2017年11月28日火曜日

マザーコントロール社会とエヴァンゲリオン



 新世紀エヴァンゲリオンというアニメで、主人公の碇シンジの母親ユイの遺伝子と同じ流れをくむ少女・綾波レイがいる。
 その彼女への人気があるのは、日本がいわばマザーコントロール社会であることの象徴にすぎない。今回はハピマミというサイトから引用する。

「マザコン夫」と「ムスコン姑」に負けない妻の心構え

【女性からのご相談】
結婚して初めてのお盆休みに主人の実家へ帰省しました。遠方なので私自身、姑と顔を合わせたのは結婚の挨拶と両家の顔合わせ、結婚式の3回だけで、今回は初めて4日間(3泊4日)を共に過ごしました。
家では優しい主人が実家に帰ると激変! テレビの前から動かず、私には何のフォローもありませんでした。また今まで無口だと思っていた姑は食事の際、私にお茶をいれるように促し、人数分用意すると、「息子は猫舌だから氷を1つ入れてあげないとだめなの! いつもどうしているの?」と。主人も、「いつも我慢している」と、フォローどころか私を窮地に追いやりました。またぶどうは皮をむいてあげ、種まで取って主人へ(舅には皮ごとでしたが)。
普段の生活とのあまりの変わりように戸惑っています。

a 対処法をご紹介します。
ご相談ありがとうございます。新婚ライターの姫乃です。
もはや定番の言葉マザコンに加え、最近『ムスコン』という言葉が世間をにぎわせていることをご存じですか?
『息子コンプレックス』、つまり息子を溺愛しすぎてしまう母親のことを指します。この場合、息子もマザコンになる確率が高まる傾向にあります。
今回はそんな家庭に嫁いでしまった場合の嫁としての対策をご紹介したいと思います。

自宅と実家での旦那は別人だと思いましょう
私の身近にもこの問題で悩んでいる夫婦は多数いますが、長年過ごしてきた環境を自分が1人で変えようとしても、時間と労力の無駄です。
特に息子を溺愛しているお姑さんは、「私は子育てに成功し、こんなに立派な息子に育て上げた」という自負があります。その考え方を否定することは今後の関係上、ベストな選択ではないと思います。
この場合、話し合うべき相手はご主人です。「自分が孤立しているようでつらかった」「今後、どのようにフォローをしてもらいたいのか」などを具体的に伝えましょう。
そして、最初から完璧を求めず、「実家では別人」と思うくらいがちょうど良いのかもしれません。

わが家のルールを伝えましょう
「夫婦生活が長くなったり、子どもが生まれたり、環境が変わると嫁はどんどん立場が強くなる」というのが私の実感です。
ムスコン母は孫の教育に対しても意見することが多い傾向にあります。
助産師さんと先輩ママにインタビューした結果、そんなときに使えるキーワードは、『今は昔とは違い、病院ではこの様に対応するように指示されています』『わが家ではこのようにしつけると夫婦で決めています』と、あくまでも自分一人の意見ではなく、第三者、夫婦での教育方針だということを毅然と伝えましょう。このことを伝えなかったがために、祖父母におやつを与えられた子どもがアレルギー反応を起こして病院に搬送される事例が年々増加しています。

受け入れる姿勢を見せつつ、意見ははっきりと
いかがでしたか? もちろん、姑は愛する旦那様の母親であり、育児の先輩。見習うべきところも多々あることと思います。
しかし、あなたが向き合うべき一番の相手はあくまでも旦那様であることを忘れないでください。これから夫婦としての基盤を作る大切な時期です。今後どのように各実家と付き合っていきたいのか。そのためにはお互い、どのような協力が必要なのかをじっくりと話し合ってみてください。
最近では帰省を各実家に別々に……という夫婦も少なくありません。夫婦にとってその方法がベストならば選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか?

 これもまた、奴隷社会の象徴にすぎない。
 子供と親はあくまでも別のものにすぎない、切り離して行動すべきなのである。日本人は『アイムディファレント』(私はここが違う)といえばみんなからボコボコにされる。そこに、日本人の同調性もどき的な差別(最もネトウヨどもに代表されるように先天性的なものに対するヘイトは批判されて当たり前なのだが)が深刻であることを私は自覚せざるを得ない。
 自分の足で立って(=行動への責任)行動できる人が本当の意味での自立を意味する。私はこの種の家族をマザーコントロールファミリーと言う。
 それでいいとは私には思えない。

2017年11月24日金曜日

きょうだいリスクと生活保護問題

Yahoo!ニュース
2016/02/10

きょうだいリスク化社会 新たな「世代内格差」が生まれる

 無職の弟、非婚の姉……。
 雇用不安や非婚化で、自立できない大人たちが増えている。高齢の親に代わって彼らのセーフティーネットになるのは、同世代のきょうだいだ。だが、きょうだいを支え続けることで、自分や子どもの将来が危うくなる恐れもある。

弟への仕送りをやめる
 埼玉県に住む男性(49)は、4歳年下の弟への仕送りを続けてきた。ともに独身で、それぞれ別のところで一人暮らしをしている。男性は、非正規で週3日働く弟に、「光熱費」という名目で月1万円の仕送りを続け、ボーナスの時期にはさらに上乗せした金額を送ってきた。
 だが、男性自身が厳しい状況にさらされている。ここにきて、自分が勤めている会社の体制が二転三転して、正社員から契約社員に切り替わってしまったのだ。さらに、事業再編により勤務先の子会社が閉鎖されるため、今後は退職して派遣のエンジニアとして働く予定だ。
 「そもそも自分の将来もわからなくなってしまった以上、もう弟への送金は続けられない。弟には自助努力でなんとかやってもらうしかない」
 弟への仕送りをやめることを決意した。
 親は親で、かれこれ20年以上も弟への資金援助を続けていた。父はすでに亡くなり、弟の国民年金の支払いを母が肩代わりしてきた。そのうえ、母が管理しているアパートの家賃収入の半分を弟に仕送りしている。それでも足りない分を、兄である自分が補ってきたつもりだった。

