2017年9月28日木曜日

日本政府、新興宗教「不二阿祖山太神宮」宣伝イベントを全面後援 ―安倍昭恵とカルト国家の淵源―

9月26日号の日刊ゲンダイに「隠れの昭恵夫人 今度はカルトイベントの名誉顧問に就任」というタイトルの記事が掲載されました。記事を読むと、これは「昭恵がオカルトに毒されている」という問題よりはるかに深刻な、国家の根幹に関わる問題であることがわかります。

森友学園と加計学園に関与したとされる安倍昭恵夫人。雲隠れしたまま説明責任から逃げ続けているが、またぞろ怪しげなイベントの広告塔を買って出ていることが明らかになった。10月14日から2日間の予定で熊本県で開催される「みんなのFUJISAN地球フェスタ“WA”2017」というイベントの名誉顧問を務めるのだ。顧問には石破茂氏、谷垣禎一氏といった国会議員もズラズラと名を連ね、内閣府、経産省、防衛省といった主要官庁のほとんどが後援団体になっている。(下線部引用者)

「私人」である安倍昭恵氏が、どの宗教法人と関係があっても、それ自体はたいした問題ではありませしん。しかし、特定の宗教法人がらみのイベントを主要官公庁が後援しているのは、政教分離原則への侵害です。そこに一私人が介入していたとすれば、これは国家の根幹を揺るがす大事件のはずです。




Fujisan地球フェスタの概要


今年10月14日・15日、「Fujisan地球フェスタ WA 2017」というイベントが熊本県阿蘇市で開催されます。その主旨は、

FUJISAN地球フェスタWAは、「美しい地球と和の心を子ども達に」をテーマに、若者達が中心となって 「日本人の心のふるさと富士山から、日本と世界の子ども達の明るい笑顔と、日本の古き佳き伝統文化を発信し、音楽・ダンス・武道・芸術・食を通して、国境も人種も言葉の壁も乗り越えて、 一つの大きなWA(和・輪・環)を広げ、未来の子ども達に争いのない美しい地球を残してあげたい…」という願いを込めて開催致します。


このイベントの後援団体一覧には、内閣府や経産省・厚労省以下、ほとんどすべての主要官公庁が名を連ねています。

image

イベント概要を見れば、「省庁後援コンテスト」の授賞式も入っており、記念品は環境省推薦「エコアクションポイント」です。「総額100万円相当」という記載もあるので、ここに、国民の税金が支出されている可能性が高いでしょう。

役員名簿には、名誉顧問として安倍昭恵・石破茂・谷垣禎一が就任し、顧問には自民党を中心に国会議員70名以上が名を連ねています。

image


さて、このイベントのロゴを見ると、「愛と平和のシンボルである”WA"の象徴 富士山は合掌した姿 すべてはこの祈りから始まる」とあるわけです。昭恵ときて、「祈り」ですから、そこはかとなく怪しげな香りが漂ってきますね(笑)


image


では、このイベントの本質はいったいなんなのでしょうか。その鍵は、大会実行委員長にあります。

実行委員長である渡邊政男は、実は「不二阿祖山太神宮」なる新興宗教の教祖、渡邊聖主です。大会パンフレットと、教祖様としての対談の顔写真を見比べれば一目瞭然です。まあ、そもそも対談で、渡邊政男=渡邊聖主と書いている訳ですが(笑)。

imageimage


そして、このイベントの協賛者様一覧の筆頭に、(宗)不二阿祖山太神宮が入っています。


image


ちなみに注目すべきは、「運営費を除いた全額を富士山を守るため、また富士山周辺の環境整備支援/青少年育成/不耕起農地再生のため、公共団体、公益団体 などに寄付致します。」

話が怪しくなってきました。「など」ってどこでしょうか?下手をすれば、これ、カルトの教祖様がイベントをやってるというだけではなく、カルトの資金集めイベントの可能性だってありえます。


