増やす 2018.11.19 【インタビュー】新しい働き方が世の中を変える?-スマホアプリ「pato」編-
世の成人男性のみなさま。こんなことを思ったことはないでしょうか?「あー、かわいい女の子も交えて飲みてーなあ。でもキャバクラ行くのも何か違うんだよなあ…」なんて。そう、世の中の疲れた社会人男性にとって、一緒に楽しくお酒を飲める素敵な女性の存在は何物にも代えがたい、砂漠のオアシス的な存在だと言えるでしょう。そして、そんな欲求を満たしてくれる「pato」というサービス(スマホアプリ)があることはご存知でしょうか?
■「いやー、昨日飲んでて、patoっていうアプリ使ったんですけど、マジやらかしましたわ…」
今回、エンタメマッチングアプリ「pato」を取り上げるに至った背景を先に説明しましょう。まずはこちらの画面をご覧ください。
「いやー、昨日友達と4人で飲んでて、patoっていうアプリ使って、スゲー楽しかったんですけど、マジやらかしましたわ…」と言いながら見せてきたのが、このスマホ画面。
「利用ポイント【132,000P】」というのは、つまり14万5,200円(※)を支払ったということらしいのです。キャストの女性と楽しく飲んでいた結果、気づいたらこんな金額になっていたらしく、翌日の社内ミーティングで少しうなだれながらこの画面を見せてきました。全員が爆笑したことは言うまでもありません。
(※この金額は、男性4人で飲んでいた際に、キャストの女性を4名呼んで4時間~5時間ほど楽しく飲んでいた結果の合計金額です。)
ここで1つ疑問が湧いたため、今回の記事に至ったわけです。「これはキャストとして働く女性は、かなりの金額を稼いでいるのではないだろうか?」と。
調べてみると、男性が女性に謝礼を支払って開催される飲み会のことをギャラ飲みというらしいのです。もともとはアイドルやモデルなどが行っていたそうですが、最近ではさまざまなマッチングアプリも誕生し、フツーの女子にもギャラ飲みが浸透。このギャラ飲み、テレビでも取り上げられると共に、SNSなどでも話題になっているらしく、かなり稼いでいる子も多いのだとか。
そこで、今回はギャラ飲み女子から高い支持を得ている、エンタメマッチングアプリ「pato」を運営する株式会社キネカさんにお邪魔することに。本当に稼げるのか?どれくらい稼いでいるのか?気になるギャラ飲みの実態について調査をしてきました。
■patoってどんなアプリ?
まずはpatoでマッチングするまでの流れを簡単にご紹介します。patoの使い方は大きく「patoコール」と「個パト」の2つ。
「patoコール」は複数人ずつの飲み会をするときに使います。ゲストが飲み会の場所や時間、呼びたいキャストの人数を入力すると、コンシェルジュがマッチングを行い、最短30分でキャストが到着。
「個パト」は、キャストと1対1で会える機能。男性は好みのキャストを検索し「メッセージ」でやり取りしつつ、飲み会の日時や場所を決めます。
■都内某所にある、patoオフィスに潜入!
それでは早速お邪魔したいと思います。扉をあけるとpatoコンシェルジュのひよこちゃんがお出迎え。
迎えてくれたのは、キネカさんでマーケティングを担当する柴田さん。patoの立ち上げ当初から携わっていたそうで、優しげな雰囲気と爽やかな笑顔が印象的です。今回は柴田さんと、キャストとして登録しているA子さんにお話を伺えることになりました。
■通過率10%!? 平均月収50万円!? 驚きのギャラ飲みのお金事情
──まず、簡単にpatoのご紹介をいただけますか?
「patoは世間的にはギャラ飲みマッチングアプリとして認知されていますが、弊社としては“エンタメマッチングアプリ”として運営しています。マジシャンや催眠術師など“エンターテインメントを提供してくれる人”を気軽に呼べるサービスで、pato の中には数名ですがそういった男性キャストも在籍しています。今は在籍キャストのほとんどが女性ですが、今後はもっと幅を広げ、芸能人なども呼べるようにしたいと企画を練っているところです」(柴田さん)
──ギャラ飲み以外にも使えるんですね。キャストさんは全部で何名くらいいらっしゃるんですか?
「1,000人くらいですね。そのうち800人強は東京ですが、大阪、名古屋、福岡、北海道、沖縄などでも展開しています」(柴田さん)
──patoキャストになりたいという方はかなり多そうですね。
「そうですね。毎月かなり多くの応募がありますが、応募者の方とは面談をさせてもらい、通過する方は10%くらいです。容姿もありますが、やはり飲み会の場に行くので、盛り上げられそうか、人当たりや愛想が良さそうかといった点は重視していますね」(柴田さん)
──男性側はどういった方が利用されるのでしょうか?
「利用しているのは主に会社経営者など、超富裕層の方々です。ここではお名前を申し上げられないような、逆にお金を払ってでも会いたいような方もいらっしゃいます。
料金は完全時間制になっていて、なかには24時間以上利用する方もいらっしゃいますね。1度の利用での最高額は100万円いかないくらいで、累計で1,000万弱の金額を使っている方が幅広くいます。リピーターの割合は5〜6割くらいで、“このお店に行ったらpatoでキャストを呼ぶ”といった、お決まりの使い方があるようです」(柴田さん)
──キャストさんの月収もかなりいきそうですね。
「平均月収で言ったら50万円は超えていると思います。というのも、ひと握りのトップキャストたちがものすごく稼いで、平均値を押し上げているんです。なかにはひと月で400万円ほど稼ぐキャストもいます。
週2〜3回のみの出勤という子でも月に20〜30万円くらいは稼いでいますね。現状ではpatoを専業にして働いているキャストは数名ほどですが、最近は増えてきていて、夜の仕事をしていた子がpatoに乗り換えるケースも多いです。
男性がお気に入りのキャストに贈る“おひねりギフト”などの機能も用意しているので、時給以外に+αの収入が入ることもあります。ギフトは最高で100万円ですが、1度だけ出たことがありますね」(柴田さん)
■テレビでたまたま観たpatoに姉妹で登録。いつのまにか本業に?
