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奈良はやっぱり「せんとくん」 使用料“無償”で商品続々
更新:2018/12/03 20:18
奈良県のご当地キャラクター「せんとくん」を使った商品がいま、続々と登場しています。イラストを使用する際のライセンス料を無料にしたところ、この4か月で使用申請が倍増しました。
「道路の舗装工事をしている工事現場なんですが、こんなところに『せんとくん』がいました」(大里奈々記者リポート)
奈良県内の工事現場。そこで使用されているコーンには、「せんとくん」のイラストが入っています。先月、発売されたUSB充電器にも「せんとくん」が。商品の名前は「コンせんとくん(1300円・税別)」。さらに奈良市の蜂蜜製造会社が先月発売した「せんとくん蜂蜜(1400円・税別)」のラベルにも。
「せんとくんはみなさんよくご存知ですし、奈良というのが一目でわかるので。奈良県にある会社としては、大きなチャンスじゃないか」(やまと蜂蜜 鳥居尚子代表取締役)
「せんとくん」は8年前の平城遷都1300年を記念して製作され、その見た目から一躍有名になりました。しかし、時間が経つにつれその人気も陰りを見せ始め、県の収入源となる「せんとくん」のイラスト使用の申請数は年々減少していました。
そこで県は今年8月、「せんとくん」のイラストの使用料を3%から無料にしたのです。利用可能なポーズは3つ増やして26種類。するとこの4か月で申請数は一気に増え、昨年度の7割近くに達しました。
「使用料収入は入ってこないけど、どんどん使ってもらいやすくして、露出を高めていくという方向に展開していこうかなと」(奈良県観光局 野田康彦さん)
同じく使用料無料のご当地キャラクターといえば、熊本県のくまモンです。県は今年度、くまモンに約3億円の宣伝費をかけていますが、使用料は無料です。このためか、わずか1年で「ゆるキャラグランプリ」で1位に輝きました。
一方、「せんとくん」の年間予算は1035万円です。メンテナンス費や人件費のみで、宣伝には一切費用をかけていません。イラスト使用料はピーク時に年間700万円ほどありましたが、県の担当者は「無料にしても奈良県を十分PRすることができる」と話します。
「せんとくんが奈良県を宣伝してくれてるので、そういう力を持ってるんで、それを今後も活用していけたら。無償化というのは我々の戦略として、いまのところうまくいってるかなと」(奈良県観光局 野田康彦さん)
にわかに忙しくなった「せんとくん」。活躍の場はさらに広がりをみせそうです。