ドイツのマックス・プランク理論物理研究所からやって来たセルゲイ・プラフIBS研究機関長は、最近「大型ITコンピューター・クラスタ」を構築するため、スーパーコンピューターの申請を行ったところ、政府から「それがあなたの研究のどこに、どのように、なぜ必要なのか細かく説明し、証拠資料を提出せよ」との返答があった。プラフ機関長は「政府が全面的に支援すると約束したため、2014年に韓国にやって来たが、予算は毎年削減され、おまけに政府の干渉がひど過ぎる」と眉間にしわを寄せる。IBSのキム・ドゥチョル院長は「当初は良い条件を提示したため、有名で世界的な科学者たちがやって来たが、今ではどんなに来いと言っても関心を示す人はいない」と話す。
数日前、IBSのA研究機関長は来年度の研究予算を聞き、思わず挫折しそうになったという。A機関長は、IBSの設立時に「10年にわたって毎年100億ウォンずつ安定して投資するから、心配せずに研究せよ」と言った約束の言葉を聞き、国内大学からIBSに移ってきた。ところが毎年予算が削減され、もともとの実験計画の修正を余儀なくされている。A研究機関長は「研究が進むほど、実験と研究機関の規模は拡大するのに、予算はむしろ減っている。新しい実験は夢にも始めることができない」と肩を落とす。ポステック(浦項工科大学)のキム・ドヨン総長は「科学者たちが未来を心配することなく夢を広げることができるように、長い目で支援しなければ、成果は出てこない」と警鐘を鳴らした。