2018年12月01日 07:30 - 08:00

サワコの朝【ビートたけし】

ビートたけし▽5年ぶりの登場!マルチな才能で輝き続けるたけしさんが、今一番力をいれているジャンルは“小説"サワコだからこそ話してしまう貴重なトークも満載です! ゲストは番組100回記念以来、5年ぶりの登場となるビートたけしさん。俳優、映画監督、画家などマルチな才能に加え、今一番力をいれているジャンルは“小説"。実はこれまで100冊以上の著書を発行。ですが又吉直樹さんの芥川賞受賞に刺激され、口述筆記から自分で文章を書くスタイルに変更。2017年初の恋愛小説『アナログ』を出版、『キャバレー』『ゴンちゃん、またね。』『フランス座(12月出版予定)』など次々と世 に送り出しています。 今は時間さえあれば、ずっと小説を書くたけしさん。そもそも、なぜ小説を書くようになったのか。その好奇心の源とは? ほかにも“映画監督"という職に興味を抱くきっかけになった大島渚監督とのエピソードをはじめ、思い通りに撮れなかった時のたけし流対処法や新しい事務所になってからの驚きのエピソードも告白。 たけしさんがサワコだからこそ話してしまう貴重なトークも満載です。お楽しみに!   【司会】 阿川佐和子 【ゲスト】 ビートたけし 【番組テーマ曲】 「Tea for Two(二人でお茶を)」歌:ドリス・デイ   【解説放送あり】 ◇番組HP http://www.mbs.jp/sawako/   【製作】MBS TBS 【制作協力】TBSビジョン   番組の内容と放送時間は変更になる場合があります。 阿川佐和子 / ビートたけし

阿川おはようございます。阿川佐和子です。
今日のゲストは 当番組 2回目のご出演になるのですが
直木賞寸前っていうか まだ候補にもなってないんですけどね。
小説家のビートたけしさんにおいでいただいております。
拍手
どうも。
どうも。
次々に 作品を発表されて。
いやいや もう。
急にね あの~時間の使い方を覚えたっていうか。
テレビ ただ見てるよりは なんかやってた方がいいなというふうに。
全部で スタッフが調査したところ今まで
たけしさんの著作 本が100冊ぐらいになってるんですが。
すごいですね。ほとんど 80冊ぐらいは
人が書いたんじゃないですかね。
まあ でも
おしゃべりになってね それを…。
で それ買って 俺 読んで
笑ったことあるもん。これ 面白れぇなって。
面白れぇなって。
俺 「ダンカン ばかやろう」なんて
言ったことねぇんだけどっていう。(スタッフ)あははっ!
ナレーション今日のゲストは
岩城殺したの てめぇだろ?
芸人にとどまらず
俳優 映画監督
更には 画家など
多彩な才能を発揮してきたたけしさんですが 実は
文筆家としての実績も目覚ましく
これまでに100作品以上の著書を出版!
そんなたけしさんが 今
最も情熱を注いでいるのが小説。
今年に入って 文芸誌で「キャバレー」を発表すると
「ゴンちゃん、 またね。」「フランス座」と
立て続けに3本の小説を書き上げました。
たけしさんは なぜ 今 小説に力を入れているのでしょうか?
くんねぇかなと思って?
今日は 70歳を過ぎてなお
新しい挑戦をやめないたけしさんの好奇心に迫ります!
♪~
今日は いつもと座りが逆なんですけども これは
前回も そうでしたが たけしさん漫才をやってらした時が
こちらなんですね。
こう マイクがあって
あの~ 漫才は こう並ぶでしょ?
これが逆だとしゃべれなくなるんですよ。
そういうもんなんですね?
うん。 だから あの…
島田洋七とあの~ 会って話す時に
お互い こっちなんですよ。で 席の取り合いなんですよ。
俺が こっちだって。 だから最後 端に固まってって。
2人で どんどん どんどん…。
広い店なのに こうやって。
こうじゃなきゃ駄目なんですよ。
こっちに 人がいないと
しゃべりにくい…。
たけしこういう感じなんですよ。
だから みんながいてもやっぱり こっちなんですよ。
こう見ないと駄目なんです。これで 逆になると
しゃべれないんですよ。
ほう~。
で あの~ ツービートの頃は初め こうだったんですよ。
そのうち だんだん だんだん俺が マイクの中央に出て
きよしさんが 俺の頭越しにつっこむようになった。
後ろで?
