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【プロ野球】

やっぱり丸! セ界4人目2年連続MVP

2018年11月28日 紙面から

MVPに選ばれ、握手する広島・丸(左)と西武・山川

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 今季のプロ野球のタイトル獲得者らを表彰する「NPBアワーズ2018 supported by リポビタンD」が27日、東京都内で開かれ、最優秀選手(MVP)にセ・リーグは広島の丸佳浩外野手(29)が2年連続で、パ・リーグは西武の山川穂高内野手(27)が初めて選出された。2年連続受賞は2008、09年のラミレス(巨人)以来。最優秀新人(新人王)には、セがDeNAの東克樹投手(22)、パは楽天の田中和基外野手(24)が選ばれた。

 スポットライトが照らす先に丸がいた。パのMVPに選ばれた西武・山川と握手をかわすと、自然と表情は崩れる。球団史上初となる2年連続の最優秀選手。また一つ球団史を塗り替えた。

 「非常に光栄です。まさか自分が2年連続で受賞できるとは思っていなかった。うれしい気持ちがある一方で、びっくりした気持ちがあります」

 125試合で打率3割6厘、39本塁打、97打点、出塁率4割6分8厘。2位の大瀬良に832点差をつける断トツの得票数。リーグ3連覇を成し遂げたチームを攻守においてけん引したことが評価された。

 悔しさを力に変えた。悪夢は4月28日の阪神戦(マツダ)。ダイビングキャッチをした時に右太もも裏を肉離れ。翌29日に出場選手登録を抹消され、2013年5月20日からの連続試合出場は「700」で止まった。

 「離脱した分を取り返そうという思いで戦った」。再昇格後の6月8日の楽天戦(マツダ)では本塁打を含め2安打2打点。守備では3回、中前へ落ちそうな打球に飛び込み好捕した。「ケガをした場面が頭をよぎった。うまく処理できて、ここから行けるんじゃないかと思った」。その後は驚異的な数字を残し、チームを前へ押し進めた。

 安打だけではない。シーズン四球数130は王貞治に並ぶ歴代4位タイ。出塁率も歴代8位だ。「自分の持ち味。良い数字が残せた」。結果が出ても出なくても一喜一憂せず「フラットな精神状態」でグラウンドに立ち続けたたまものだ。

 3年連続のベストナイン、最高出塁率にも輝いた球界屈指のバットマンは今季取得した国内FA権を行使。ロッテ、巨人との交渉を終え、広島残留を含めた選択で揺れている。「決断はまだか?」の問いに「はい」と返答。29日にはゴールデングラブ賞の表彰式に出席。それを一つの区切りとして、今月中にも決断するとみられる。「僕自身、器用な選手ではない。不器用なりに全力プレーでチームに貢献したい」。その動向に球界全体が注目している。 (市尻達拡)

 

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