A子さんは2017年の11月に登録。残念ながらお顔はお見せできませんが、色白で品があり、キレイ系な印象。それでいて気さくで親しみやすさのある方です。
数少ないトップキャストのひとりであるA子さん。patoには売り上げに応じて週間・月間ランキングが公開されますが、月間ランキングで1位に輝いたことがあるそう。
──patoを使って働き始めたきっかけは?
「たまたま姉と見ていたテレビ番組で、patoが紹介されていました。面白そうだなと思って、姉とほぼ同時期に応募しました。今では、姉と一緒にお客さんのところに行くこともありますね。
私はもともと夜の仕事をしていたのですが、稼ぎはそれほど良くありませんでした。patoを試してみたら3倍近く稼げて、月収も3桁を超えたので、夜の仕事は辞めました。今は昼にパートの事務を時々手伝うくらいで、ほとんどpato専業で働いています。月の最高月収は160万円くらいで、そのときはランキングの月間1位になりました」(A子さん)
──稼いだお金はどんなことに使っているんですか?
「以前は浪費していたのですが、最近は貯金が趣味です。2ヵ月に1度、海外旅行には行っていますが、あとはほとんど使いません。具体的に将来何かやりたいという目標はないですが、今後何かやりたいと思ったときのために貯めています」(A子さん)
■ギャラ飲み女子の1日は?
──毎週、どのくらいのペースで働いているんですか?
「日曜日を除いて、ほとんど毎日出勤していますね。16時くらいに起きて、18〜19時には身支度を整えて待機しています。ずっと同じお客さんにつく日もありますし、数件のギャラ飲みをハシゴすることもありますが、私はだいたい朝の5時までと、働く時間を決めています。そこから帰宅して、寝るのは朝の8時くらいです」(A子さん)
──ご自身で時間の管理もされているんですね。patoで働く上でのメリットはありますか?
「出たくない時は出なくていい、自由に働けるのが一番ですね。夜の仕事だと出勤管理もありますが、patoはそういうのが一切ありませんから。夜は働きたくない子ならランチで稼げばいいですし、その子に合った働き方ができると思います」(A子さん)
──patoで働く前と後で、何かイメージと違った部分はありますか?
「最初は“あやまんJAPAN”みたいに、体を張ったパフォーマンスが必要なのだと思っていました(笑)。でも、どちらかというとラウンジのようなイメージに近くて、しっぽり飲むお客さんも多いですね。キャバクラみたいにムリに気を遣う必要もないですし、お客さんの方から『気を遣わなくていいから』と言ってくださることもあります。お酒を飲みすぎてつらいことはありますが、嫌なお客さんはほとんどいませんね」(A子さん)
──他のキャストさんと組んで接客する日も多いと思いますが、その際に稼ぐための工夫はありますか?
「やっぱり延長をつけてもらいたので、“みんなで頑張ろう”みたいな雰囲気はありますね。ひとりが帰るって言い出すと解散の流れになってしまうので、今日は何時までいけるのか、お互いに聞いたりしています。
あとは酔って潰れちゃっても終わってしまうので、『この子酔っているな』って思ったらお水をがんがん飲ませます(笑)。『せっかく呼んだんだから今日はがんがん飲もうよ!』という感じのお客さんも多いので。夜の仕事をやっていた子はドリンクバックがないからイヤという子もいますが、うまく烏龍茶をウーロンハイと誤魔化していたりしますね」(A子さん)
■ギャラ飲みをしていること、恋人に言える?
──ギャラ飲みのことは周りの友だちや彼氏には話していますか?
「友だちには話していますね。仕事内容を伝えるとたいてい“接待みたいだね”と言われて、理解してくれる子が多いです。patoで会った子の中には彼氏に伝えているという子もいますが、多くのキャストは彼氏には言えないみたいです」(A子さん)
──お客さんに好きになられることもあるのでは?
「ありますね。そういう時は『私たち友だちだよね!』という方向に持っていきます。付き合うとなると『patoは辞めて』って話になるので。もっとpatoで頑張りたいから、といったことを伝えています」(A子さん)
■マネチエ編集部の感想
ざっくばらんに話をしてくれたA子さん、柴田さん。本当に稼げるのか?と半信半疑で潜入しましたが、ギャラ飲みで稼いでいる女性はかなりいることが判明。
ブロガーやインスタグラマーなど、個人で新しい稼ぎ方をする人が増えている昨今。patoのようなプラットフォームが浸透することで、また新しい稼ぎ方が生まれているようです。
とはいえ、Airbnbで日本に広がった民泊のように、普及していくことで、その後新たな法律が生まれたり、規制の対象になるということもあります。また、管理されずに自由に働ける分、働く女性には事業主としての責任が伴うことも忘れてはいけません。
まだ生まれたばかりのエンタメマッチングアプリ。今後どうなっていくのか、注視していく必要がありそうですね。
なお、冒頭に登場した13万円使ったマネチエ編集部員は使い過ぎたことを反省したらしく、その後はまだpatoを使っていないそう。しかし、あわよくばいつかどこかでもう一度使ってみたいと画策しているらしいです。
TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:マネチエ編集部
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