この辺から来て
お前は背後霊かっつったことあるんだ。
ふふふっ…。 まあ それでそういうことになっておりますが。
まずは2曲 選んでいただいている1曲
今でも記憶に残っている曲を…。
ああ~ あのね
「田園」ってね 玉置浩二さんの「田園」っていうのがあるんだけど。
これは もう 完全に あの~
俺が バイク事故でね死にかけた時にね
やっと助かって 仕事がほとんど駄目だな こいつって
言われる頃にね これ聴いててこの歌詞でね
「それでいいんだ」とか「生きていくんだ」とか
それを聴きながら 仕事をしてて
それで ベネチアへ行って映画の賞をもらう時も…。
「HANA-BI」ですね。
ずっと 「HANA-BI」当たる時も
あの時もずっと ベネチアで聴いてたの。
あっ そうなんですか。
うん。 だから この歌…
歌うわけでもないんだけどちょっと励まされるっていうかね
いいんだ これでって。
聴いていると 安心するっていうか。
まあ所詮 こんなもんだっていうかね。
だから 玉置浩二さん自体がねあの状態だから。
別に あの~ あの人に影響されたわけじゃないんだけど。
♪~
♪~
♪~
♪~
んん~。 ねっ。最後の方は 「生きていくんだ」って。
最近は あの~「酒があるんだ これでいいんだ
ホッピー 飲みゃあいいんだ焼酎もあるし」っていう。
あははっ。
絶対 手 離さないという。
ただ飲んでるだけ。「♪ これがいいんだ」。
元気になってよかったですねたけしさんね。 ふふふっ。
ちょうど だってその「HANA-BI」を作られた頃に
ケガをされたあと絵を描きはじめたのも
そのころですよね? たけしさん。
そう。 あの~
脳検査したりなんかしてさ
で 右の脳が損傷してるって言われて
手術するか しないかって言ってるわけ。
で 承諾書があるのね。で 手術しますって
書けって言うからやだって言ったの。 うん。
もし 脳で 自分の感覚やなんかが狂ったら
それが自分の人生だから嫌だったの。
うん。 それで もしかすると
脳が損傷してるってことは
なんか 新しい こっちの脳がカバーしたりなんかして
なんか違うんじゃないかっていうんで 絵…。
ゴッホなんか ちょっと 俺ゴッホの絵が好きで
ああいう感じになるかなと思って描いてみたら
まるっきり駄目で。
ふふっ…。
ひまわりの絵を描いたらなんだか わかんなくなって。
そうじゃないな あれはっていう。
脳のいい影響は出なかったんですね?
ゴッホはそういう問題じゃないね やっぱし。
あとで しばらく悩んだのは
ここに 自分がいるけどこれは本当なのか
現実なのかっていうことなんだよね。
病院に入ったことは間違いなくて危篤状態だから。
それで 俺は 本当は 今 ここにこう 阿川さんといるけれども
本当は もう 死んでて
違う世界で その宇宙で阿川さんと対談してるのか
っていうことを考えちゃったり…。
今でもですか?
うん。 朝 起きる時にちょっと怖い時あるじゃん。
目 覚めたら 病院のベッドの変なライトがあるわけ
開けた時に。 あれが見えたらどうしようとかさ。
こうやって こうやって。
そこで 現実に戻るんじゃないかと。
ずっと 俺は病院にいたんだっていう。
不安ですか? それは。恐怖ですか?
不安でもないんだけどね。これも また 楽しいや
って思ってるんだけど。
楽しいやと思って。
遠藤若い頃 見過ごしていたことに気付く。
特別なごちそうより毎日のごはんの美味しさに気付く。
何気ない所作に隠れていた美しさに気付く。
いつもの道具の中の細やかな思いやりに気付く。
ヒトも モノも この国の暮らしは本当に美しい価値あるモノにあふれてる。
その価値が分かること。
大人になるって そういうこと。
ナレーターおかえりなさい。 ニッポンの家電へ。
パナソニック 「Jコンセプト」
ただいま!
そもそも その ご自分で小説を書こうと思った動機は
なんでらしたんですか?