親と同じような援助ができるのか
 親亡き後、自立できないきょうだいの暮らしをどう支えるか――。
 少子化できょうだいの数も減るなか、老親介護をどう乗り切るかというステージを飛び越え、さらにその先に横たわるリスクとして「きょうだい同士の扶助・援助・介護」という新たな課題が見えてきた。ある程度は年金に守られた親世代のサポートとは違い、ほぼ「同世代」であるきょうだいの将来的なサポートについては見えにくい。親が全面的に援助してきた独り身の子ならば、今度はきょうだいに「親亡き後、親になり代わってそれまで親がしてきたような援助を続けられるのか」が問われてくる。
 「働けない子どものお金を考える会」を主宰する、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんによると、最近増えてきたのが、中高年に達したニート、ひきこもりの子を抱える老親からの相談だ。いま相談を受けている最高齢のひきこもりの本人は60代に達しているが、すでに親は亡くなり、きょうだいが相談に訪れているという。

親亡き後の「サバイバルプラン」
 こうしたケースでは、本人が働けない状況が続く前提で、本人が親亡き後も生き延びていけるようなプランを考えていく。畠中さんは「サバイバルプラン」と呼ぶ。相談を始めた当初は、相談者の9割以上は親が亡くなってからも子の暮らしが生涯にわたって何とか成り立つ設計ができたが、最近では成立しそうもないケースも多く見られるようになってきた。そうすると、きょうだいの理解が必要になってくる。
 「ひきこもりの人の将来設計は、きょうだい関係がうまくいけば、ほぼ成功すると言っていいぐらいです」(畠中さん)
 まだ親が元気なうちから、老親介護問題をスルーしてひと世代またぎ、「同世代のもう一人の家族」であるきょうだいの行く末を心配するというのも、やるせない社会状況だ。それだけ、働き盛り世代の暮らしは不安定で、将来不安が強いということだろう。
 フリーランスで働く女性(47)は、高齢出産した息子(0)の父親とは「パートナー」として共同で育児をしているが、結婚や同居はしていない。都内にある実家に住み、仕事と子育てを両立している。
 「母が70代で父は80代。両親とも頭ははっきりしているけれど、耳が遠くなったり身体の無理がきかなくなったりして、老いを感じます」

息子が何人を支えるのか
 実家には、独身の兄(51)も住んでいる。以前は正社員として働いていたが、仕事が肌に合わず、転職を繰り返し、いまは非正規だ。年金生活者の親が元気なため、親が兄にお金を貸したりしている。何かあったら助け合うのが本来の家族だとは思うが、兄に頼られすぎても……という不安はある。
 「兄は仕事が不安定なうえ、家事などは実家の母に頼っている。せめて生活面で自立してほしい。兄の介護までは考えたくないですが、子どもの将来を狭めるかもしれないというリスクは感じています」
 息子が将来、「海外の大学に行きたい」などと夢をみたとしても、自分が健康でなかったり、兄より先に逝ったりするようなことがあれば、息子が「僕が唯一の近い親族だから、伯父さんの面倒をみるために夢を諦めよう」とも考えかねないからだ。
 今からリスクばかりを考えていても仕方がないが、「息子1人が、いったい何人を支えることになる?」と想像すると、うーんと考え込んでしまう。お金だけでなく、介護の問題もありうる。かといって、高齢出産でやっと1人産んだところ。息子のきょうだいを増やすという選択も難しい。行き着くところ、こう思うのだ。
 「私が頑張って働いて、元気で長生きするようにしよう。貯金もしよう」

家族という「舞台」で起きる依存
 従来、家族のセーフティーネットといえば、代表格が「配偶者」「子ども」であった。ここにきて、新たなセーフティーネットとして浮上してきたのが「きょうだい」だ。自立できないきょうだいを「ほぼ同世代の別のきょうだい」がどう支えていくか。2月12日に発刊する新書『きょうだいリスク――無職の弟、非婚の姉の将来は誰がみる?』
 では、雇用不安が広がり、非婚化で単身者が急増し、少子高齢社会の真っただ中にいる私たちが新たに直面する社会課題として問題提起している。さらに見方を変えれば、「世代内」の格差問題でもある。
 どちらか一方のきょうだいが他方を「丸抱え」した場合に、共倒れしてともに困窮する事態も考えられる。家族や介護を専門とする社会学者の平山亮さんは、同著でこう指摘している。
 「日本の社会保障の仕組みは、『依存状態』のきょうだいを支えることができるようには、必ずしもできていない。『依存状態』のきょうだいに対する他のきょうだいのジレンマは、家族主義の『舞台』の上だからこそ起こっている。言い換えれば、これはきょうだいに対する『気の持ちよう』の問題などではない。『舞台』の上に『あるべきもの』がないことによる、構造的な問題なのです」
 「きょうだい」をリスク化させないために、私たちの社会ではそもそも家族主義ですべてを支えるべきなのか、だとすればその「舞台」に何を用意しなければならないのか。新たな構図を描いていくべき時期に差しかかっている。


