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【ゴルフ】

遼、2位浮上 2016年8月以来の復活Vへ視界良好

2018年12月1日 紙面から

第2日、13番で紅葉をバックにティーショットを放つ石川遼=東京よみうりCCで(武藤健一撮影)

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◇日本シリーズJT杯<第2日>

 2016年8月のRIZAP KBCオーガスタで14勝目を挙げてからツアー優勝に見放されている石川遼(27)=カシオ=が2日続けて68で回り、通算4アンダーで2位に上がった。Y・E・ヤンが通算8アンダーに伸ばして4打差で首位を堅守。賞金ランク1位の今平周吾(26)は石川と同じ2位。3人は第3日に同組で回る。

 ▽国内男子ツアー最終戦▽30日、東京都稲城市・東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)▽晴れ、14・7度、東1・4メートル▽賞金総額1億3000万円、優勝4000万円▽30選手▽観衆3064人

 強い石川が戻りつつあるのか。真骨頂は16番パー4だった。右ラフからの第2打は残り90ヤード。目の前の高い木を越す必要から、握ったのはフルショットで100ヤード飛ぶというサンドウエッジ。「100ヤード打てば、傾斜で戻ってくるかなと」。イメージ通り、ピン奥10ヤードに落ちたボールは、ゆっくりと戻ってカップそばに止まった。「こういうバーディーは今週、ほとんどなかったから」と本人も納得顔だ。

 米ツアーで結果が出ず今季は主戦場を日本に戻した。国内開幕戦の東建ホームメイト杯で2位になったときは復活の気配を漂わせた。しかし、夏場に熱中症とウイルス性腸炎を発症して一時戦線離脱。その後は不調から脱しきれず、2週続けて予選落ちも。特にドライバーの乱れが激しく「自分でも何が起きているのか分からない。対処のしようがない」と悩みを打ち明けたこともある。

 加えて、新たに就任した選手会長の重責もある。サイン用のピンフラッグを販売して選手とファンの距離を近づけることに成功するなど、手腕は高く評価されているが、雑務も多い。本人は「プレーしているときは一人の選手。選手会長というのは関係ない」というが、昨年賞金王になった宮里優作も選手会長1年目は未勝利だった。

 3日目は2009年全米プロでタイガー・ウッズを逆転してアジア人初のメジャー覇者になったY・E・ヤン、賞金ランク1位の今平と同組で対決する。「2人の集中力を感じるのが楽しみ。自分も今、集中できているし」。ツアーの看板である石川が最終戦で復活すれば、これほど劇的な幕切れはない。 (大西洋和)

◆今平「試合に集中」 初賞金王に前進

 今平は「全体的にはいいラウンド」で4バーディー、2ボギーの68、通算4アンダーにした。賞金ランク2位のショーン・ノリス(南アフリカ)が下位に沈んだことで初の賞金王が濃厚になっているが、本人は「今のところ、(その意識は)ない。多少はなりたい気持ちがあるが、とりあえず試合に集中」と、いつも通り冷静に語った。

◆優作8位浮上 逆転V狙える

 昨年はこの大会でシーズン4勝目を挙げ、初の賞金王になった宮里が、4つ伸ばして通算2アンダー、8位に浮上した。今季は欧州など海外遠征が多く、コンディションづくりが難しくて、ショットのリズムを崩した。逆転も可能な位置にいるが、「去年は太いレーンに乗っている感じだったが、今は細い糸。いつ落ちてもおかしくない。貯金がいくらあっても足りない」という。

 ▽Y・E・ヤン「この難しいコースでの4打差は、残り2日もあればすぐ追いつかれてしまう。自分は一打一打に集中して、逃げるだけ」

◆星野 弟分も2位に 

 石川の弟分である22歳の星野陸也も2位。186センチの長身から繰り出す300ヤード近いドライバーショットが武器だ。昨年のこの大会はウエーティング(補欠)だったが、出場権は回ってこなかった。今季は9月のフジサンケイ・クラシックで初優勝して堂々初出場を決めた。大会前に体調を崩し、まだすっきりしないというが、「グリーンの速さに慣れてきた。この2日間、体調が悪くてもここまで来られた」と自信も。勝てば大会の最年少記録を更新する。

 

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