書こうと思ったのはね
あまりにも いろいろ小説 出してるの その前に。
昔 実は…。
昔は もう…。
ほんとに ご自分で書いた小説。
「浅草キッド」とか
小説になったけどあれは 口述筆記なのね。
それが 口述筆記。
それで こう テープで
テープ起こしの人が来て
「これです」と こう読んで
「こんなこと言ったの? 俺。面白いね」とか言ってるんだけど
こりゃ駄目だっていう。
この表現は おかしいと思ったことがあるから
自分で やっぱり書かなきゃ駄目だなと思って。
じゃあ 昔から もともとやっぱり いっぱい
小説を出してらしたけども 自分で書かなきゃいけないなという。
それは もう やっぱりね あの~
何がいいったってさ又吉が なんか 芥川賞か。
俺もなんか くんねぇかなと思ってさ。
くんねぇかなと思って?
うん。 そうすると あの~
また コントがやりやすいのよ。文豪のコントっつって
「ああ~」とか言って パッとやって。
賞を取っといて
正真正銘の物書きという肩書を取っとけば…。
だから 映画監督のコントうまいもん 俺。
映画監督になられたのもコントを ちゃんと
リアルにするためだったんですか?
映画監督は
大島渚さんに 映画に誘われて。
坂本龍一と呼ばれたんだけど
デヴィッドボウイも来るっていうから。
で 坂本龍一ちゃんも俺も素人じゃない?
で 「どうする?すごい怒るらしいよ」っつって。
怒ったらやめるっつって帰るって 一筆 書かせろって。
大島さん 書いて絶対 怒りませんっつって。
怒られるの嫌いなんですか?たけしさん。
怒られるの大嫌いだもん。
ふふふっ…。
「なんだ!?」なんてどなるの有名だから。
で 行ったの。 そしたらその… 俺らに向かって
怒れない大島さんのイライラが他人に当たるわけ。
それが面白いのよ。「なんだ? この…
このイモリは なんだ!?」とかさ「どこのプロダクションだ!?」って
わからないよ。それを見て おかしくて。
それで 監督って面白いなと思って。
大島渚さんの様子を見てて
おかしくて。
こりゃ面白い。 それで
こういうコップいい。これ撮るぞ これを撮るぞ。
カメラまわして「用意 スタート」って言って
これに スタートっつったってこれ 演技するわけないじゃない。
「用意… いいか? スタート!
カット!」ってこれは なんにも…。
うなっちゃってるんだもん「んん~…」って。
あははっ!
で 自分のうなり声を
本人が気がついてないからカメラマンがいて 音声さんがいて
「用意 スタート。 んん~…」。
で 音声さんが 「カット」。「なんだい?」
「あの~ 誰か うなってます」「誰だ!? うなってるのは。
非常識だぞ ばかやろう!映画の現場だぞ!」って。
「もう一回 すみません もう一回」「用意 スタート。
んん~…」。 お前じゃないかって。(スタッフ)あははっ!
お前だよって。
ふふふっ!
たけしだけど…。
あと でも 役者さんに こう
なんていうか 自分の思いどおりに動かないとか…。
それはね もうね 諦める。
黒澤さん… 黒澤和子さんって衣装さんがいるんだけど
娘さんなのね 黒澤さんの。
明さんのね。
それで 俺の映画も衣装やってくれるんだけど
いつもそばに付いててくれるの。
そうすると 「黒澤監督はこういう時 どうしてんの?」
って言ったら「うちのお父さんですか?」
「うん。 どうしてるの?」「ああ 相手が 役者なんか
どうでもいいって思うまで追い込みます」って言うから
えっ そんなすごいことすんの?っていう。
そうすると 松村達雄さんなんか
「まあだだよ」って映画かな出た時に
メイクで白髪だったのに1週間後には
ノーメイクで白髪に…あまりにも苦労させられたもんで。
苦労させられて。
たけしうん。 で 俺の場合は
役者さんが…すみません こうしてください。
いや その表情じゃなくてって言わずに
ちょっと 勘弁してくださいよって言葉が
この顔が気に入らないと勘弁してくださいよって
こっちの方にじゃなくてこっちから撮るの。
そしたら 勘弁してくださいよって俺が言ってることを
聞いてる相手の顔が… 映すと
人間は 想像力があるからほんとに
困ったな この人っていう演技をしてると思う。
そういう逃げが俺 うまいね 結構。
うまいんですね。
そんなことばっかりやってる。
♪~
野村さん私たち 松下幸之助商学院48期生 17人は今日 無事に修業の日を迎えました。
《僕が電器屋を 育てる学校に入ったのはひとり店を守り続けてきた父に憧れたからだ》
《電球一個の交換でも 使い方の相談でも電話ひとつで 駆けつける》
《誰よりも丁寧な仕事で街の皆さんから必要とされる》
2人ありがとう!
