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友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ? 作者:【世界一】とにかく可愛い超巨乳美少女JK郷家愛花24歳【可愛い】

第四章

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13、好みのタイプ

 竜宮とのイベントが行われ、冬華と夏奈と一緒にカフェに行った、翌日のこと。


 竜宮とのこと、そして冬華と夏奈との会話で、池の好きな女子がいるのかどうか、改めて自分で考えていた。しかし、やはりどうにも上手く想像ができない。

 真面目くさった表情が様になるハンサムな池の横顔を伺いながら、俺は授業中に色々と想像を張り巡らせていた。


 すると、授業が終わってから、


「……今日はどうしたんだ、優児。俺の方ばかり気にしていないか?」


 池にそう声をかけられた。


 視線に気づかれていたのか。いや、言われてみれば確かにジロジロと見すぎていたかもしれない。


「ああ。池に聞いてみたいことがあってな」


 俺の言葉に、池は首を傾げてから不思議そうに、


「聞いてみたいこと? なんだ改まって、何でも聞いてみてくれ」


 彼の言葉に甘えて、俺は正直に聞こうと思ったが……。

 ふと、口を噤む。


俺は視線を感じて振り返る。

その視線の先には、熱心にこちらを見ている夏奈がいた。

普段ならば、俺と池の会話に割り込んできそうなところだが、どうにも様子がおかしい。


 疑わしそうに、そしてなぜだか不安そうにこちらを見ていた。

 ……あんなに見られていると、少し話しづらいな。


「あまり周囲に人がいないところで話したいんだが」


「ん、そうか。それなら、非常階段のところに出るか」


 池は立ち上がりつつ、そう言った。

 俺は彼の後ろについて歩く。


 普段は使われない、人気の少ない非常階段の入り口に到着すると、池が俺の顔を見て微笑を浮かべてから、問いかけてきた。


「それで、聞きたいことってのはなんだ?」


 俺はその妙に様になる笑みを見つつ、答える。


「池って、告白はしょっちゅうされているのに、彼女いないよな。好きな女子でもいるのか?」


 俺の問いかけに、池は一瞬驚きを浮かべたものの、すぐに呆れた様子で肩を竦めた。


「なんだ、優児がそんなことを聞くなんて、珍しいな。……誰かから、頼まれたりしたのか?」


 俺の交友関係は、狭い。

 ここで俺が頷けば、竜宮に辿りつく可能性は高い。

 ……だからと言って、彼女の好意に超鈍感主人公の池が気づけるかは、また別の話なのだが。


「俺はお前のことを、考えていた以上に知らないなと思ってな。優秀で、人望があって、ハンサムで、良い奴で生徒会長で。ま、なんだ。友人の女子の好みくらいは知っておきたいなと思ったんだよ」