不二阿祖山太神宮とは


さて、不二阿祖山太神宮とは、どんな宗教法人なのでしょうか。

これがホームページです。頭痛にならない自信がある人だけが、見てください(笑)。

image

「ご由緒」というページには、こんなことが書かれてます。

始原神であり唯一神、宇宙の創造神たる「富士太神(不二太神)」を祀る日本最古の神宮である。不二高天原の御世は、凡そ三百万年前から二百万年前、此の地で国常立天皇により興され、富士太神(不二太神)を皇祖皇大神宮 別祖太神宮に祀り、祭政一致の神都として繁栄していく。

300万年前から200万年前ですよ(笑)。われらホモサピエンスが出てきたのが20万年前。富士山がいまの場所で噴火し始めたのが数十万年前。安倍昭恵がらみの「日本最古の神社」を謳う新興カルト「弊立神宮」だって二万年の歴史しか主張していませんから、もうちょっと謙虚になれよと突っ込みたくなります(笑)。人類史も地質学も完全に覆すこの勢い、このモリモリ感、もはや完全にネタとしか思えません。よく考えれば、そもそも「不二阿祖山太神宮(ふじあそやまたいじんぐう)」というネーミング自体が、「富士」「阿蘇」「邪馬台国」をあわせた(以下略

ともあれ、日刊ゲンダイの取材に対して関係者は、「我々は神道の宗教法人でありカルト団体ではありません」と言っているのですから、ちょっと絶句してしまいますね。

で、不二阿祖山太神宮の「再建と意義」というページには、こんなことが書かれています。

不二阿祖山太神宮は、未来の子ども達へ素晴らしい地球を残し、世界平和を祈り続けるために最も重要で大切な太神宮でございます。

先ほど、同じような文章を見たこと覚えているでしょうか。そう、Fujisan地球フェスタの主旨にあった「未来の子ども達に争いのない美しい地球を残してあげたい」と全く同じ事を言っています。


Fujisan地球フェスタは政教分離を完全に逸脱した


ここまでくれば、Fujisan 地球フェスタは事実上、不二阿祖山太神宮の主催イベントであると多くの人が疑うのは当然でしょう。その決定的な証拠をお見せします。


昨年のFujisan地球フェスタWA2016の特別講演「富士王朝と高尾山古墳の謎」の動画です。大会実行委員長の渡邊政男と対談しているのは、『月刊ムー』の編集長、三上丈晴。三上氏は

不二阿祖山太神宮が復活したこのタイミングで、天皇が生前退位、何か始まったのかな

という発言をしています(3分ごろ)。これで、Fujisan地球フェスタは、不二阿祖山太神宮の宣伝イベントであることは確定しました。

問題の本質は、ここまであからさまなカルト集団の宣伝イベントを、ありとあらゆる官公庁が後援していることです。これは、宗教法人側の問題というよりむしろ、よく下調べもせず簡単に後援し国民の税金を使った政府側・政権側に責任があります。

日本国憲法第二十条には次のようにあります。

日本国憲法 第二〇条

一 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

三 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

日本国憲法 第八九条

公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

これが、いわゆる「政教分離原則」の憲法上の根拠です。Fujisan地球フェスタが政教分離原則を明らかに逸脱しています。

カルトの宣伝イベントを政府ぐるみで支援していた、この責任は追及される必要があるでしょう。そして国民の公金を使用している以上、ここで集まった資金が不二阿祖山太神宮へと流されていないか、Fujisan地球フェスタ実行委員会は国民に対して説明する義務があるはずです。


官公庁を動かしたのは、「最強忖度発生装置」安倍昭恵首相夫人?


