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なめらかな水平面上で静止している質量$M$の直方体の木片に向かって質量$m$の弾丸 \\[.2zh] \hspace{.5zw}を速さ$v$で水平に撃ち込んだところ,\ 弾丸がある深さまで食い込んだところで一体と \\[.2zh] \hspace{.5zw}なって動き始めた.\ このときまで,\ 弾丸は木片から一定の大きさ$F$の抵抗力を受けた. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ 一体となった後の速さ$V$を求めよ. \\[.8zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ 一体となるまでの時間$\Delta t$を求めよ. \\[.8zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ 弾丸が食い込んだ深さ$x$を求めよ. \\
木片に関する力積と運動量の関係}より 弾丸と木片に関する仕事とエネルギーの関係}より \\[.5zh] (1)\ \ 弾丸と木片を着目物体とするとき,\ 一体となるまでは互いに内力Fを及ぼしあっている. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ しかし,\ 外力による力積は受けていないから,\ 水平方向の運動量が保存する. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 合体後は質量がM+mになることに注意して運動量保存則を立式する(図の右向きを正). \\[1zh] (2)\ \ \bm{木片か弾丸のみに着目}し,\ \bm{(力積)=(最後の運動量)-(最初の運動量)}を立式すればよい. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 最初に静止していた木片に着目すると計算が楽になる.\ (1)のVを代入して\Delta tが求まる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 弾丸に着目して立式すると,\ \bm{-\,F\Delta t=mV-mv}\ となる(力積の符号に注意). \\[1zh] (3)\ \ \bm{弾丸と木片全体に着目}し,\ 仕事とエネルギーの関係を考慮する. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ つまり,\ \bm{(受けた仕事)=(最後のエネルギー)-(最初のエネルギー)}を立式すればよい. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 弾丸か木片の一方だけに着目して立式することはできない. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 仕事Fxが,\ \bm{弾丸を静止させる効果と木片を加速する効果を併せ持つ}からである. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 木片が抵抗力Fを受けてその向きにd進むとすると,\ 木片が受ける仕事はFdである. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 一方,\ 抵抗力Fが進行方向と逆向きにはたらく弾丸が受ける仕事は-\,F(x+d)\ である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \bm{移動距離は地上で静止した人の立場で考えなければならない}ことに注意してほしい. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 結局,\ 弾丸と木片全体が受ける仕事は\ Fd-F(x+d)=-\,Fx\ となる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \bm{(最初のエネルギー)=(最後のエネルギー)+(発生した摩擦熱)}\ と考えて立式してもよい. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \bunsuu12mv^2=\bunsuu12(M+m)V^2+Fx\ とできる(摩擦熱は食い込んだ距離で決まる). \\[1.5zh] 本問は\bm{積み重なった2物体の摩擦力を介する運動の問題と本質的に同じ}である(下図). \\[.2zh] 以前は運動方程式で長々と求めたが,\ 実は運動量やエネルギーでより簡潔に解けたのである