朝鮮日報

李明博政権時の「ノーベル賞プロジェクト」、研究費大幅削減で存続の危機

海外から研究者を連れてきた韓国基礎科学研究院
研究機関別の平均予算35%減
与党「当初より必要なかった事業」

 しかし、7年が過ぎた今、IBSの姿は当初の計画とは程遠い。研究機関数はもともと2017年までに50機関が目標だったが、現在は目標の60%水準の30機関で運営されている。来年は、研究機関が2機関増にとどまる見通しだ。にもかかわらず、政府は来年度のIBS予算を今年よりも200億ウォン(約20億円)減となる2365億ウォン(約236億5000万円)とした。IBSの全予算が減ったのは設立7年目にして初めてのことだ。IBSの関係者は「政府・与党が、今ある研究機関だけでも効率的に運営するよう方針を下したことから、今後研究機関の拡大は事実上困難と思われる」と、現場の事情に触れる。当初来年から1130億ウォン(約113億円)を投入して進められる予定だった第2次の研究機関ビル建設計画も、今年の予算編成過程で大幅に削減され、事実上の無期限延期となった。昨年工事が終了する予定だった「重イオン加速器」は2021年の完工と、4年先送りされた。

 一体何があったのだろうか。現政権が発足して以降、与党はIBSの運営が放漫だとし「不正の総合セット」「もともと設立する必要がなかった事業」と攻撃している。先月国政監査でIBSの予算が問題になると、科学技術情報通信部は11月6日からIBSの特別監査に着手した。政府は昨年までIBSに全30に上る研究機関の予算をまとめて与えていたが、今年からは研究機関別に予算計画を提出し、一つ一つ審議している。

 科学界は、政府のIBSに対する運営方針が変わったことに対し「自由に10年間研究できるようにするとの約束を破った」「前々政権の積弊とするにも程がある」と批判した。海外研究所を辞任して渡韓してきた外国人の研究機関長も「韓国政府はなぜ約束を守らないのか」と不満をあらわにしている。IBSの30の研究機関のうち6機関は外国人が運営している。IBSの関係者は「外国人研究者は毎年予算が削減されていく中で、到底中長期研究プロジェクトを遂行することができないと言っている」という。

パク・セミ記者 , チュ・ヒヨン記者
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