《僕も この仕事に人生をかけたい》
《そんな気持ちで この一年 学んできた》
これから 私がやらなければならない事は父が 今まで残してくださった店をこれまで以上に 繁栄させる事でありこれこそが 親孝行だと思っています。
修業者代表 野村昭太。
ただいま。
でも これだけ たくさん映画を撮って フランスでも
大絶賛になると
ずっと 映画監督を続けられるのかなと思ったら…。
たけしまあ 今 小説やってるでしょ?
で そのうちの何本かは 映画にまた持って やろうかなと思って。
まあ~ 上手な生産体制で。
計算高いんだから。
あははっ!
新しい事務所でも。
新しい事務所をやってね
これほどね 俺はね あの…まあ 自分の会社だけど
前のもね。 これほどねパーセンテージ取られてるとは
思わなかったね。
あははっ。
夢のようだね このマージンがない世界というのは。
あははっ! 今? 現在。もう 全部 自分の。
もう… もう 月に1本やりゃいいやこれって思うもんね。
そんなにシャカリキに働かなくてもね。
だけどね 月に1本じゃねもう やることないしさ。
暇になっちゃう?
ちゃんと レギュラーを
やっといた方がいいなって。どうせ レギュラーも あの~
なくなるんだからくたばれば。 うん。
でも きれいに消滅するのがいちばんいいでしょ?
自分の意思で この仕事をやるやらないは ちょっとね。
関係ないですか?
うん。 まあ 動く…
やれるうちはね。
ほう~。
とにかくね あの~なんつっても
お笑いが好きなんでね お笑いが。
やっぱり 原点は
お笑いなんですか。
お笑いのために
ほんとに 偉くなりたいわけ!
えっ?
だって 偉い人って面白いじゃない 失敗したら。
あっ はい。
だから もう チャップリンと同じで
あの~ 浮浪者が バナナで滑っても悲しいだけだけど
大社長とか 偉い人が滑って倒れるのは
それは おかしいでしょっていう。
そうか。 お笑い芸人がおかしいことをしても
当然だと みんな 思っちゃうと。
だから
肩書だけ偉くなりたいっていう。
実質は どうでもよくて。
中身は いいんですね。
中身は どうでもいい。要するに
映画監督の… 監督コントでよく 「用意!」とかいう。
でも 俺 監督だから絶対おかしいんだよ。
それで 細かいこと知ってるから。
ものまねじゃないわけですね。
そうするとね あの~ ピアノも
ピアニストまではもう 今更 いかないけども
ある程度のピアノが弾けるぐらいまでやって
初めて ピアノのコントができるかなとか。
そういうのをやりたいのよ。どうせ コントをやるんだったら
本物をやりたいっていうかね。
だから おかしいんだっていうのを思ってるんですけどね。 あははっ。
はあ~。なんでもやりたくなるんですね。
なんでもやる。
たけしさんって ちっちゃい頃から
そういう おかしいことは脳に こう インプットされて…。
そう いつもね あの~紙芝居やなんか見てね
紙芝居屋さんに怒られたりね。
あの~「浦島太郎」かなんか あめなめて
「浦島太郎は 竜宮城に行ってそれは すばらしい
乙姫様の舞 踊り絵にも描けない美しさ」
「絵に描いてあるじゃん」。
あははっ!
「紙芝居で 絵に描いてあるじゃないか」って言ったら
「うるせぇ!向こう行け この野郎」って。
そう言ってたんですか?紙芝居屋さんに向かって。
うん。 あと深澤さんと ラジオやってて
ジャイアンツファンで野球中継 連れていかれて
「今日は 解説者にビートたけしさんです」って。
で 3番 王 カ~ン! 「打った!大きい 大きい! 大きい!
