朝鮮日報

脱原発派の文大統領がチェコで原発売り込み、現地の反応は?

 現在、チェコ政府はドコバニとテメリンにいずれも1000メガワットクラスの原発1-2基を建設する計画を進めている。事業規模は21兆ウォン(約2兆1000億円)だ。チェコ政府は敷地の選定をすでに終えているが、現時点で具体的な計画は発表していない。韓国産業通商資源部(省に相当、以下同じ)の関係者は「早くても来年末ごろに事業者選定が行われるだろう」との見通しを示した。

 チェコ原発は韓国電力の子会社で発電所運営会社の韓国水力原子力をはじめ、米国、フランス、ロシア、中国の企業が受注競争を繰り広げている。韓国国内の原発業界は受注競争の現状について「ロシアが一歩リードしている」とみているが、その一方でチェコはロシアの影響下から抜け出すため、米国を選択する可能性もささやかれている。韓国政府はその隙に食い込む考えだ。韓国政府関係者はチェコ原発の受注について「1カ月前から突然関心を持つようになった」「当初はロシアが最も有力と考えていたが、ロシアと欧州連合(EU)の関係が悪化しているため、韓国にも可能性があると判断した」と説明した。

 チェコ原発に先立ち韓国が進めている英国とサウジアラビアの原発受注プロジェクトは苦戦が続いており、それに伴う韓国国内の原発業界からの反発が強まっていることも、文大統領のチェコ訪問を後押ししたようだ。現在、サウジアラビアは石油に対する依存度を下げるため、2030年までに1400メガワットクラスの原発2基を建設する計画だ。韓国電力は米国、中国、フランス、ロシアなど各国の原発事業者と共に候補に選定され受注競争を繰り広げている。また韓国電力の受注が有力視されていた英国ムーサイド原発は事業者の選定が来年初めまで中断した状態だ。しかし東芝による英国の原発子会社NuGenの売却交渉が進まないため、東芝が今月初めに同社の解散を発表したことから、英国政府は事業者選定を最初から始めなければならなくなった。

プラハ=鄭佑相(チョン・ウサン)記者 , 全洙竜(チョン・スヨン)記者
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