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【首都スポ】

[大学サッカー]2冠狙う明大の“心臓”安部柊斗、前へ前へ仕掛ける! 12日インカレ開幕

2018年11月30日 紙面から

総理大臣杯の優勝カップを前に、2冠獲得の決意を新たにしたMF安部=東京都世田谷区の明大八幡山グラウンドで(武藤健一撮影)

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 第92回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)は25日に幕を閉じ、優勝した早大のほか、筑波大、法大、駒大、明大、順大、東洋大が、12月に開催される全日本大学選手権(インカレ)の出場権を獲得した。7校は集大成の大会となるインカレに燃えるが、このうち、総理大臣杯全日本大学トーナメントとの2冠獲得を狙うのが明大。リーグ戦では失速して5位に甘んじたものの、実力は十分で、頂点に再び立つ可能性を大いに秘める。今リーグ戦でベストイレブンに輝いたチームの“心臓”、ボランチの安部柊斗(3年・FC東京U-18)に聞いた。 (取材・構成=関孝伸)

 -今季のリーグ戦を振り返ってください

 安部「5位ですし、うまくいかなかったなというのが率直な感想です。10年前が5位だったんですけど、その後は5位よりもいい結果でした。5位は明治としてあるべき姿ではありません」

 -前半戦は4位でしたが、後半戦が始まる前に行われた総理大臣杯で優勝しました

 「総理大臣杯のときは井沢さんのためにもという思いがあって、それが優勝につながる一つの要因になりました」

 -病気療養中だったGMの井沢千秋さんが優勝した翌日にお亡くなりになりました。大会中は選手たちのモチベーションが高まっていたのですね

 「自分たちは井沢さんのスカウトで明治に入りました。井沢さんのおかげで入ることができたので、井沢さんのためにも優勝しようという思いが部員全員の中に強くあったんです」

 -総理大臣杯の後にリーグ戦が再開されたわけですが、リスタート直後は順調でした

 「総理大臣杯で優勝して、チームは勢いに乗りました。後半戦最初の試合で(リーグ優勝した)早稲田に勝ちました(6-1)し、高いパフォーマンスを維持できていたと思います」

 -続く第13節の国士舘大戦も3-0で快勝しましたが、その後から調子が落ちていきました

 「後半戦の目標は11連勝(全勝)で、モチベーションは一人一人高かったんです。でも、それが結果にはつながりませんでした。勝てなかった要因の一つにはチーム全体としての決定力不足が間違いなく挙げられます。先制点を取れるチャンスを逃した後に、逆に取られてしまうようなことがありました。シュート数は相手よりも多いのに勝ち切れない試合がいくつもありました。自分もいいところで何回か(シュートを)外しました」

 -痛かったのは第15節の桐蔭横浜大戦でした。2-0でリードした後半に3点を奪われ、逆転負けを喫しました。堅実な明大にしてみれば、らしくない敗れ方でした

 「2点のリードから負けるなんて、自分のサッカー人生で初めての体験でした。明治としてもあり得ない負け方で、あれをズルズルと引きずってしまったのかなと感じます」

 -第15節以降の成績は2勝1分け5敗です

 「優勝する可能性がなくなってからは2位を取ろうという姿勢で臨みました。でも、結果的に見れば、(対戦)相手の方が気持ちが入っていて、やりたいサッカーをされてしまったように思います」

 -そんな中で、安部選手個人はシーズンを通して安定したパフォーマンスを見せ、リーグ戦のベストイレブンに選出されました

 「(自身の出来が)悪いときが1試合だけあったんですけど、それを除けば、豊富な運動量でボールを奪うこととか、球際で絶対に負けないこととか、そういった自分のプレーを全部出せました。個人としてはいいリーグ戦だったかなと思います。1年間やってきたことがベストイレブンという形で表れたので、素直にすごくうれしかったです」

 -そのシーズンの最後をインカレ優勝で飾りたいところです

 「『最後はやっぱり明治だね』と言われるようにしたいです。インカレ(のタイトル)を取ったチームが今年一番強いチームなんだと考えていますし、リーグ戦がダメだった分、インカレで優勝するしかありません。すべての試合で相手を圧倒したいです。厳しい組み合わせですけど、強いチームとやれるのは楽しいですし、リーグ戦でできなかった分をインカレに全力でぶつけます。死ぬ気でやります。優勝できれば、いい形で来年に入れますし、来年につなげるためにも優勝したいです」

 -安部選手には、準決勝と決勝でゴールをマークした総理大臣杯のときのように、攻撃面での貢献も期待されます

 「(自分には)チームを勝たせられるようになることが求められています。(自身のポジションである)ボランチが(勝つための)キーになるでしょうから、(守備だけではなく)前に出ていって、自分でも点を決めないといけません。ボランチが点を取れば、チームはいい方向に行くと思います。リーグ戦では1点しか決められなかったので、インカレでは得点をずっと狙って、前にどんどん仕掛けていきたいです」

ズボンは肌にピタッと密着した物を着用したい。ちなみに、この日はレディース用を身につけている

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◆安部アラカルト

 ◆スケートボード 寮で同部屋の選手に感化され、1カ月ほど前から乗り始めた。まだ、ほとんど初心屋のため、普通に転んでしまう。早くうまくなりたいが、サッカーに支障が出るようなけがをするのがこわいので、無理をしない程度に頑張っている。

 ◆テレビとアールグレイ 寮ではすることがあまりなく、暇な時間はテレビを見て過ごす。好きなアールグレイをマグカップで飲みながら、「金曜ロードSHOW!」で録っておいた映画を鑑賞したりしている。

<安部柊斗(あべ・しゅうと)> 1997(平成9)年12月5日生まれの20歳。東京都日野市出身。168センチ、66キロ。同市のもぐさ台幼稚園年長組のときにカワイ体育教室でサッカーを始めた。小学時は杉野百草サッカースクールに所属。FC東京U-15むさしからFC東京U-18に進んだ。高1時に東京都選抜の一員として国体で優勝。FC東京U-18では高2時の日本クラブユース選手権(U-18)で準優勝した。明大では2年時の昨季途中からレギュラーに定着し、今季は総理大臣杯制覇に大きく貢献した。全日本大学選抜。

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