【芸能・社会】吉澤ひとみ被告、有罪判決 異例の執行猶予5年2018年12月1日 紙面から 酒気帯び状態で車を運転し、ひき逃げしたとして、道交法違反と自動車運転処罰法違反(過失傷害)に問われたアイドルグループ「モーニング娘。」の元メンバー、吉澤ひとみ被告(33)に対し、東京地裁は30日、懲役2年、執行猶予5年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。佐藤卓生裁判官は執行猶予に関する説明の中で「この5年間、過ちを犯すことのないよう自覚を持ってもらいたいし、裁判に関わることのないよう生活していただきたい」と諭した。 29日の初公判と同様に吉澤被告はグレーのスーツ姿で入廷。メークは控えめで、やつれきったように見受けられた。IT企業社長の夫も傍聴席で見守る中、佐藤裁判官が「あなたに対する刑の言い渡しをします」と告げると小さな声で「はい」と答えた。主文読み上げの後、被告人席に戻り、うつむいて口を真一文字に結びながら理由について説明を受けた。 判決によると、吉澤被告は9月6日朝、東京都中野区で酒気帯び状態で乗用車を運転。時速86キロで赤信号を無視して交差点に進入し、横断中だった男女2人に軽傷を負わせる事故を起こしたのに救護措置を取らず、現場から走り去った。 佐藤裁判官は「被告人は酒気帯び運転、過失運転致傷、救護義務違反、報告義務違反という、そのいずれか一つを犯しただけでも重い責任を問われる罪を犯している。その上、被告人の各犯行はいずれも同種の犯罪と比べて態様が悪質である」と指摘。 さらに「最も基本的な自動車運転上の義務に違反し、横断歩道上にいた2名に対してけがを負わせている。傷害の結果も(被害者女性の)顔面に傷痕が残るなどというものであり軽いものではない」と述べた。 一方で吉澤被告が謝罪に努め、被害者2人との示談が成立していることや、夫が出廷して被告を監督する旨を約束しているほか、被告の母、元所属事務所の代表とマネジャーが嘆願書を提出していることなどを鑑みて、刑の執行猶予が相当であると判断した。 同時に「本件は犯行態様がいずれも悪質で、過失運転致傷罪については生じた結果も軽視できない事案であるから、被告人が一定の反省をしているとはいえ、さらに反省を深める時間を求めることが必要である。そこで、刑の執行猶予の期間は通常よりも長く5年間とすることが相当である」とした。 最後は裁判官に一礼し法廷を後にした。吉澤被告は2000年にモーニング娘。のメンバーとしてデビュー。07年に卒業後はタレントとして活動していたが、今回の事件の責任を取って芸能界から引退した。
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