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【スポーツ】

[バドミントン]ロンドン五輪銀のフジカキ、涙の最終戦 「最後にタカマツと試合、幸せ」

2018年11月30日 紙面から

女子ダブルス2回戦で高橋(中央左)、松友(左端)組に敗れ、高橋と抱き合う藤井(中央右)。右端は垣岩=駒沢体育館で(中村太一撮影)

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◇全日本総合選手権

 バドミントンの全日本総合選手権は29日、東京・駒沢体育館で各種目の2回戦を行い、今季限りでの引退を表明している2012年ロンドン五輪銀メダルの藤井瑞希(30)・垣岩令佳(29)組=再春館製薬所=が、16年リオデジャネイロ五輪金の高橋礼華(28)・松友美佐紀(26)組=日本ユニシス=との五輪メダリスト対決に0-2で敗れ、個人戦としては最後の試合を終えた。

 試合が終わると、藤井・垣岩の「フジカキ」は、あふれる涙をぬぐいながら高橋・松友の「タカマツ」と抱き合った。「最後にタカマツと試合ができて本当に幸せなバドミントン人生でした」と垣岩は充実感を込めた。日本バドミントン界に初の五輪メダルをもたらしたペアが、その系譜を受け継ぎ、五輪制覇を遂げたペアと対戦。偉大な功績を刻んだもの同士にしか分からない時間が流れたようだった。

 藤井・垣岩組は12月開幕の団体戦・S/Jリーグで選手登録されているが、個人戦としてはこの大会が最後。10月に2人が日本ユニシスの練習に参加したときに、藤井は高橋・松友組に「最後の全日本総合で一緒に戦えたらいいね」と声をかけていた。その思いも実現し、思い残すことは何もなかった。

 「フジカキ」は青森山田高時代の2006年からペアを組み、ロンドン五輪後に解散したが昨年に再結成した。「初めて組んだときに、これは合うというか、何ともいえないフィーリングを感じた。令佳じゃなければここまでプレーできなかった」と藤井。垣岩も「家族よりも一緒に時間を過ごしたし、何でも相談できる相手」と感謝の気持ちを込めた。

 試合後には高橋も「先輩たちの背中を見続けていたから、ここまで強くなれた。なかなかない五輪メダリスト対決で、幸せな試合でした」と感極まった。世界ランキング10位以内に5組が名を連ねる日本女子ダブルス。その道を切り開いた「フジカキ」の尊さをかみ締めていた。 (平野梓)

 

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