ライトは? ライト! 取るか?取るか? ライト! ライト!」
「もう 入ってるじゃねぇか」って言ったら
「やめてください」って。
あっ 言っちゃいけない?
ラジオなんだから盛り上げなきゃって。
「いや 打った瞬間 もう入ってるじゃない」って。
ライト バックなんかしてないし後ろ見てるよ。
「ライトは 取ったか 取ったか?」「取ってないよ」って言ったら
「入ったよ」って言ったら深澤さんが
「たけしさん ラジオはラジオのやり方があって
聞いてる人が盛り上がるんですから」って言って。
「柴田 セカンド回ってサード! サードからホーム!
タッチ アウトかセーフか!?」って「アウトって言ってるじゃねぇか」
って言ったら 「いやちょっと お願いしますよ」って。
もうちょっとねばってくださいっていう。
そういうの いっぱい覚えてるんですね。 でも 今
ものすごい短期間に 一気に
書くことに夢中になられているのを…。
たけしだから よく考えたら
映画の脚本はあるじゃない。
はい。
脚本は 全部 俺の映画ってだいたい 自分が書くんで
そうすると 映画の脚本と小説の違いっていうのは あの~
脚本はディテールが書いてなくて
車が こう行くとこをカメラが こう パンすると
それでいいんだよね。
情景描写…。
移動… 車の走りを
移動 パンして撮るっていうふうに書いときゃいいよ。
そうか。そうすれば A地点からB地点に
主人公は移ったんだなってことがわかると。
ところが小説は それがないから あの~
まだ 冬の寒さをあの~ 残している
外気にさらされ 車のキーを取りエンジンを掛けて
枯れ葉がまだ残っている国道何号を
ラジオをつけながら走っている… とか
じゃ~っと書くでしょ。
歩道が ぬれているとかね。
そうすると たかが5秒の1カット5秒のカメラが
あの~ 小説にすると2ページになるのね。
ただ それだけのことで。ただ その5秒の表現が
ああ 小説家のうまさなんだってのは わかるんだけど。
書いてみて わかった?
うん。
でも この まあゴンちゃんもそうだし
キャバレーやフランス座のものは
もう なんていうかな その
情景描写っていうものを
すっ飛ばして…。
たけしそうそうそう。
場面とか テンポがぽんぽんぽんぽんって こう いく。
あれは もう 漫才と同じだね。
はあ~。
「どうも なんとかです。 こないだ今あれやってまして大変ですね。
大谷なんて…。しかし まあ ホッケーも…」とか
「バスケットが今 始まりました」って
さっきの話 どこ行った?っつって。 漫才って もう
2~3分の間に話 ジャンジャン変えちゃうから。
場面も変えちゃうんですね。
それで
聞いてる方はそれで ついてくるし
小説も話が飛んでも ついてくるから。
ついてくると 勘違いしてるのかもわかんないけどね。
だけど 漫才のやり方をすると
あの~ 小説は その手法でも
丁寧じゃなくても大丈夫っていうか
エッセンスだけでずっと やっていって
あの~その 情景描写が だらだらと
一体 あんた 何を言いたいんだよっていうような本があるじゃない。
あの~ それはぶち破ろうと思ってるけどね。
あっ ぶち破ろうと 意識的に思ってらっしゃったんですか。
まあ 結局はそれしかできないっていうか
そっちの方面の優れた作品を
残す能力が 全然ないんでそれを壊すような能力は
あるかなっていうことで。あの~ 壊すことは
実は創ることだということになるんで。
新しい芥川賞作家が生まれるのかな?
言うことは すごいでしょ?
うん。 ふふふっ。
破壊は 創造の親だって。
ふふふっ!
