刑事コロンボ 意識の下の映像 | pandachioの好奇心ブログ

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(ネタバレしちゃってますけど、皆が知っているという前提でのお話です)

DVDにて視聴。このシリーズは安くていっぱい楽しめる。

ドクター・ケプルを演ずるロバート・カルプ、
刑事コロンボでの犯人役は3回も演っており、私の好きな役者さんである。

頭が良く繊細でスタイリッシュ、そして犯行は大胆なのに、妙に人間がセコくてちっちゃく、コロンボによって犯罪が暴かれると、急にオロオロしたり、変なんなっちゃったりする、ヒジョーに人間臭い芝居が絶妙なんである。

あと、「ガンオタ」ってところがね。
「指輪の爪あと」では、リボルバーの2丁拳銃撃ちを披露している。
(探偵業で2丁拳銃はどんな意味があるのか?)

本作のポイントは、下記の2点。
①サブリミナル効果。
②45/22コンバージョンキット (劇中ではバレル&チェンバーのみ)

①のサブリミナル効果は、何故こんな事が科学的に立証されないのか、いい加減かつ不思議に思う。まだ解明しきれていない、グレーな分野だ。

ケプル氏は、ノリス氏に商売女を仕掛けて、現場写真で揺すろうとしたが、逆に全てを暴露するとノリス氏に開き直られてしまった。

「指輪の爪あと」でも同じような展開でしたな。いつもこんな事やってんのかこの人。

そこでケプル氏はノリス氏の殺害を計画。持てるサブリミナル知識を悪用し、ついでにガンマニアの知識も悪用し、まんまとノリス氏を一人誘い出して殺害。

日本の放送業界でも「サブリミナル的表現」は自主規制しているとの事。
「万が一、やらかして何かあってはまずい」ということなのだろう。
平たく言えば、催眠術の一種なので、効果のある無しは個人差が激しくて分からん分野なのだろう。同様のことは、世の中いっぱいあるじゃない。
ということで、劇中では「サブリミナルはバッチリ効果があります」という前提で話が進み、何とコロンボもこの手法を用いて、まんまとケプルに白状させてしまう。

そして②
劇中で「口径変換機」と呼ばれているのは、ニッケルフィニッシュの45オート(この辺りがガンマニアである)のバレルに、マズル部から22口径のバレルを直接差し込みセットするというもの。

当然、22口径バレルにはチェンバーが加工されているはず。

想像するに、これは、「手先が器用でガンマニアのケブル氏」特製のワンオフものだと考えられる。

バレルを差し込んだだけじゃブローバック&連射は無理で、最初から「単発」設定だっただろう。

35年前のGun誌記事に、45/22コンバージョンキットの記事があった。
当然そこでは「刑事コロンボ」にも触れている。
本物のコンバージョンキットは、バレル&フローティングチェンバー&スライド&リコイルスプリング&マガジン等、ほとんど総取っ替え状態である。でないと実用にならないのだ。コンバージョンキット開発の目的は「ガバメントで安価な22LR用い、射撃を楽しむ」というものだった。

ケプル氏は、被害者ノリスを殺害する際、1発で決めている。
しかし、発砲の際に金色のケースが宙に舞っている。ブローバックしちゃったじゃん。

崩れ落ちるノリス氏の横をさっそうと通り過ぎるゴルゴ13のようなケプル氏。
今まで何人殺しているんだ?というくらい、手慣れた所作である。

殺人の後、ケプル氏は45オートの銃身から22口径のバレルを抜き取り、ランプシェードに隠して、45オート自体は堂々と部屋のガンラックに飾る。

「口径が違うんだから、凶器じゃないでしょ」という事が言いたいのである。

コロンボは銃が苦手だし、よくわからない。だから凶器そのものにつながる何かを見つけるために、ケプル氏をサブリミナル効果で罠にはめ、誘導した。

最初で述べた通り、ロバート・カルプは、犯罪がバレた時の演技が見ものである。

今回は、
①自分のサブリミナル理論をコロンボが熱心に勉強してくれたこと。(本もいっぱい読んでくれたよ!)
②そして、その理論を、ケプル氏自身を使って実証してくれたこと。

それが嬉しくて、最後に思わずヘラヘラと笑ってしまうのであった。



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