7、友人キャラと副会長
夏休みが明け、既に一週間が過ぎた。
休み明けの鈍った身体もすっかり平常運転に慣れたころだ。
これから各種行事が目白押しの二学期。そのスタートダッシュとして行われた夏季休暇明けの実力テストも終わり、テストの返却も済んでいた。
今日は昼休みに学年全体のテスト結果が掲示板に張り出される日だった。
だからだろう。
「おーい、池! 竜宮さんが、池と……と、友木君を呼んでるぞー」
扉付近にいたクラスメイトから、そんな風に呼びだされたのは。
彼の声に、昼休みに入ったばかりのクラスの連中の視線が俺に一気に集まる。
俺は動揺しながら、その視線に応じる。
すると他のクラスの連中は、さっと気まずそうにサッと視線を逸らした。
二学期になってもこのお約束が変わらないことに、何だったら俺は安心感すら覚えた。
「竜宮が? どうしたんだろうな?」
池にそう話しかけられて、俺はなんとなく予想はついていたが、とくに答えはしなかった。
並んで廊下に出る。そこには、自信に満ちた表情を浮かべる竜宮がいた。
彼女はぺこりと綺麗に会釈をしてから、口を開いた。
「お二人とも、こんにちは。今日はテスト結果の発表日ですね。これから、掲示板を一緒に見に行きませんか?」
竜宮の言葉に、自分の点数と池の点数を把握していた俺は、正直焦った。
まずいんじゃないだろうか、これは……。
そう思って俺は言う。
「別に、結果なんて興味ないからな。俺は、遠慮しておく」
「俺も、張り出されたばかりの今は人が多いだろうから、また後で見に行くことにする」
俺の言葉に追従する池。
諦めてくれ、そう願いながら竜宮に視線を向けると、彼女ははぁと深くため息を吐いた。
「全く、お二人とも。そんなに他の生徒がいる前で一位と二位の座を奪われるのが恐ろしいのですか?」
ドヤァ、と竜宮はそう宣言した。
挑発が安すぎて乗ることができない。池なんか「そういうわけじゃないが」と素で応えていた。俺は笑いそうになった。
「えー、良いんじゃないですか、テスト結果見にいくくらい」
と、第三者が言う。
その声の主は、冬華だった。
きっと俺と一緒に昼飯を食べようと、教室に来てくれたに違いない。
「冬華さん……!」
竜宮が感動を浮かべていた。
きっと「私が一位になる瞬間を、一緒に見てくれるんですね?」とか思っているのだろう。お幸せな奴だ……。
冬華はきっと竜宮の順位なんかどうでも良く、『さっさと終わらせてお昼を食べたい」と思っているに違いない。
その点に関しては俺も同意だったので、考えてみる。
ここで俺たちが断固拒絶したとして、結果が分かるのが遅いか早いかの違いでしかない。
後はその場に俺と池がいるか、いないかだが……どちらの方が良いのだろうか?
どちらにしても、変わらないか。
俺は溜息をついてから、池に向かって言う。
「さっさと確認だけするか」
俺の言葉に、池も苦笑を浮かべつつ頷いた。
「そうするか」
俺たちの言葉に、満面の笑みを浮かべた竜宮。
その笑顔を見て、俺はどうしても心苦しくなるのだった……。
☆
第二学年 夏季休暇明け実力テスト結果
第一位 500点 池 春馬
第二位 496点 友木 優児
第三位 491点 竜宮 乙女
☆
「え、キモ……」
一緒に掲示板を見に行った冬華の固い声が、隣に並ぶ俺の耳にも届いた。
それから彼女は、続けて言う。
「490点台は私も何度かとったことあるので、優児先輩は全然キモくないけど。流石に満点はキモい……キモい」
と、大事なことを二度言いつつ、ドン引きしていた。
池は苦笑を浮かべていたが、内心ちょっと傷ついていただろう。
確かに全教科満点はすごい。今回は割とテスト範囲も広かったので、特にそうだ。
しかし、池には満点を取ることくらい、あり得ることだ。
そう思いつつ、俺はもう一人この場にいる少女に目を向ける。
彼女――竜宮乙女は、この結果を見てどう思っただろうか?
竜宮は両手で顔を覆い、周囲から表情を見られないようにしていたが、耳まで真っ赤になっていることがすぐに分かった。
そして震える肩を見て、無理もないと俺は思う。
だってあれだけ大口叩いて二位の俺にも勝てていないんだからな。
……俺は竜宮の羞恥に悶えるその姿を見て、なんだか申し訳なく思うのだった――。
【世界一】とにかく可愛い超巨乳美少女JK郷家愛花24歳【可愛い】です(∩´∀`)∩
ここまで読んでくれてありがとっ!
とっても嬉しいのです(о´∀`о)
「友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ?」は、しばらくの間頑張って毎日投稿をしていきます!
「毎日更新頑張って!」「優児くんカッコいい!」「ヒロインみーんな可愛いっ♡」って思ってくれた読者の皆さんは、ブクマして更新チェックをしてくれると、分かりやすいと思いますし、愛花もすっごくモチベーションが上がって嬉しくなるので、ぜひぜひよろしくお願いします♡