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【芸能・社会】

桑田佳祐、最後の「ひとり紅白」 熱唱4時間55曲、西城さん追悼も

2018年12月3日 紙面から

扇子を持って「世界の国からこんにちは」を歌う桑田佳祐=パシフィコ横浜で

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 サザンオールスターズの桑田佳祐(62)が11月29日と12月1、2日の3日間、横浜市のパシフィコ横浜で、エイズ啓発活動「Act Against AIDS(AAA)2018」の一環として「平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦」を開催した。桑田の「ひとり紅白」は5年ぶり3度目となるが、AAAが2020年7月にその役割を終えるのに伴い、今回で完結。数々の名場面と笑いを提供してきた伝説のライブが、惜しまれながら平成の終わりとともに幕を閉じた。

 紅組も白組も桑田がひとり全役をこなしながら、戦後間もない昭和20年代の名曲から平成を彩ったヒット曲までボリュームたっぷりに歌いつないでいく。日本の歌謡界の軌跡がつまった極上のエンターテインメント。それが「ひとり紅白」だ。ラストの今回も約4時間、ほぼノンストップで55曲を披露した。

 冒頭のVTRでピンク色の衣装を着て、ほおにマジックで線を書いた桑田が総合司会として登場「内村照代」と名乗った。続いて白組司会の「櫻井ジョー」と紅組司会の「広瀬ベル」がマネキンで登場。本家のNHK歌合戦を完全に意識した展開で選手宣誓が行われた。

 100曲以上の候補曲の中から桑田が曲目と曲順をセレクト。本編の終盤では、急性心不全のため今年63歳で死去した西城秀樹さんの名曲「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」を歌唱した。西城さんは95年8月にサザンが横浜・臨港パークで開催したライブで、謎の男としてオープニングアクトを飾ってもらうなど、桑田が最もリスペクトする一人だった。

 YMCAポーズをしながらファン5000人も大合唱。桑田がアルファベットの連呼を「M.O.M.O.K.O.」と変えるとバックバンドの演奏は、アニメ「ちびまる子ちゃん」のエンディング曲「100万年の幸せ!!」につながった。

 作者・さくらももこさんも今年8月、天に召された。さくらさんが書いた詞に桑田が曲をつけた同曲は、先月16日のさくらさんのお別れ会でも桑田が祭壇をバックに歌っている。スクリーンにはアニメの映像が流れ、ファンをほっこりさせた。

 大トリは紅組・美空ひばりさんの「愛燦燦」。桑田が高さ6メートルまでステージがせり上がると、炎の映像をバックに幅18メートルまで広がった衣装がまさに不死鳥のごとく真っ赤に染まった。

 さらに特別枠として和田アキ子にそっくりな巨大人形(高さ3.3メートル)が最後に登場。同じく巨大なアントニオ猪木と内田裕也の人形とステージ上で闘うカオスな展開の中、桑田が「和田アキ男」として「古い日記」を熱唱。バカバカしさ全開で桑田らしく締めくくった。AAAは2020年に活動を終了するが、最後に桑田は「また新たな扉を開いて皆さんに出会えることがあると思いますので、そのときはよろしくお願いします」とあいさつ。エイズに限らず、世界の様々な問題に音楽を通じてこれからも向き合っていく意向を示した。

◆サザンメンバーが登場 「お疲れさま」原が桑田をねぎらい

 途中、サザンのメンバー関口和之(62)、原由子(61)、松田弘(62)、野沢秀行(64)がサプライズ出演。ザ・ドリフターズの「8時だョ!全員集合」にならって色違いのハッピ姿でSMAPの「世界に一つだけの花」をリレー式に歌唱した。フィナーレにも再びステージに姿を見せ、原が「アクト・アゲインスト・エイズ、長い間お疲れさまでした」と桑田をねぎらい、花束をプレゼントした。

◆3回合計151組とりあげた

 第一回(2008年)、第二回(13年)、第三回と各回55組、合わせて151組の歌手をとりあげた。すべての回で歌ったのは、美空ひばりさんのほか坂本九さん、西城秀樹さん、内山田洋とクール・ファイブ、沢田研二、松任谷由実、中島みゆき。

 

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