何を言ってるんだかよくわかんないって。 それは
お笑いの感覚でやっちゃうけども。小説… だから
小説ってのは あの~批判されると悲しいっていうか
がっくりしちゃうんだよね。あの~
文体が どうのこうのとか文の構成能力が…
なんて言われるとねぇよって。 うん。
でも もう一つは その 今度本になる「フランス座」の中で
やっぱり たけしさんのその 浅草時代のお話は
断片的には時々 伺ったりしてたけれども
なんともいえず こう
ああ そういう場所と時代があったんだなっていう。
もう フランス座の時はね
かわいそうな人がいっぱいいてね。
踊りを踊りたいタップを踊りたいの。
で 劇場がない。じゃあ 裸になんなきゃ駄目だと。
もう 泣きながらねほんとは 踊りが好きで
踊りたいんだけど…。
ダンサーになりたいのに。
ダンサーをやりたいんだけどストリッパーをやんなきゃ
雇ってもらえないんでもう 生き生きとする曲で
タカタカ タカタカ踊るわけ。それで スローな音楽に変わって
ライトが変わると 脱ぐわけ。そういう時の
悲しそうな顔がねたまんなかったね。
この人は踊りたくて来てんだっていうかね。
んん~ でも やっぱりどっち選ぶかっていったら
やっぱり 裸になっても自分は 舞台で踊りたい
って感じが出ててね。 うん…。
だから その俺が 「ねえさん 踊りうまいね」
っつったら うれしそうな顔するのまた。 うん。
「最近 もう 年で 体動かないのよ」とか言いながらもね
うまいの やっぱり。 うん。
たけちゃんは可愛がられてたんですね
フランス座で。
あの~ ご飯だけは
昔の風習で お弁当を作ってきてくれたりなんかする人がいるの。
それが7人ぐらい 作ってきちゃうのよ。
可愛いから モテたんじゃないか!
で 「たけ~」って言うと
「はい」って言うと「お弁当 食べな」って。
作ってきてくださるんですね。
「私も作ってきちゃったよ」
って言ったら「食べますよ」って 全部 食って
もう こんなんなっちゃって。
あははっ!
強烈な時代だったからこそやっぱり 物語になるところも
あるんですね。
たけし今は もうね
あの~ そういうとこがなくなっちゃったから。
あと弟子自体がいないからね 今は。
あの~ 劇場が…
プロダクションが学校やってるから 養成所って。
で あれは 勉強するところじゃないんだけどなって思うんだけど。
んん~。
働きながら
100円でももらったら芸人だし。
だからやめないで 頑張ってるんだけど。
お金払って芸習うってねなんだ? っていう。
ほう~。まあ お話は尽きないのですが
そろそろ 2曲目を伺わなければいけない時間になりました。
「今、 心に響く曲」。
今 これはね… んんっ
「恋の十字路」っていう欧陽菲菲の歌なんだけど
これはね キャバレーを映画化しようとした時に
キャバレー歌手がこの歌を歌ってほしかったのね。
小説に出てきましたよね。
うん これが キャバレーらしいの。
はあ~。
だから キャバレーのオープニングの
影マイクで ええ~「恋の十字路」って言った瞬間に
ライトが こう回ってわあ~っと カーテンが
こう開いてキラキラの衣装を着た
欧陽菲菲みたいなのがこの歌を歌って 映画が始まって
そこに あの~ ボディーガードのヤクザが座ってて
こっちに 酔っ払いがこんなことやってると
つまみ出したりなんかしてる感じだったんだけど。
それで ずっと聴いてたの。
はあ~。
♪~
♪~
♪~
♪~
すごい古い歌だね。
ふふふっ。
こういう歌が 俺 好きでね。
それも 浅草時代に?
浅草時代に…。
聴いてらしたんですか?
聴いてたね。あの~ 結構 踊り子さんがね
オープニングで使う曲が結構 いいのあるんだよね。
はあ~。だいたい 執筆は夜中ですか?
そう。 テレビは二重… 日本語が出てくる
外国の番組なら見て。見てないんだけど
ワープロやってて。
えっ そんな音が入ってても
集中できるんですか?
印象深いとこだけ見て
ああ ヒトラーそうだったんだ。で また こうやって…。
なんか ついてないと駄目なんですながら族だから。
で 夜中ずっと夢中になって書いて
明け方 寝るという…。
だいたいね
5時か6時に寝て12時に起きて
仕事へ行くとちょうど 番組があるから。
いちばん困るのは あの~ゴルフ行こうって言われると…。
ゴルフの時は?
いや そのまま行っちゃうの。
あっ 寝ないで?
寝ないで。
もう ふらふら。
あははっ!
帰りの車なんかで気絶してるもん。俺 何やってたんだと思って。
一同あははっ!