【首都スポ】[大学ラグビー]2日に早明戦 新世代BK河瀬&長田で早大創部100周年Vだ!2018年12月1日 紙面から
創部100周年のメモリアルイヤーに対抗戦V取りへ、ルーキーペアがトライ! 関東大学ラグビー対抗戦の大一番、伝統の早明戦は2日、東京・秩父宮ラグビー場で行われる。ともに5勝1敗で、同じ成績の帝京大(対筑波大、1日・熊谷)の3校に優勝の可能性があり、同率を含め、早明戦の勝者は対抗戦の覇者となる。特に、2010年度を最後に優勝から遠ざかっている早大は今季が創部100周年。メモリアルイヤーの名門復活へ、注目は昨季の全国高校大会(花園)優勝を飾った大阪・東海大仰星高から加わったCTB/WTB長田智希、WTB/FB河瀬諒介のルーキーペアだ! (文・写真=大友信彦) 創部100周年のメモリアルイヤーを迎えた名門・早大に、新しい風を吹かせているのが、昨季の花園で優勝した東海大仰星出身のルーキー2人だ。攻守の最前線で体を張り、チャンスをつくる仕事人の長田智希と、50メートル6秒0の豪脚で一気に敵ゴールを陥れる河瀬諒介。ともに複数のポジションをこなすマルチな能力を発揮し、早大の勝利に貢献している。 長田「好きなのはCTBです。WTBのときも、普通のWTBらしさは意識せず、ディフェンスで前に出る自分らしさを出したいです」 河瀬「思い切りトライを取りに行けるWTBが好きですが、FBはボールをもらえる回数が多いのが好きです」 昨季の花園で2人のいた東海大仰星は3回戦で秋田工と引き分け、トライ数差で勝ち上がるという苦戦をしながら、準決勝で東福岡、決勝で大阪桐蔭という優勝候補を連破して優勝。そこから、そろっての早大入り。「相談したの?」と聞くと、2人の答えは、「いえ」「たまたま」。 志望動機は「展開ラグビーに憧れていたので」と2人は声をそろえた。
しかし、そこで気になる事実が。河瀬の父・泰治さんは、明大-東芝府中(現東芝)で活躍、日本代表で1987年第1回W杯にも出場した名FWだ。 「小さい頃からテレビで早明戦を見て、父と一緒に明治を応援してました」と河瀬は笑うが、高校進学の際も父の母校・大工大高(現常翔学園)ではなく、ライバルの東海大仰星を選んだ。 「そのときも父には直接言いづらくて、母に言ってから伝えてもらいました(笑)」。大学は早明の両方を見学し、天然芝と人工芝の両方のグラウンドがあり、寮もトレーニング室も近くラグビーに集中できる環境を見て早大を選択。父は「行ったところで頑張れ」と言ってくれたという。 一方の長田は「小4のときに友だちに誘われてラグビーを始めたけど、家の中でラグビーに関心があるのは僕だけ。テレビで早明戦を見たりもしませんでした」と苦笑した。 新世代BKの2人は、伝統より、具体的な施設やラグビースタイルに魅力を感じたようだ。とはいえ、実際に入部すれば、やはり赤黒ジャージーの歴史がズシリと感じられる。グラウンドには、帝京大戦の前から「緊張」と大書した紙が掲げられている。 「この字を見ると、より意識が高まります」と河瀬が言えば、「まずは明大に勝って、対抗戦の優勝をつかみたいです」と長田も気合を入れる。 今季はここまで長田が4試合に出場して2トライ。河瀬が5試合に出場して5トライ。早明戦には長田が右WTB、河瀬がFBで先発する。明大はすでに帝京大を破っているが、早大は明大が敗れた慶大に勝っており、立場は互角。勝てば対抗戦8年ぶりの“優勝”だ。ルーキーのトライ量産で、ワセダが久々のタイトルをつかみ取るか?
<河瀬諒介(かわせ・りょうすけ)> 1999(平成11)年7月21日生まれの19歳。大阪市出身。早大スポーツ科学部1年。183センチ、83キロ。WTB、FB。小4のとき、大阪・阿倍野ラグビースクールでラグビーを始める。勝山中を経て東海大仰星に進み、2017年度高校日本代表。同年度に全国高校大会優勝。18年度U-20日本代表。50メートル走6秒0。 <長田智希(おさだ・ともき)> 1999(平成11)年11月25日生まれの19歳。京都府大山崎町出身。早大スポーツ科学部1年。179センチ、85キロ。CTB、WTB。小4のとき、京都・亀岡ラグビースクールでラグビーを始める。神川中を経て東海大仰星に進み、2017年度高校日本代表。同年度の全国高校大会を主将として優勝。18年度U-20日本代表。50メートル走6秒2。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
|