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2018年12月2日 紙面から
劇的残留に喜びを爆発させるサポーター=パロマ瑞穂スタジアムで(木戸佑撮影)
地獄から天国へ、奇跡の生還だ。各地で行われた最終節、名古屋グランパスはホームで湘南と2-2で引き分けた。前節のまま16位でJ1参入プレーオフに回ることが確定と思われた試合後、磐田が川崎に1-2でまさかの逆転負け。磐田が16位に落ち、名古屋は15位に浮上してJ1残留が決まった。
試合終了を告げる笛が鳴った。午後3時52分。勝てばJ1残留が決まる最終節、グランパスは2-2のドローに終わった。J2との入れ替え戦進出を覚悟した選手たちはぼう然とピッチに立ち尽くしていた。
ここからドラマが起きた。ゴール裏のグランパスサポーターの一部が、ざわざわざわと騒がしい。異変を感じ取ったFW玉田は「携帯で(他会場の結果を)見ようとしたんですけど、たくさんの人が見ていてなかなか見られなくて…。何が何だかよく分からなかった」。選手たちも状況を把握できず、右往左往した。
徐々に歓声のボリュームが上がり、超満員のスタジアム全体へ広がっていく。詳しい状況は分からずとも、選手たちも吉兆を感じた。同時刻開催の磐田が終了間際の失点で敗れ、グランパスが得失点差で上回った。場内アナウンスで「J1残留」が知らされると、ベンチ周辺にいた選手たちは喜びを爆発させた。
24年ぶりの8連敗など、苦しんだ今季を象徴するような試合だった。前半は2年前にパロマ瑞穂の最終節・湘南戦でJ2降格を喫したときと同じ0ー2。後半は22、30分にFWジョーがPKを沈めて同点。他会場の結果を知らない選手たちは、勝ち点3を目指して攻め続けた。
最後は運を味方にしての薄氷の残留。風間八宏監督(57)は「とにかく(点を)取りにいけ、試合に勝つんだということを言い続けた。最後追いついたことで、神様がご褒美くれたのかなと思いました」と胸をなで下ろした。
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