 何でもかんでも親家族に負担させようと日本の行政は画策する。
 だから、こんな呆れた非常識をやらかす。

2017年1月18日 3時52分 TBS
小田原市 生活保護担当職員、ジャンパーに「なめんな」

 神奈川県の小田原市が17日に行った緊急の記者会見。謝罪のワケは、黒いジャンパーにありました。
 「私どもの生活保護係の職員が不適切な表現が入っているジャンパーを着用して、市民の方々にご不快な思いをさせてしまっていたことについて、深くおわびをさせていただきます」(小田原市の会見)
 胸にある黄色いエンブレム。そこにはローマ字で、「保護なめんな」と記され、その下には悪という漢字に×印が。ジャンパーは小田原市の生活保護受給者を支援する部署の職員がつくったものだといいます。背中側には、こんなメッセージが・・・
 「我々は正義だ。受給者が不正をして利益を得るために我々をだますのであればあえて言おう“カス”であると!」
 人気アニメ「機動戦士ガンダム」の有名なセリフを模したのでしょうか。職員らは、実際にこのジャンパーを着用して受給者の家を訪問調査するなどしていたといいます。一体なぜ、こんなジャンパーをつくったのでしょうか。小田原市によりますと、2007年、職員が受給者にカッターで切りつけられる事件があり、担当部署の職員らがモチベーションを上げるためにジャンパーをつくったのだといいます。
 「仕事が大変な職場でありますことから、自分たちの自尊心を高揚させて当時の疲労感・閉塞感といったものを打破するためにこのような表現をしたと」(小田原市の会見)
 大きく記された「SHAT」の文字。これは「生活保護悪撲滅チーム」の頭文字だということです。1着4400円、これまで職員64人分がつくられました。受給者の自立を支援するはずの職員たちが、こうしたジャンパーを着ていたことに市民は・・・
 「理解に苦しむし、誰も反対しなかったというのはちょっと疑問」(小田原市民)
 「どうしても働けない人にはそういう保護もしょうがない。それに対して、個人的に威圧をかけるということは良くないと思う」(小田原市民)
 小田原市は不適切な表現だったとしてジャンパーの着用を全面禁止にするとともに、担当幹部7人を厳重注意にしました。(17日23:18)

 これは明らかなハラスメントである。
 既にこの悪事はBBCで報道されるなど、深刻な状況にある。まず、そもそも生活保護を必要とするまで年金が破綻している他、非正規雇用がまかり通っている事そのものに対して役所はなんの改善の手立てを打ってこなかった。
 そのことに対する反省もなく、更に突っ込んでいってやればニート対策、そしていじめにより引きこもりに追い込まれた人達への支援がまるでない、そういったことは全て民間に押し付けようという事なかれ主義がこの様な犯罪に繋がったのだと厳しく指摘せざるを得ない。
 日本中がネオナチジャパンの独裁に陥った結果、このような馬鹿ジャンパーがまかり通ったのだと言わざるをえない。担当幹部7つと着用した担当者共64つ(この種の未開人を人と見なす必要はないと指摘せざるをえないのでモノ扱いしておく)は全てまず、着用したことそのものが悪意であると指摘して実名強制公開の上で懲戒解雇処分にすべきである(その期間の給与は2倍にして小田原市に返納させること)。それに仕事で忙しいというのなら、私から突っ込んでやろう。
 AIでIBMのワトソンというシステムがあるので、『お前たちの代わりにワトソンに生活保護の判断をさせようか』と言ってやろうではないか。データの入力くらいは生活保護受給者の中で社会復帰を目指す方々にお願いすればいい。そして、本来やるべき現場の仕事をやらせるべきなのは言うまでもない。
 そして同じ皮肉は、今のネオナチジャパンの自称首相共にも言わざるをえない。

2017年11月18日土曜日

『事件は現場で起きている』事を知らない 岡田優子

 今回の書人両断は基本的なこともわからないお間抜けくんである。
 いっそのことなのだが、この程度の『教育長』なら、IBMのAI『ワトソン』に教育長をやってもらったほうが数段マシとしか思えない。もっとも横浜市長を自称する林某も、同様の措置を取ったほうが横浜市民にとって幸せであろう。

金銭要求「いじめ認定困難」=『教育長』が見解、原発避難―横浜 1216
2017年01月20日 20:01  時事通信社
時事通信社
 東京電力福島第1原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒がいじめを受けた問題で、横浜市教育委員会の岡田優子『教育長』は20日、「(同級生からの)金銭要求をいじめと認定するのは困難」と述べた。市議会の委員会で質問に答えた。
 生徒側は、いじめと認定するよう求めているが、岡田『教育長』は「第三者委員会の答申を覆すのは難しい」と述べた。
 男子生徒はいじめを受けていた小学5年の時、同級生から「賠償金をもらっているだろう」と言われ、自宅から現金を持ち出して1回5万~10万円を渡していた。
 市の第三者委が昨年11月にまとめた報告書は、「金銭授受はいじめから逃れるためだった」と指摘した上で、「おごりおごられる関係で、いじめとは認定できない」と判断した。生徒側は今月10日、いじめと認定するよう求める要望書を提出していた。

 この岡田なる輩は高校卒業にしては『横浜市市民局長』や神奈川区長を経験していたという。
 しかも、歴史改ざん主義者とも関係が深い。2015年の歴史教科書選定に際しては極右出版社のクズ教科書を押し付ける犯罪行為までやらかした。

