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羽咋で鷹匠活用 一定効果 カラス撃退 根比べ

街中を回る鷹匠の吉田剛之さん=羽咋市旭町で

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「体感4割減」「夜びっしり」

 羽咋市が二月から実施している鷹匠(たかじょう)によるカラスの追い払いが、効果を出し始めている。市によると、具体的な個体数は把握していないものの、「体感では四割ほど減っている印象」。ただ、効果を疑問視する住民もおり、粘り強い取り組みが求められている。(松村真一郎)

 二十一日、鷹匠の吉田剛之さん(46)による追い払いに同行した。午後五時に、カラスが長年密集していた羽咋神社(川原町)をスタートした。取り組みが始まる前は、境内の木々や周辺の電線に群れていたというが、同行時には一羽も確認できなかった。市環境安全課の担当者によると、神社には最近寄り付かなくなったという。

 神社から南に約二百メートル離れた電波塔には群れが止まっていたが、神社を出発した直後には、鳴き声を上げて飛び去っていった。吉田さんは「カラスは目がいいので、距離があってもタカが分かる」と話す。

 その後は、千里浜方面に進み、住宅街の木や海岸沿いの防風林などを約一時間半かけて巡回。羽咋小学校の校舎裏にある並木以外は、カラスが羽を休めている気配はなかった。

 二月に始まった取り組みは、同月に十回、三月に八回実施し、四月には飛来が減り始める効果が表れた。ただ、春に生まれた子ガラスがタカを天敵とみなすまで成長するのを待つため、六月は二回、七~九月は一回に減らした。すると、神社周辺に集まる個体数は再び増加。その後、十月は七回、十一月は八回に増やすと、再び減ったという。

 同神社にカラスが密集するのは、地元では二十年以上の懸案で、ふん害や騒音に悩まされてきた。神社の木々や周辺の電線をねぐらとして使い、夕方ごろに各方面から集まり、翌日早朝に飛び立つという。

 神社前にある鳥井酒販の鳥井英二さん(75)は、「最近はカラスが来なくなり、ふんの掃除をすることもなくなった」と、鷹匠の効果を実感する。一方で、疑問視する声も聞かれた。神社周辺で飲食店を営む女性は「タカで追い払いをしている時はいないが、夜中になると(周辺の)電線にびっしりいる」と話す。別の女性(83)も、「やらない日はやっぱり多い」と漏らす。

年度内さらに18回

 市は、十二月補正予算案にカラス対策費として七十二万円を追加計上する。鷹匠をさらに本年度中に十八回実施したい考えだ。市では、これまでにもサーチライトやロケット花火を使ったカラス対策を実施してきたが、いずれも一時的な効果しかなかったという。市環境安全課の金山幸富課長は「来年度以降も継続していきたい」と話した。

 

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