サイバー攻撃による世界の年間経済損失は、60兆円を突破した。犯罪者集団だけでなく、国家を後ろ盾にした諜報組織も暗躍する。北朝鮮は核開発の資金を稼ぎ、ロシアや中国、イランも攻勢を強める。本誌は、サイバー戦争の拡大を象徴する16億件のパスワードの流出を発見。分析の結果、ソニーやトヨタ自動車、外務省などの従業員の被害が確認された。新たな手口を次々と編み出し、盲点を突いてくる相手にどう対抗すればいいのか。時代遅れの対策は意味をなさない。あなたをサイバー戦争の「最前線」にお連れしよう。
(吉野 次郞、寺岡 篤志、藤中 潤)
INDEX
PART 2
サプライチェーンが標的に
想定外の「抜け穴」判明 16億件は回収不可能
PART 3
日本企業を包囲する4カ国
奪ったカネで核開発 正恩氏の“別動隊”暗躍
PART 4
MUFG、富士通、パナソニックの防衛策
サイバー後進国の企業にできること
日経ビジネスDIGITAL限定コンテンツ
専門家が語り尽くす
日本企業が知らないサイバー防衛の“盲点”
亀田浩樹・三菱UFJフィナンシャル・グループCISO(最高情報セキュリティー責任者)
サイバー防衛で大事な「Who」「How」「Why」
稲葉茂・東京海上ホールディングス常務執行役員CISO
セキュリティーの責任は、経営層が担うべきだ
伊東寛・陸上自衛隊システム防護隊初代隊長
自衛隊のサイバー部隊は「企業を守れない」
日経ビジネス2018年9月10日号 20~21ページより