2015年08月06日20:16
横浜市教委、育鵬社の教科書を採択 理由が乏しく不透明
2015.8.6 東京新聞

 横浜市立中学校で二〇一六年度から使う歴史と公民の教科書が、いずれも極右系の育鵬社版に決まった。ただ、市教委委員の投票は無記名だったうえ、投票結果が他社と同数だったため、最後は岡田優子『教育長』の職権で採択した。採択理由の客観的な説明は乏しく、不透明さの残る決定となった。 (志村彰太、原昌志)
 会議では、どの委員も教科書会社名を挙げて話すことはなく、具体性に乏しい議論となった。
 一一年度採択で極右関係者が『作成した』育鵬社を推した今田忠彦被告(横浜市立大理事)は、「(自国の)歴史に対する愛情が持てるような教科書を」(歴史)、「拉致問題は大きい問題なのに、社によっては扱いが小さい」(公民)などと『意見表明』した。
 一方、坂本春生(はるみ)氏(元通産官僚)は「価値観が固まっていないものは押しつけないのが良い」(公民)と、バランスを重視するよう提言。他は、長島由佳氏(人権擁護委員)や西川温子氏(元横浜市立学校長)が短く意見を述べるにとどまった。
 採択後の記者会見で、岡田『教育長』は「(市教科書取扱審議会の)答申を尊重した」と採択理由を説明。だが、答申では他社の評価が上回っている項目もあった。無記名投票については、記名方式だった一一年度採択の後、「委員に嫌がらせがあったようだ」と心情を察した。ただ、透明性に疑問が持たれる点は「多数決の結果。ご理解いただくしかない」と繰り返した。
 会議は、保護者や市民団体の三百九十人が同市中区の市開港記念会館の別会場で傍聴。元横浜市立小教諭の工藤順子さん(63)=東京都町田市=は無記名方式を「責任を持って決めているなら、投票行動は公にするべきだ」と厳しく教育委員会を批判。県央地区の市教委で教育委員を務める女性も傍聴し、「個人的には育鵬社は考えられない。手続きに沿って決まったので受け止めるしかないが、生徒たちはかわいそう」と漏らした。
※歴史改ざん主義に関しては明らかなレイシズムであり、ヘイトスピーチですので被告人として呼称します。直ちに今田被告は謝罪するよう命じます。

 要は教育関係を全く歴任していないということだ。
 そんなアホにいじめを理解できるわけがない。即座に解任・懲戒解雇すべき犯罪者であることは明らかだ。ハッキリ言ってやろうではないか。
 『事件は現場で起きている。何故そんな当たり前のことがわからないのか。恥を知れ!!』と。

2017年11月12日日曜日

匿名掲示板にしか書き込めないチキン達へ

 倉野でございます。
 最近、匿名掲示板に私のハンドルネームを悪用した書き込みをやらかしているものたちがいますが、彼らは大変臆病な人達であると言わざるを得ません。
 ブログの投稿規定に則り、事実に沿って発言すれば問題はないのですが、そうではないから、匿名掲示板にしか書き込めないのでしょう。臆病で卑怯と言わざるをえない人達です。
 もっと厳しい制裁措置を今後下すことになると警告しておきます。こういった振る舞いをすればするほど、言論の自由はどんどん狭まっていくのだと警告しておきます。まさに、チキン共としか言いようがありませんな。そして、彼らは皮肉な意味で私の主張の正統性を自ら証明するという矛盾に陥っているのです。
 事実に則り批判するのなら、誹謗中傷ではなく真っ向な言論ですが、匿名掲示板で誹謗中傷するのなら、こちらも厳しい措置を講じると明言します。

刑法第230条第1項
(名誉毀損)
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
 第2項
死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

2017年11月6日月曜日

ネットの闇を打ち砕くには

https://wired.jp/special/2016/unseen
コンテンツ・モデレーション SNSのダークサイドを見つめる仕事

ポルノ、自爆テロ、動物虐待、首切り…。
1日の大半をこれらの「暗黒動画」と対峙して過ごす人々がいる。
コンテンツ・モデレーターと呼ばれる彼らの仕事は、
FacebookやTwitterなどのSNSや動画サイトから、
見るに堪えないコンテンツを削除していくことだ。
苛酷さに見合わぬ薄給で人間の「闇」を見つめる、
「コンテンツ・モデレーション」の現場を訪ねた。
(『WIRED』VOL.19より転載)
TEXT BY ADRIAN CHEN PHOTOGRAPHS BY MOISES SAMAN TRANSLATION BY EIJU TSUJIMURA
2016.05.14 SAT 18:50
     
豪華なカフェテリア、快適な通勤バス、無料クリーニング。テック産業は、その行き届いた社員向けサーヴィスで知られているが、その最も重要な業務は、実はシリコンヴァレーから11,000km離れた、フィリピンのマニラから南西へ20kmの港町バコールで行われている。
自動車整備店が並ぶ区画の外れにある、かつて小学校だった建物の2階がその現場だ。蒸し暑い2月の午後、その狭い吹き抜けの階段を上っていると、タバコ休憩の従業員たちがいっせいに下りてきたので、壁にくっついて彼らをやり過ごさなければならなかった。上階の暗い廊下では、眠そうな警備員がひとり、ファイルが乱雑に積み上がった木のテーブルを受付デスク代わりに座っていた。
警備員の前を通り過ぎ、広い部屋に入る。長机がいくつも置かれ、大勢の従業員がパソコンを操作しているその部屋で、マイケル・バイバヤンと会った。赤茶色の髪をカッコよく立たせた、威勢のよい21歳の若者だ。
この部屋がまったくヴェンチャー企業のオフィスっぽくないのと同じように、バイバヤンのスクリーンにも、ヴェンチャー企業の一般的なイメージとはかけ離れたものが映し出されていた。それは二股のディルドが挿さった女性器のアップだった。どう表現したらいいのかよくわからないが、まるで肉体と透明なピンクのプラスチック製品からなる、トランプカードほどの大きさの抽象画みたいだった。バイバヤンがさっとマウスを動かすと、その画像は消えた。
米国のソーシャルネットワークサイト上の有害コンテンツを削除するのがバイバヤンの仕事だ。

おばあちゃんの目に触れぬよう
企業にとって、この「コンテンツ・モデレーション(適正化)」業務の重要性は高まるばかりだ。ソーシャルメディアがかつてないほどに多くの人々を親密に結びつければ結びつけるほど、企業は「おばあちゃん問題」に直面しているのである。
現代のお年寄りは、子や孫との連絡手段として日常的にFacebookなどのソーシャルサーヴィスを利用している。そのため、ネットに蔓延する悪意に満ちた誹謗中傷や人種差別、残酷画像や違法コンテンツにアクセスしてしまう危険を常にはらんでいるのだ。家族写真の左右に、ロシアの高速道路事故のグロ画像と無修正ポルノ画像があったりしたら、二度とログインしてもらえないだろう。数十億ドル規模の巨大産業に成長したソーシャルメディアは、社会の主流層への長期的なアピールを続けるにあたり、ユーザーが投稿したコンテンツの安全性を監視する企業の助けを必要としている。──たったいま、バイバヤンが削除したような画像がおばあちゃんの目に触れないように。

