接点と重解

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y=f(x)とy=g(x)のグラフがx=aで接するとき、f(a)=g(a)と、f'(a)=g'(a)が成り立つ。
接するのだからf(a)=g(a)は明らかである。f'(a)とg'(a)は、其々aに於けるf(a)とg(a)の接線の傾きを示すので、これも一致しなければならない(x=aで交わる場合は、f'(a)≠g'(a)となる)。
このとき、方程式f(x)=g(x)は、重解x=aを持つ。この事は、以下のように証明される。まず、方程式f(x)=g(x)を(x-a)^2で割った時の商をq(x)、余りをmx+nと置く(1)。このmx+nが0になる事を示せばよい。

(1)は、xが何でも成り立つ恒等式として置いたのだから、x=aでも成り立つ。
代入すると、f(a)=g(a)より、ma+n=0となる。

次に、(1)の両辺をxで微分する。(2)も、xが何でも成り立つ恒等式となる。右辺は積の微分公式を用いる。
x=aを代入すると、m=0であることが分かる。従って、n=0となり、mx+n=0が確かめられた。

xy平面の曲線C:xy^2=4上の点P_0(x_0、y_0)におけるCの接線とCとの共有点のうち、P_0と異なるものをP_1(x_1、y_1)とする。P_1の座標をy_0を用いて表せ(2007年東大、一部抜粋)。

xy^2=4のP_0での接線は、図のような式になる(陰関数の微分などで求める)。

この場合、xy^2=4をy=f(x)、この接線をy=g(x)と考えると、方程式f(x)=g(x)は、x=x_0の重解を持つ。
この方程式を作るため、接線の方のyをxy^2=4に代入してxの次数で揃えると、以下のようになる。

これは、(x-x_0)^2で割り切れるはずだから、組立除法で割ってみる。

従って、方程式は以下のように置け、重解以外の解が求められ、P_1の座標をy_0で示すことが出来た(P_1のy座標は図から分かるとおり負となっている)。