長野の関電トロリーバス、歴史に幕=立山黒部で半世紀、EVに
2018年12月01日 16時25分 時事通信
2018年12月01日 16時25分 時事通信
2018年11月30日 19時35分 時事通信
北アルプスを貫く山岳観光路「立山黒部アルペンルート」で、架線から電力供給を受けて道路を走る「関電トンネルトロリーバス」が30日、54年の歴史に幕を下ろした。老朽化などが理由で、来年4月からは電気バスに姿を変える。
関西電力黒四管理事務所が運行し、1964年に営業を開始した。アルペンルートの長野県側で、関電トンネル5.4キロを含む6.1キロを16分で走行。外観はバスのようだが、法令上は鉄道に分類される。中部山岳国立公園内にあるため、排ガスを出さない環境に配慮したトロリーバスが採用され、これまで6162万人が利用した。
93~96年に導入した15台が運行していたが、車体が老朽化したほか、維持管理などのコストを考慮し、廃止が決まった。後継は、電気自動車(EV)タイプのバスを利用する。
日本のトロリーバスはこれで、同じ立山黒部アルペンルートの一部を走る立山黒部貫光のトロリーバスのみになる。
黒部ダム駅で開かれたラストラン出発式で、黒四管理事務所の村田直樹所長は「先輩方から受け継いできた無事故運行が全うでき、大きな達成感を感じている」とあいさつ。乗車した京都府長岡京市の伊藤公一さん(48)は「鉄道技術を集めて作ったもので、ラストランに立ち会えることは幸せで語り継ぎたい」と話した。 【時事通信社】