テック企業を支える10万人
フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディア企業は、インターネットから人間の負の面をぬぐい去って善良な市民を守るのに一群の労働者たちに依存しており、その業務の従事者は恐ろしい数に上る。目に見えない人海戦術だ。
Myspaceの前セキュリティ対策責任者で、現在オンラインセキュリティコンサル企業SSP Blueを経営するヘマンシュ・ニガムの推定では、世界のソーシャルメディアサイト、モバイルアプリ、クラウドストレージから不適切なコンテンツを取り除くモデレーターの数は「軽く10万人を超える」という。これはグーグルの全従業員数の約2倍であり、フェイスブックの約14倍だ。
削除作業の多くはフィリピンで行われている。かつて米国の植民地だったフィリピンは現在も米国との文化的共通点が多く、そのためフィリピン人は米国人がどんなコンテンツを有害とみなすかを判断しやすい、とあるコンテンツ・モデレーション業者は言う。
加えて、フィリピンでは米国よりもはるかに少ない人件費でモデレーターを雇うことができる。かつてフィリピンでマイクロソフトのモデレーターを務めたライアン・カルデノによれば、アウトソーシング企業Sykesに3年半勤めたときの月収は500ドル(およそ6万円)だったという。昨年、カルデノは別の企業から月給312ドル(4万円弱)でフェイスブックのモデレーターのオファーを受けた。業界の相場からみても非常に安い報酬だ。

マイクロソフトのコンテンツ・モデレーションを請け負うライアン・カルデノ。報酬は月500ドル。
バイバヤンと従業員たちがチェックするのは、ロサンゼルスを拠点とするヴェンチャー企業・Whisperのコンテンツである。Whisperのアプリは匿名で画像を投稿したり、秘密の「ささやき(whisper)」をシェアできるもので、投資ファンドから2億ドルの企業評価額を付けられている。
バイバヤンたちは米国を拠点とするアウトソーシング企業・TaskUsに勤務している。
Whisperがこのプロセスをジャーナリストに明かしたのには少しばかり驚いた。マイクロソフトやグーグルやフェイスブックは、どのようにコンテンツを適正化しているかと質問しても、ユーザーの保護に関してあいまいな説明しかせず、詳細を教えてくれることはなかった。テック企業の多くはモデレーターに厳しい守秘義務を課し、アウトソーシング企業の同業他社の従業員にも、自分の仕事の内容を話すことを禁じている。
「適正化について匿そうという明確な取り決めが業界内にあるとは思えませんが、おそらく自然とそうなってしまったのでしょう」と、カナダのウェスタンオンタリオ大学メディア学助教で、商業コンテンツ・モデレーションの数少ない専門家のひとりであるサラ・ロバーツは言う。「企業側は、ユーザーのソーシャルメディア体験を適正化するために具体的にどんな努力をしているか、あまり語りたがりません。それゆえ、わたしたちはインターネットを誤解し、テクノロジーを人間とは無関係な魔法のようなものと考えてしまいがちなのです」
Whisperがコンテンツ・モデレーションのプロセスを明らかにするのは、まさにそれこそがWhisperの要であり、このアプリのセールスポイントだと同社のCEO、マイケル・ヘイワードが考えているからだ。ユーザーから苦情が出てから初めてコンテンツの削除を行う、いわば泥縄式のモデレーションを行う企業が多いなか、Whisperは膨大な労働力を投入して1つひとつの投稿をリアルタイムでチェックする「現在進行形のモデレーション」を実行しているのだ。
「わたしたちは、ユーザーが匿名でも安心して、ありのままの自分をさらけ出せる空間をつくりたいのです」とヘイワードは言う。「一度チューブから出てしまった歯磨き粉を元に戻すのは、非常に困難ですからね」
バイバヤンの仕事ぶりを見ていれば、Whisperの歯磨き粉をチューブから漏らさないための作業にどれほどの労働力が必要かがよくわかる(わたしが見学を終えたあと、TaskUsのバコールのオフィスは、違法コピーソフト使用の疑いでフィリピンの捜査機関の強制捜査を受け、バイバヤンは退職した。TaskUsは新たにマニラでコンテンツ・モデレーションのオフィスを開いた)。
まず、サムネイルがずらっと並んだ投稿画像一覧ページを開く。ほとんどの画像には、よくあるお笑いのネタ画像のように、無造作な太い白抜きのテロップ文字が被さっている。ユーザーにとって、完全匿名で「何でもあり」のWhisperは、抑えていた衝動をぶちまけられる場であり、FacebookやTwitterで公開するにはあまりに危険な(あるいはしょうもない)秘密や暴言、人に言えない欲望のはけ口となっている。
モデレーターたちは投稿されたコンテンツをリアルタイムで監視し、次から次へと脈絡なく現れる投稿に目を光らせる。「ニューヨーク在住でバイセクシャルの女の人、お話ししない?」「アイルランド訛りはキモい」「義理のお父さんとヤッたあと、クルマ買えって脅してやったわ」等々…。
ホワイトボードには、チェックすべきカテゴリーのリストが殴り書きされている。ポルノ、グロ、未成年、性的勧誘、性器やそれを連想させる画像、人種差別。
違反の疑いがある画像を発見すると、それを開き、違反が確認できればユーザーのアカウントとウェブサイト全体から削除する。そしてまた画像一覧に戻り、チェック作業を続ける。25分間で、自撮りした男性器の画像からきわどい水着や異物挿入の画像、胸糞悪い罵倒の文句、オーラルセックスの依頼まで、感心するほど多種多様なコンテンツが削除されていった。