 池の質問には答えないまま、俺は知りたい理由を答えた。


「友人の女子の好みは知りたい、か。なるほど、確かに俺は優児の好きなタイプは知っているから、お互いに知っておかないとフェアではないな」


 どこか意地悪く笑みを浮かべる池。


「俺の好きなタイプ?」


 と、間抜けに聞き返したものの、すぐに気が付いた。

 俺と冬華が「ホンモノ」の恋人だと思っている池からすれば、俺のタイプは彼女のような女子となるのだろう。

 そう思っていると、


「優児は、真桐先生みたいな人がタイプなんだろ?」


「ああ、そうだ……んなっ!?」


 聞き流して頷こうと思っていたら、意外な人の名前が出てきた。

 俺は思わず驚きを浮かべてしまった。


 そんな俺の顔を見て、池は悪戯が成功したガキのように、無邪気に笑いつつ、言った。


「自分の本質を見てくれて、優しさと厳しさを持ち合わせた、大人の女性。……その上美人でスタイル抜群。そういうところ、良いって思ってただろ?」


 ……確かに、仕事中の、いや素面の状態の真桐先生はとても素敵な人だ。

 先生としてはもちろん、人間的にも尊敬できる。

 しかし、夏休み中に見てしまったあのポンコツっぷり。俺は素直に頷くことは出来なかった。


 そんな俺の態度をどう思ったのかは知らないが、池は続けて言う。


「気にするな。憧れの先生と、実際に好きになった人は違う。だから、今は冬華のことが一番好き。そういうことだろ? ……安心しろ、冬華に言ったりはしないから」


 なるほど、池の中ではそういう整理になっているのか。

 俺はとりあえず「お、おう」と呟いて応じた。


 それから、再び問いかける。


「俺のことは良いんだ。池の好きな女子……がいなければ、好みのタイプを教えてくれ」


 その言葉に、彼は小さく笑みを浮かべてから、答えた。


「好きな女子くらい、俺にだっているさ。年頃の男子高校生なんだからな」


 彼はどこか寂しそうにそう答えてから、続けて口を開く。


「……お互いの好みのタイプを知らないのはフェアじゃないって言ったが、俺が簡単に教えるのも、やはりフェアではないよな。とりあえず、その人のイニシャル一文字だけ教えよう」


 そう前置きをしてから、一つ呼吸をした池は言った。


「俺の好きな女子のイニシャルは……『T』だ」


「……『T』? それって、苗字か名前かは教えてもらえないか?」


「ああ。まぁ、俺も結構わかりやすくいからな。見てればそう遠くない内に誰かわかるんじゃないか?」


 と、池は爽やかに笑ってから、


「さて、聞きたいことは終わりだな? そろそろ教室に戻るぞ」


 踵を返して、池はここまでに来た道を戻る。

 Tって、誰だろうか、そう考えつつも、「おう、そうだな」と俺は答えて後ろに続くのだった。





 それから、次の休み時間。俺はトイレで用を済ませた後、教室に戻りつつも池の好きな女子である『T』のことを考えていたのだが、明確な答えは出ないでいた。


 池の周囲にいる女子に、『T』なんて腐るほどいるだろう。

とりあえず、俺と池の共通の知り合いで『T』といえば……。


 竜宮乙女、か。


……どうなんだろうか、実際。

竜宮が一方的な好意を向けているだけにも見えるが。 

しかし、可能性は0ではない。この情報は、是非とも彼女に伝えよう。


それ以外だと……冬華も『T』だな。

もしも池が好きの定義を『LOVEじゃなく、LIKE』としていたら……妹の冬華のことを『好き』と言うかもしれない。

あの鈍感主人公のことだから、この答えは意外とあるのかもしれない。


 あとは、他に誰かいただろうか……?

 と、悩んでいると、正面から歩いてくるその人を見て、俺は思い至った。


「あ、真桐先生。……どうもっす」


 真桐千秋先生。

 彼女も名前のイニシャルが『T』だ。

 そして思い至るのは、池も彼女のことをとても好意的に思っているということ。

 性格のことも褒めていたし、外見も美人だと評していた。


 これは、本命なのではないだろうか?

 そう思いつつ、彼女を見ると、


「え、ええ。こんにちは、友木君。……私の顔をじろじろ見て、どうしたのかしら?」


 どこか恥ずかしそうに、そう言った。

 ……無遠慮に見すぎていたのかもしれない。俺は反省しつつ、やはりこの人は美人だなと再確認した。


 池も似たようなことは言っていたが、真桐先生は人の内面を見てくれる人であり、厳しく優しく、若くて美人で性格も良く、生徒想いな人だ。

おそらく彼女のポンコツっぷりを知らない池にとっては、まさしく理想の女性なのかもしれない。


「いえ、先生に聞いてみたいことがあって」


 俺の言葉に、真桐先生は「コホン」と一つ咳ばらいをしてから、


「何が聞きたいのかしら?」


 と、どうやら俺の話を聞いてみてくれるらしい。

 まだ真桐先生が池の好きな女性だと決まったわけではないが、『敵を知り、己を知れば百戦危うからず』とも言うし、竜宮に報告できることは多い方が良いだろう。


そう思い、俺の言葉を待つ真桐先生に問いかける。


「真桐先生は、年下を恋愛対象として見らます?」


「愚問ね。その質問のこた……え?」


 俺の問いかけを聞いて、真桐先生は即答をしそうな雰囲気だったのだが、すぐにフリーズをしてしまった。


 それから、たっぷりと時間をかけて……。


 …………。




 ……………。



















「……っえぇ!?」


 と、これまで見たことないくらい、顔を真っ赤にして、あからさまに真桐先生は狼狽えるのだった。



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