今回は、サントリーのオールドボトル、エクセレンスを飲んでみます。

ウイスキー自由化に対抗したボトル

excellence_エクセレンスが発売されたのは1971年でした。
この年、スコッチウイスキーの輸入が自由化され、翌年には関税も引き下げられました。
これまで、高根の花というにはあまりにも高額だったスコッチウイスキーが、頑張れば手に入るようになったことで、日本のメーカーにとっては、利益率の高い高額なウイスキーの競争が激しくなることに脅威を抱いていたようです。

そんな中でサントリーは、この自由化の年に合わせ、品質で勝負をかけたのが、サントリー エクセレンスでした。

エクセレンスは、その後も長くラインナップとして売られ、2004年で販売が終了しました。
その間にも、様々な形状の限定ボトルが存在しています。

今回入手したボトルは、「ウイスキー」表記で750mLのため、1989年以降のものと思われます。
状態は良くはなく、コルクの栓は劣化しており、輸送などの間に量が減っています。

まろやか、スイートなボトル

ともあれ、まずはストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々濃いめの琥珀色、香りはラムレーズンのような甘さを感じます。

口に含むと、ラムレーズン入りのチョコレートのようなとても甘い香りが広がります。その後はバニラ、軽くピートが続きます。

味わいは、アルコールからの辛さは少々あるものの、その後は甘みが舌に広がります。

ロックにすると、バニラとリンゴが揮発し、ピートのスモーキーさもそこそこ鼻をくすぐります。
味わいは、多少のビター、酸味があるものの、後味は極めて甘いです。

ハイボールでは、軽く燻製のようなスモーキーさがありつつも、その後はレーズン、リンゴといったフルーティな香りが追いかけてきます。
味わいは若干ビターを帯びた酸味を感じます。

状態の悪さを危惧していましたが、実際にはそれほど劣化した印象はありませんでした。

全体的にみると、1980年代のサントリーオールドのように、シェリー樽原酒由来のブドウの香りが目立ち、最近のサントリーにはないスモーキーさもありますが、ノンエイジながらもアルコールの刺激は比較的少なく、まろやかに感じました。

また、味わいも甘みが強い印象で、食事と一緒に飲むよりも、軽いおつまみと一緒に飲むほうが適しているように思えます。

750mL アルコール度数43度。

オークションでは特級時代も含めてかなりの数が出品されているため、比較的入手しやすいかと思います。

<個人的評価>

  • 香り B: ラムレーズン、チョコレート、バニラの香りが主体。後からピートも感じる。
  • 味わい A: 全体的に甘い後味が印象的。アルコールの刺激は少なめ。
  • 総評 B: スコッチウイスキーに対抗するだけのまろやかさ、香りを持つボトル。