Whisperに投稿された自殺をほのめかすメッセージ。TaskUsのモデレーターは削除すべきと判断した。
微妙な画像があった。ありきたりな男性の裸の上半身の彫刻の上に「ゲイ体験を求めて。当方18歳以上」と書かれている。ただ秘められた欲望を告白しているだけなのか(これは「違反」ではない)、それとも性行為の誘いなのか(これは「違反」だ)。
TaskUsの多くの社員と同様、大卒の資格をもつバイバヤンは、どうやってそれを見分けるか、慎重な口調でこう話した。「目的は何か、ということです。ただ自分の気持ちを語っているだけなのか、それとも相手を誘っているのか。その違いを見分けなければなりません」。
バイバヤンはわずか数秒でその判断を下す。画面の上部には次々に新着画像が現れ、古い画像はどんどん下へ追いやられてゆく。バイバヤンは例の投稿を性的な誘いと判断し、削除した。性欲をもて余すどこかの若者の欲望は潰えた。バイバヤンは画面を上までスクロールし、再びチェック作業を始める。
首切り動画の鑑定人
その出来事から8年経ったいまも、ジェイク・スウェアリンジェンは自分が仕事を辞めるきっかけとなった動画を忘れることができない。
ベイエリアで失業中だったスウェアリンジェンは、24歳のとき、新進のヴェンチャー企業・VideoEgg(編註:現在のSAY Media)でモデレーターの仕事を得た。3日後、スウェアリンジェンの担当動画リストに、何者かが人間の首を切断している動画がアップロードされた。
スウェアリンジェンは思わず叫んでいた。「何てこった、首切りの動画だ!」。カジュアルな黒いパーカを着た、少し年上の同僚が椅子に座ったまま振り返った。「へえ、どれどれ?」。自分は首切り動画の目利きになどなりたくない、と彼はそのとき強く思った。
「一刻も早くその職場を出たかった。口にするのも恐ろしい出来事に巻き込まれた人たちを見慣れてしまって、軽口を叩けるような人間には絶対になりたくなかったのです」。スウェアリンジェンは現在、Atlantic Mediaでソーシャルメディアのエディターを務めている(彼は2007年には『WIRED』US版のインターンだった)。
「何てこった、首切りの動画だ!」。カジュアルな黒いパーカを着た、少し年上の同僚が椅子に座ったまま振り返った。「へえ、どれどれ?」。自分は首切り動画の目利きになどなりたくない、と彼はそのとき強く思った。

コンテンツ・モデレーションの作業は海外で行われることも多いが、さらに多くが米国内で行われている。従業員の大半は、かつてのスウェアリンジェンのような若い大学出だ。
多くの企業は二重の適正化システムを採用している。ごく単純な適正化作業は外国にアウトソーシングし、より深い文化理解が必要とされる込み入ったチェック作業を米国で行うのだ。
米国のモデレーターの待遇は、国外の同業者に比べて格段によい。米国の有名テック企業では、新人でも1時間でフィリピンのヴェテランモデレーターの日給以上の給料を稼ぎ出す。だが、フィリピンではこのコンテンツ・モデレーションの請負業務は若者たちの憧れの的なのに対して、米国のモデレーターは、ほかに仕事がなくてやむにやまれずこの職に就いた者も多く、仕事に耐え切れずに脱落していくこともよくある。
「みな、だいたい3~5カ月で壁にぶち当たります」と、かつてYouTubeのモデレーターだったロブ(仮名)は言う。「『おれは1日いったい何をやってるんだろう。もうイヤだ』って気持ちになるんです」
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ロブは2010年にコンテンツ・モデレーターとなった。大学を卒業し、ガールフレンドのあとを追ってベイエリアに移ってきたところだった。ここでは大学で取得した歴史学の学位など、顔のタトゥーほどの価値しかなかった。数カ月が経ち、ロブは自暴自棄になりつつあった。
人材派遣会社CDIからオファーの電話があったのはそのころだ。YouTubeの動画モデレーターとしてグーグルの面接を受けに行くよう、リクルーターから指示された。なんと、あのグーグルだ! もちろん、単なる下請けの契約だが、正社員登用のチャンスもあるという説明だった。給料は時給20ドルほどだという。ファストフードのバイトに比べればはるかに高給だ。ロブは面接を受け、1年間の契約で採用された。「そりゃあ嬉しかったですよ。給料もいいし、ユーチューブでの職歴ありなんて履歴書に書けたら最高ですからね」
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「革命2.0」:エジプトとソーシャルメディア

