもそも元来ゾアロードにその機能はないのかもしれんし、アルカンフェルの長き眠りの間に人類のマインド・コントロールが一旦薄められたり消去されたのかもしれないし、まあいろんなことが考えられるのであるが。
*5:降臨者はこの時点では殖装体の強さを過大に評価していたとはいえる。「アルカンフェルが敗れると自分達には殖装体を排除する手段を失う」という発言は彼ら降臨者が固体レベルでは殆ど何の戦闘能力も有していないことを意味している。更に後から考えれば、降臨者はその時点で既に、ユニットがゾアロードに直接接触することの危険性についても考察していたのかもしれない。
*6:現在、その言葉に値し、実際に機能している存在はアルカンフェル、そしてガイバーだけである。
*7:思い返すとこれまで脳を破壊された等の理由で意思をもたずコントロール・メタルに支配されたガイバーがプレッシャー・カノンを使用した例はない。腰部グラビティ・コントローラーの本来を機能(飛行・浮遊等)を装着者の意思で拡張させ発現させたプレッシャー・カノンは初期状態のガイバーには存在しない機能なのかもしれない。…まあ、今まで使わなかったのが偶然かもしれないけど。
*8:ゼクトール特有の強い復元力を持つ外皮は例外であった。
*9:理屈は納得できるけど、それを実行するにはものすごい技術以前にものすごい知性(とゆうか演算能力)が必要だなーと感じる。殊に0号は複数の、種類の異なるゾアノイド軍団を一気に粉砕している。それって…。ギガンティックが一度に複数種を葬るのはまあ、金属球が増えたしーでいいのだけし、ガイバー3が一度にエンザイム3軍団を倒したときも、まあ同種だし固有振動周波数がほぼ同じであった、で説明できるのだけど。
*10:ガイバーになることで、装着者の内臓等各種器官はその位置を変える、という。なんか「寄生獣」のジョー、の戦いを思い出す。但しこれは小説版での設定。実際にもそうである方が利に適ってると思うのですが、ね。強殖装甲を”着る”というよりも”瞬時に一体化して単一の・別種の生物を為す”という方が。実際問題そうでないとガイバーはともかくギガンティックの動作に無理がありすぎる。
*11:「一個の消しゴムをこの時空から完全に!消滅させるには学校の教室の中心にそれを置き、残りの空間を全てTNT火薬で占めて爆発させる必要がある」とかって、昔聞いたことがある。メガスマッシャーの威力は推して知るべし。
*12:そういう気分で原作版「冥王計画ゼオライマー」を見ると、ゼオライマーの不滅性(上半分消し飛んでも瞬時に再生するとか)とか記憶の保存・再生だとかに同じノリを見ることができますねぇ。いやーつい最近までちみもりお氏が高屋さんだと知りませんでした。言われてみればタッチがまんまですけど。…しかし、エッチだなぁ(笑)中年男女が若い肉体でHしまくるなんざぁ。
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