54年の歴史に幕 黒部ダムのトロリーバス
更新 sty1811300013黒部ダム駅(富山県立山町)と扇沢駅(長野県大町市)の約6キロを結ぶ関電トンネルトロリーバスが30日、運行を終え、54年の歴史に幕を閉じた。両駅には大勢のファンらが集まり、「トロバス」の愛称で親しまれたグレーの車体との別れを惜しんだ。
トロバスは1964年8月、運転を始めた。見た目はバスだが、「無軌条電車」に分類される鉄道の一種で、毎年4月中旬から11月末まで運行。
累計6162万人を運び、無事故だったが、老朽化や維持費高のため廃止し、来年から電気バスに切り替える。
最終運行を迎えた今年は、映画「黒部の太陽」に絡むイベントなどもあり、昨年同期比約11万人増の約104万7千人が訪れた。
最終便を運転した蟹沢秀人さん(60)は「最後のアナウンスをしたら拍手が起き、泣いてしまいそうだった。もう少し乗っていたかった」と名残を惜しんだ。