死体や市街戦といった、正視に堪えない残虐な動画。しかしそれらは「アラブの春」において、革命の現場で起こっていることを外の世界に伝える重要な拡声器でもあった。2011年の「エジプト革命」を例に、「アラブの春」におけるソーシャルメディアの役割を考察する。
ロブはカリフォルニア州サンブルーノのユーチューブ本社で動画管理の仕事に就いた。最初の数カ月間はまったく苦にならなかった。同僚はロブと同じように新卒の若者がほとんどだったし、その多くは文系学部出身で、衛生キャップを頭にかぶらなくてもいい仕事にありつけただけでも御の字だった。上司はいい人だったし、カフェテリアで無料のランチをとれるといったささやかな特典もあった。
8時間の勤務の間、ロブはユーチューブの広々としたオフィスで2台のモニターの前に座った。1台のモニターに再生される何十本もの動画を一度に眺め、もう1台のモニターは好きに使ってよかった。ロブは「宇宙空母ギャラクティカ」の全話を片目で鑑賞しながら、もう片方の目で残酷映像やヘイトスピーチの動画をチェックし、削除した。
ユーチューブの内部事情を垣間見られるのも魅力的だった。例えば、2010年末にある政治家が刺された事件で、容疑者の英国人女性が米国出身のイスラム過激派アンワル・アウラキの暴力的な説教に影響を受けたと語ったときには、グーグルの法務部からアウラキの説教の動画を一斉削除するよう臨時の業務命令が下されたという。
だが数カ月が過ぎるうち、不適切な動画を見続けるのが苦痛になり始めた。最悪だったのが残酷動画だ。血なまぐさい市街戦、動物虐待、自爆テロ、斬首、悲惨な交通事故。
当時「アラブの春」が最高潮を迎えており、活動家たちは政府の弾圧を世界に公表するためにYouTubeを利用した。そのような「ニュース価値のある」動画は、たとえガイドラインから逸脱するものでも警告とともに残すよう指示された。だがデモ参加者の死体や市街戦のアップは、ロブや同僚たちにとって正視に堪えないものだった。
悲惨な事件を記録したそれらの動画は、ただ病的な残酷趣味を掻き立てるばかりだった。「動物虐待の動画は、虐待した人物が自分でアップロードしているケースがほとんどでした。それで満足感を得るのです」とロブは言う。
「残虐な行為に満足感を得る人間の視点から悲惨な出来事の動画を見ることは、そのような行為を報道するニュースに触れるよりも、ある意味はるかに視聴者にとって有害です。それを目にした人の、人間に対する考えを取り返しのつかないほど歪ませ、損ないます」
ロブは仕事を離れても動画のことで悩み苦しむようになった。人付き合いを避け、イライラし、怒りっぽくなった。ユーチューブにはカウンセラーがいて、モデレーターも相談できることになってはいたが、どうやって連絡をとればいいのかは知らされなかった。周りにもカウンセリングを受けたことがある人はいなかった。自分で何とかするしかない。ロブは酒浸りになり、太っていった。
ロブは自分がグーグルの正社員になることなどほぼ不可能だという事実を知った。契約から数カ月後、グーグルの求人に応募したが、大学でのGPA(成績評価値)が不足していたため門前払いだったという(グーグルはGPAだけで採用の可否を決めることはないと否定している)。ロブが伝え聞いたところでは、GPAが足りていたとしても、下請けからグーグル社員になれることなどまずないらしい。
契約満了まで数カ月を残し、ロブは別の仕事を見つけて転職した。
最終日の午後7時に業務を終えたとき、ロブは言いようのない解放感を感じた。車に飛び乗りオレンジカウンティの実家に帰ると、3日間ぶっ通しで眠った。
「残虐な行為に満足感を得る人間の視点から悲惨な出来事の動画を見ることは、そのような行為を報道するニュースに触れるよりも、ある意味はるかに視聴者にとって有害です。それを目にした人の、人間に対する考えを取り返しのつかないほど歪ませ、損ないます」

病んでゆくモデレーターたち
仮にコンテンツ・モデレーターがソーシャルメディアサイトの全労働力の半分を占めているとすれば、この業務が長期的にいかなる精神的苦痛をモデレーターにもたらすかは熟考に値する。ジェーン・スティーヴンソンは2000年代前半、英国国家犯罪対策局(米国のFBIにあたる広域捜査機関)の労働衛生および福祉部門のトップに就いた。
当時、世界的に児童ポルノ撲滅運動の最初の波が起こっていた。スティーヴンソンは捜査官たちが児童ポルノ画像によって精神的被害を受けるのを目の当たりにする。
ポストを退いてからも、しばしば政府機関や民間団体から、捜査にともなう精神への悪影響にどう対処したらよいか意見を求められたスティーヴンソンは、高度なプレッシャーを強いられる職業を対象とする労働衛生コンサルタント企業Workplace Wellbeingを設立する。顧客には英国のソーシャルメディア企業も含まれていたが、アドヴァイスをするうち、ソーシャルメディア企業のコンテンツ・モデレーターたちも、法執行機関で児童ポルノ摘発や対テロ捜査を行う捜査官と同じ苦痛を抱いていることがわかった。
「一目でもそのような画像を見てしまったら、もう永遠に元には戻れません」と、スティーヴンソンは言う。捜査機関には特別な治療プログラムがあるしメンタルヘルスの専門家もいるが、ハイテク企業の多くはまだこの問題の深刻さを把握するに至っていない、と彼女は指摘する。
「それは近親者との死別や職場でのいじめと同じで、対処の方法はあると考える人もいます」とスティーヴンソンは言う。「誰でもいつかは近親者の死に直面しますし、気に障ることを言う人と一緒にいれば精神的に辛くもなるでしょう。それらはごく正常な反応です。しかし、2歳の幼児との性行為が正常といえるでしょうか? 人間の首をゆっくりと時間をかけて切断することが──あなたにトラウマを植え付けようというわけではありませんが、人の首を切り落とすのには時間がかかります──それが正常な行為でしょうか? そんなものにどう対処しろというのですか?」
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『WIRED』VOL.19「ことばの未来」

本稿が掲載されている『WIRED』VOL.19は、特集「ことばの未来」。いま、新たなテクノロジーによって変わりつつある「ことば」の未来を考える。「絶滅した言語」や「インフォグラフィック文通」、カズオ・イシグロら4人の作家に訊いた「文学のイノヴェイション」、予防医学の俊英・石川善樹による自然言語処理界の天才たちへのインタヴューなど。
フィリピンで2つのコンテンツ・モデレーション企業のカウンセラーを務める心理学者デニス(仮名)とマニラで会った。
「それはPTSD(心的外傷後ストレス障害)に似ています」と、ひっきりなしにクルマが通り過ぎてゆく高速道路に面したオフィスでデニスは言う。「心に記憶の痕跡が残っているのです」。
デニスのチームは広範囲にわたって患者を観察できるシステムをつくり上げた。モデレーターたちに心理テストを受けさせて治療前の基準値を設定し、不快な映像の影響を最小限に留めるために面接やカウンセリングを重ねた。
だがどれほどカウンセリングに最善を尽くしても、人間の暗黒面の奥底を見つめる仕事はモデレーターの精神を蝕んだ。毎日何時間もポルノ画像を見たせいで、配偶者との性交渉に支障をきたし、辞めていったモデレーターもいる。また性欲の異常な亢進に悩む者もいる。「毎日8時間、延々とポルノを見続けるのがどんなことなのか想像できますか?」とデニスは訊く。「そんなことにいつまで耐えられるでしょう?」

