悪質“未出頭”逮捕の現場 交通違反なぜ出頭しない?
東京都内で交通違反の取り締まりを受けたにもかかわらず、長期間出頭しなかった人に、逮捕状が請求された数を表したグラフ。
6年前には700人台だったが、増加傾向で、特に2018年は、すでに975人と過去最多になっている。
なぜ出頭しないのか。
悪質な交通違反者への追跡捜査を取材した。
2017年1月、東京・品川区でスピード違反をしたが、その後、7回におよぶ出頭要請に応じず、反則金1万8,000円も納めなかった男。
捜査員「(違反に対して)はがきが7回出されていて、自宅に来ているのはわかった?」
男「はい」
捜査員「見たことは?」
男「あります」
捜査員「中身見ました?」
男「はい。払えなかった」
捜査員「お金が?」
男「なくて...」
はがきには気づいていたものの、お金を支払うことができなかったという男。
その後、車内で逮捕された。
警視庁は、毎年6月と11月に、こうした悪質な交通違反者の追跡捜査を一斉に行い、逮捕している。
別の日、捜査員が訪れたのは、都内にあるタクシーの営業所。
タクシー運転手の男は、2017年1月に信号無視で取り締まりを受けたが、反則金9,000円を支払わなかった。
男「ああ、はがき。今月末くらいに行きますという話はしてたのですが」
捜査員「正当な理由なく出頭しないときは、逮捕状が発せられることがあると」
男「かしこまりました」
出頭要請のはがきに気づき、11月末には出頭するつもりだったと話すが、1年半以上もの間、出頭をしなかったため、逮捕状が請求された。
男「やっぱり(手錠)かけられるんですね」
捜査員「うん、かけないといけないんだわ」
その後、検察官の取り調べを受けたあと、裁判所から罰金刑が言い渡された。
こうした交通違反の追跡捜査で、2018年、逮捕状が出た人のうち、905人が実際に逮捕されているという。