【プロ野球】丸が巨人入り表明 決め手は原監督からのラブコール2018年12月1日 紙面から
国内FA権を行使した広島・丸佳浩外野手(29)が30日、マツダスタジアムを訪れ、巨人移籍を表明した。地元千葉のロッテ、宣言残留を認めた広島も選択肢にあった中で、巨人・原辰徳監督(60)のメッセージが移籍の決め手になったという。2年連続リーグMVPに輝きリーグ3連覇に大きく貢献した不動の3番打者が、11年間在籍したチームに別れを告げた。
巨人・原監督が30日、丸の巨人入り表明を受けて、都内の球団事務所で喜びを口にした。午前に本人から電話で意思を伝えられたといい「よくぞジャイアンツを選んでいただいたことに感謝します」と声を弾ませ「彼の選んだ道をサポート、後押ししたい」と全面バックアップを約束した。 巨人でも今季までと同様にクリーンアップを託す。「中心のところでやってくれると思う。希望に満ちた形でオーダーを決められる形になってきている」と手応え。岡本と組む3、4番はリーグ屈指の破壊力となるのは必至だ。 06年オフの日本ハム・小笠原以来となるFA交渉同席で口説き落とした。その小笠原加入直後からは3連覇を達成。同様の期待を、と問われ「それはそれは、そう思いますよ」とうなずいた。ビヤヌエバ、中島、炭谷に続き、5年総額35億円とみられる大型契約で今オフ4人目の補強に成功。大目玉を射止め、戦力は大幅に上積みされた。 (野畑圭司) ◆また一から勝負悩み抜いた末、巨人移籍を決断した。7日に国内FA権の行使を表明してから23日。午後、スーツ姿でマツダスタジアムを訪れた丸は「ジャイアンツにお世話になろうと思います。いろいろ悩んで、最終的に野球人として環境を変えて、また一から勝負したいという気持ちが出てきました」と明かした。 残留か移籍か-。自問自答を繰り返す中、決め手となったのは原監督のラブコールだ。初交渉の席で「カープでやってきたいいものをジャイアンツに持ってきてくれたらいい。まだまだ長い野球人生の中で絶対プラスになる」と熱く口説かれ、心が揺り動かされた。29日夜に最終結論を導き出すと、この日朝、原監督に電話で「お世話になります」と報告。「一緒に頑張っていこうな」という言葉に決意を固めた。 義理堅い男らしく、最後まで筋を通した。熱心に誘ってくれたロッテ・井口監督にも直接電話。松田オーナーの元に足を運び、入団当時を懐かしんだ。交渉相手の鈴木球団本部長に対しては複雑な心境だ。「誠意を持って話をしていただいた。こういう結論になって申し訳ない気持ち」と神妙に話した。 ◆新井の激励に…そんな丸が珍しく声を詰まらせるシーンがあった。チームメートへの報告を聞かれると、阪神にFA移籍した経験を持ち今季限りで引退した新井貴浩から「移籍するのは寂しいけど、オレはお前の味方だから、どこにいても応援しているし頑張れ」と激励されたと明かした。丸にとってカープは「本当に家族のようなチーム」。人一倍の愛着があるからこそ、思わずこみ上げるものがあった。 ◆鯉党へは「感謝」鯉党へは「こんな選手を応援してくれたことに感謝したい。ここまでやってこられたのもファンの皆さんの声援があったおかげ」と頭を下げた。くしくも来季開幕戦はマツダスタジアムでの広島-巨人戦。「背伸びしてもプレースタイルを変えられる選手ではないので、自分のできることを精いっぱいやっていけたらと思います」。ファンへの感謝と新天地への決意を口にして、丸が広島を去った。 (杉原史恭) ◆背番号「8」と「24」提示巨人・大塚球団副代表は30日、静岡・熱海後楽園ホテルでの納会後、広島からFA補強の決まった丸へ、背番号8に加えて、24も提示していることを明かした。「8」なら原監督の現役時代の背番号、「24」となれば高橋前監督から引き継ぐことになる。 「2つを用意しました。8と24です。8は(原)監督が付けていましたし、24は高橋前監督、過去には中畑さんがいました。2つとも球団にとって重い番号です」。果たして選ぶのはどちらか。丸の選択に注目が集まる。 ◆丸 一問一答-かなり悩んだか 「悩みました。11年間やってきた球団で愛着もあったし、そういう中で他球団の評価を聞きたいということで今回行使した。ジャイアンツ、マリーンズ両球団とも非常に高い評価をいただいて、なおさら悩みました」 -重圧が増す 「幸いにもプラス思考な性格。そういうところも含めていい刺激に捉えて、一つの勉強だと思って考え方を増やしていければいいかなと思う」 -決断時期は 「早く決めたかった。チームが(優勝旅行で)ハワイに行ってしまうので、そこまで延ばしてしまうのも失礼なのかなと…」 -12月1日以降は 「オーナーのほうから12月中は(施設を)使っていいぞという言葉をいただいた。ありがたく使わせてもらおうかと思います」 -巨人のイメージは 「本当に勝負強いチームの印象。あまり勝負強くない僕がどうかなという気持ちも多少あるけど、しっかりとチームに少しでもプラスになれるようにしていきたい」 (金額は推定)
PR情報
|