生涯忘れることのない映像
その近くのショッピングモールで、ある若い女性と会った。名前を仮にマリアとしよう。勤め先のアウトソーシング企業が昼休みになり、会社を抜けてきたのだ。その企業で、マリアのチームは米国の著名なテック企業が提供するクラウドストレージサーヴィスの画像や動画の管理を担当している。マリアはその品質保証責任者で、チームの何十人ものモデレーターに見落としがないかを監督する任務を負っている。つまり、モデレーターたちが違反と判断した無数の動画を目で確認しなければならないのだ。
「児童虐待の動画を見るのは本当に辛いです」とマリアは言う。「最後まで一気に見るなんてできません。少し見ては動画を止めて、一休みしないと。スターバックスにコーヒーを買いに行ったりしてね」。陰惨な性犯罪とおしゃれなラテという奇妙な取り合わせにマリアは笑った。
そのような動画に絶え間なくさらされて、精神を病んでしまった同僚もいる。来る日も来る日も果てしなく増殖する人間の悪意の証拠を突きつけられ、しまいには現実に出会う人たちも何かおぞましい秘密をハードディスクのなかに隠しているのではないかと疑い始めてしまうのだ。
マリアの同僚には、不安のあまり自分の子どもたちをベビーシッターに預けられなくなってしまった女性が2人いる。仕事の間、子どもたちを安心して任せられる人を見つけられずに欠勤することもあるという。
あの目隠しされた少女の動画は、仕事を辞めてもずっと頭から離れないだろう、とマリアは言う。「忘れられるかどうかわかりません。あの動画を見たのはずっと前ですが、いまでも目に焼き付いています。昨日見たばかりのように」

マリアは、とりわけこの仕事を始めたばかりのころに目にした動画を忘れることができない。
「映っていたのは若い女性でした」。マリアは声をひそめる。「たぶん15~18歳くらい、どう見ても未成年でした。スキンヘッドの男も映りました。男は頭を女性のヴァギナに突っ込もうとしていました。女性は目隠しされ、手錠をはめられ、泣き叫んでいました」
その動画は30分以上もあった。1分ほど見たところで、マリアは怒りと悲しみに体が震えるのを感じた。こんなにひどいことをできるのはどんな人間だろう? マリアは男の顔を見つめたが、スキンヘッドで中東系の顔立ちというほかには何の特徴もなかった。邪悪な男は、ショッピングモールですれ違ってもまったく記憶に残らないような顔をしていた。
マリアはこのクラウドストレージのモデレーターを2年半ほど務めているが、この年末に辞めて医学部に進学する予定だ(編注:オリジナル記事は2014年10月掲載)。だが、あの目隠しされた少女の動画は、仕事を辞めてもずっと頭から離れないだろう、とマリアは言う。「忘れられるかどうかわかりません。あの動画を見たのはずっと前ですが、いまでも目に焼き付いています。昨日見たばかりのように」

ポルノを自動識別するTwitterのAIができるまで
現在そのほとんどが人力によって行われているコンテンツ・モデレーション。しかし近い将来、人工知能によって不適切画像や動画が自動的に消去される日が来るかもしれない。Twitterが試みる、ポルノを学習するAIの実装までのストーリー。
※引用元記事には不快感になるリスクの高い表現があります。その為、不快感になった場合はお詫び申し上げます。

 今、ネットはこのような実態では済まされないほどひどくなっている。
 日本の場合、ネオナチジャパンによる事実上の突撃隊がネットでデマを垂れ流し、誹謗中傷を垂れ流す。私は、この実態を放置することは出来ないと考えている。ネット企業は児童ポルノを問題視しているようだが、私はそれも含めたポルノそのものや、ヘイトスピーチの自動消去を急ぐべきだと断言する。
 そもそも、ポルノの背景にあるのは貧困問題である。貧困問題の解決は、政治の仕事であるが日本人の考えないマイノリティは他人事のように考える。そんなことはいいとは思えない。
 更にヘイトスピーチのために精神疾患に陥っているという、大変深刻な状況も私は知っている。それでいいといえるのだろうか。
 そもそも、他者を誹謗中傷して自らの優遇性を主張する行為は正統たる愛の発露といえるのだろうか。独善たるものであると断じざるを得ない。サミュエル・ジョンソンは愛国心は悪党の最後の隠れ家である』と喝破した。
 最後に、マタイによる福音書から引用しよう。この言葉はその当時『偉かった』律法学者やパリサイ人への痛烈なイエス・キリストによる批判なのだが、今の日本のいわゆる『偉い人』にもどんぴしゃりと当てはまることは言うまでもない。

第23章1~8,11~12節より
そのときイエスは、群衆と弟子たちとに語って言われた、 「律法学者とパリサイ人とは、モーセの座にすわっている。 だから、彼らがあなたがたに言うことは、みな守って実行しなさい。しかし、彼らのすることには、ならうな。彼らは言うだけで、実行しないから。 また、重い荷物をくくって人々の肩にのせるが、それを動かすために、自分では指一本も貸そうとはしない。 そのすることは、すべて人に見せるためである。すなわち、彼らは経札を幅広くつくり、その衣のふさを大きくし、 また、宴会の上座、会堂の上席を好み、 広場であいさつされることや、人々から先生と呼ばれることを好んでいる。 しかし、あなたがたは先生と呼ばれてはならない。あなたがたの先生は、ただひとりであって、あなたがたはみな兄弟なのだから。 (中略)
そこで、あなたがたのうちでいちばん偉い者は、仕える人でなければならない。 だれでも自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるであろう。

Original text