いかにもアレな新興宗教がらみのイベントを、なぜあらゆる省庁や地方自治体が後援し、多くの政治家が顧問に参加するに至ったのでしょうか。彼らを動かしたものは一体何だったのでしょうか。

ここで、どうしても疑いの目を向けざるを得ない人間が一人います。「最強忖度発生装置」こと、安倍昭恵首相夫人・名誉会長です。

初回のFujisan地球フェスタ2014の実行委員会名簿の中には、安倍昭恵の名前はありません。

image

目につくのは。名誉会長の愛知和男、後援団体の外務省および日本会議でしょう。なお、日本会議は翌年の後援団体から消えています。

フェスタ2015になると、安倍昭恵が「第90代、96代、97代内閣総理大臣 First Lady」の肩書きで名誉会長に就任。それと同時に後援省庁の数が、内閣府以下、文部科学省|環境省|経済産業省|農林水産省|厚生労働省|防衛省|外務省|総務省|に急増し、顧問に就任した政治家も激増しています。

安倍昭恵夫人は同年、クラウドファンディング子ども達のために「FUJISAN地球フェスタWA2015」を開催したい!で応援メッセージを寄せています。

image

一番左側が教祖様=実行委員長の渡邊政男氏ですね。余談ですが、ここで昭恵夫人が手に持っているのは出口王仁三郎の耀椀だと思われます。

安倍昭恵氏のFacebookでは、2015年5月6日に不二阿祖山太神宮に参拝しています。

image

こうした一連の流れを見ると、やはり安倍昭恵首相夫人が名誉会長に就任し、内閣府の中から各省庁に圧力をかけ、このカルト集団の宣伝イベントのために、日本国憲法における政教分離の原則を捻じ曲げさせたというのが、最もありうるシナリオではないでしょうか。

ここで疑われているのは、カルトの影響を受けた一私人が、国会議員でも政府役人でもないのに、国政に不当な仕方で介入したという疑惑です。そうだとすれば、その介入を許した「最高責任者」である安倍晋三首相自身の責任も到底免れ得ません。

安倍晋三・昭恵夫妻には、偽証罪の縛りをかけられたうえで、国会で自身の潔白を証明する必要があるのではないでしょうか。



本ブログ記事は転載・拡散・印刷配布、完全に自由です。

引用元、筆者ともに明記の必要はありません。

どんどん広めていってください。


3 件のコメント:

  1. この宗教法人は明治以前から日本国との絡みがあって、その辺をもう少しお調べになってから訴えた方が良いかと思います。明恵夫人だけだとマスコミは動かないと思います。私はあまり騒がないほうが良いかと思います。逆に宣伝になってしまう可能性もありますので・・・。

    返信削除
  2. 水からの伝言、私も反対意見です。何故かといえば実験方法を他の人に公開せずに自分の土俵で結果を出しているからです。実験者の主観で凍るタイミングを作れてしまう。それを他の人が再現できないのは大きな問題だと思います。

    だからと言って言霊はないとは言いきれないと思います。別の実験方法ですが多くの人が実験結果をWEBサイトに公開しています。これを統計すると恐ろしいほどに言葉に反応している結果が現れます。統計はれっきとした実験結果です。こういう統計結果があることを軽視して疑似科学であると一言で否定してしまうことは、子供たちのなんでだろうという探求心や興味などをも否定してしまうことに繋がるのではないのでしょうか?

    言霊は日本に古くからある大切な言葉です。この言葉を疑似科学だと否定してしまうことの方が日本の古くからの伝統である国体をも否定してしまう大きな問題だと思います。蚊の研究をした子供凄いですよね。疑似科学を論ずる人は子供たちのそのような可能性を摘んでほしくないと私は思います。

    返信削除
  3. (ツイッターを見て)突然失礼します。
    今回の選挙、今の若い人向けには、ワンピースのドレスローザ編でつぶやいたりしたら分かりやすいかも?

    ドフラミンゴ(口先詐欺・武器商人)=サイコパス安倍
    本当は凄い力を秘めているのに!騙され、利用・搾取されるトンタッタ族=今までの日本人
    鳥かご=いろいろあり過ぎて、なんでしょうね・・・?

    ※ドレスローザ編の最後の、力を合わせた名も無い市民達がリク王に言うセリフが最高でした・・・

    みんなが気が付いて、力を合わせることができたなら・・・
    今度の選挙で「リク王」を選ぶことができれば良いのですが。

    ドレスローザ編が、安倍が「武器輸出三原則」をなし崩しにした後だったので、すごくタイミング良くって、印象に残っていました。

    突然、失礼致しました。

    返信削除