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【大相撲】

稀勢、冬巡業当面休場 進退懸かる初場所へ復活プラン白紙

2018年11月29日 紙面から

田子ノ浦部屋の千秋楽祝賀会に参加した稀勢の里(右)=25日、福岡市内で(志村拓撮影)

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 右膝の捻挫で九州場所を途中休場し、場所後に横綱審議委員会(横審)から「激励」の決議を受けた横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が、12月2日に始まる冬巡業をしばらく休場することが決まった。師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は福岡国際センターでの番付編成会議後、巡業前半での合流が難しいとの見通しを示した。進退が懸かる来年初場所に向けた調整は「いばらの道」となりそうだ。

 力士人生の土俵際に立たされた稀勢の里の復活プランは、今のところはほぼ白紙の状態だ。横綱が冬巡業初日から休場することを表明した田子ノ浦親方は「ちょっと様子を見て、前半はちょっと…。ちゃんと(けがを)治してから」と歯切れが悪かった。

 8場所連続休場明けだった秋場所で10勝。だが、完全復活を期した九州場所では横綱として87年ぶりの初日から4連敗を喫し、白星がないまま途中休場に追い込まれた。場所後には、横審から史上初の「激励」を決議され、来年初場所に進退を懸けて出場することを“厳命”された。背水の陣に備え、1分1秒でも惜しいはずだが…。

 冬巡業は九州、関東の計16カ所で17日間の興行が行われる。師匠が「そのあたりかな」と合流の目安にしたのは、12月20日から地元の茨城県土浦市などで行われる関東での巡業だ。九州場所初日に痛めた右膝は全治1カ月。診断に従い治療を優先したと言えばそれまでだが、親方衆が「番数をこなすしかない」「初場所初日を逆算して、泥だらけになって」と厳しく注文した猛稽古は望めそうもない。田子ノ浦親方によると、横綱本人は「できるだけ早い段階で戻りたい」と話している。絶体絶命の状況で迎える稀勢の里の冬。あきらめない姿勢を信じるしかない。 (志村拓)

 

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